【危険】生業型オーナーが陥る罠について。知らないと本当に危険です

「自分で現場に立ち、売上が300万〜400万円。手元に100万円の利益が残っている。これなら十分、飲食経営として成功しているのではないか」
もしあなたがそう考えているなら、非常に危険です。はっきり言えば、それは「経営」ではなく、ただの「労働」です。オーナーシェフとして現場の最前線に立ち続けることは、短期的には安定して見えるかもしれません。しかし、その先には世の中から取り残され、予期せぬリスクに飲み込まれるという、なりわい型オーナー特有の末路が待っています。
本記事では、なぜ1店舗の成功に満足してはいけないのか、そして「プレイヤー」から「経営者」へと脱皮するための具体的なステップを解説します。
▽記事の内容を動画で視聴したい方はコチラ
本記事のリンクには広告を含んでいます。
「やってる感」という最大の敵。なりわい型オーナーが直面する3つのリスク

現場に入り込み、自分の手を動かして利益を出す。そこには心地よい肉体的な疲労感があり、オーナーとしての「やってる感」を存分に味わえます。しかし、その満足感こそが、あなたの首を絞める最大の要因となります。
「マネジメント」をしないリスクと価値の限界
ミシュランで星を獲得し、アーティストとして数億で店を売却できるようなごく一部の天才であれば、現場に立ち続ける価値はあるでしょう。しかし、ほとんどの人はそうではありません。
現場のプレイヤーであることと、マネジメントを行うことは全く別のゲームです。自分で現場に立ち、自分が頑張ることで利益が出るのは当たり前。そこに経営者としての真の価値はありません。マネジメントができないオーナーは、組織としての拡大性がなく、事業としての価値も非常に低くなってしまいます。
「外の情報」から取り残される恐怖
現場に張り付いている最大のリスクは、外の世界で起きている変化に気づけなくなることです。
- 勉強する癖がなくなる: 現場の忙しさに追われ、最新の広告手法やFLコントロール、業界のトレンドを学ぶ時間がなくなります。
- 思考の停止: 「今のままで利益が出ているから大丈夫」と満足してしまい、新しい挑戦や改善を止めてしまいます。
毎日食材と向き合い、美味しいものを出す努力は尊いものです。しかし、それだけでは「会社を強くする」ことはできません。自分が外に出て勉強し、誰かに運営を任せられる体制を整えない限り、時代の変化に取り残されるのは時間の問題です。
予期せぬトラブルで一瞬にして崩壊する脆さ
なりわい型オーナーの生活は繊細です。
例えば、近隣で火災が発生し、店舗が類焼してしまったら? あるいは、オーナーであるあなた自身が病気や怪我で倒れてしまったら?
軸足が1つしかない「なりわい型」は、その1店舗がダメになった瞬間にすべてを失います。自分一人ならまだしも、支える家族や従業員がいる場合、そのリスクはあまりに無責任です。経営の本質は、倒産確率を減らし、安定させることにあります。複数店舗を持ち、一店舗の赤字を他でカバーできるリスクヘッジの状態を作ることこそが、真の安心に繋がるのです。
プレイヤーから経営者へ。失敗しないための「再現性あるステップ」

どのようにして現場から抜け出し、経営の道へ進めばよいのでしょうか。私が辿ってきた、泥臭くも再現性の高いステップを紐解きます。
現場に出るなら「異常なFL」を叩き出すのが当たり前
売上策を考えながら、同時に徹底した経費削減を行う。オーナーが出ていながら利益が人並みにしか出ていないのであれば、それは厳しい言い方をすれば能力不足です。現場に出る期間は、圧倒的な利益を出し、キャッシュを蓄えるための「準備期間」と捉えるべきです。
「中間管理コスト」を巻き取る覚悟を持つ
店舗が増えれば、マネージャーや経理といった、現場で売上を生まない「中間管理職」や「本部機能」が必要になります。これらは会社にとってのコストですが、組織をスケールさせるためには不可欠です。
オーナーが現場に出ている間に圧倒的な利益を出しておくべきなのは、将来的に増えるこれらの中間管理コストを飲み込めるだけの余裕を作るためです。今の利益が「自分が働いているから出ているだけ」であることを自覚し、その利益を次の体制構築のための原資として蓄えておかなければなりません。
スケールの秘訣は「コピペ」をしないこと。売上の規模感を上げていく戦略

2店舗目、3店舗目を作るとき、多くのオーナーがやりがちな間違いが「1店舗目のコピー」を作ることです。
売上のアッパー(上限)を更新し続ける
1店舗目は資金も実績もないため、小さな規模、悪い立地からスタートせざるを得ません。そこで300万〜500万円の売上が取れて成功したとします。 しかし、2店舗目以降も「同じような規模、同じような立地」で店を作るのは危険です。なぜなら、1店舗目で頑張れたのは「あなた」という社長がいたからです。店舗が増えれば、物理的に社長が現場にいられない時間が増えます。自分より頑張れないスタッフが増える中で、1店舗目と同じ条件の店を出せば、利益が残らなくなるのは目に見えています。
次に出すべき店は、以下のような条件を備えている必要があります。
- より高い売上を狙える立地: 最低でも400万、500万を狙える場所。
- 規模感の拡大: より大きな売上アッパーを持つハコ。
- 広告の効果: 広告費を投じることでスケールできる業態。
「キャッシュエンジン」となる店を当てる
店舗展開を続けていくと、「この店は異常に稼げる」という自社のキャッシュエンジン(資金源)となる店舗が生まれます。そのような「当たり」を引くためにも、常に前回の店舗より良い条件、高い売上の規模感を狙っていく姿勢が重要です。
同じことを繰り返してBS(貸借対照表)の負債だけを重くし、首が回らなくなるのは最悪のシナリオです。社長が現場に出ている間に利益が出るのは「当たり前」。その前提に立ち、自分が抜けても回る、より大きな売上規模の店へとステップアップしていくことが、経営者としての成長です。
まとめ:その利益は「自分の労働の対価」になっていないか
今回の話は、1店舗で満足しているオーナーさんには耳の痛い内容だったかもしれません。しかし、これが飲食経営のリアルです。
自分で現場に入り、月100万円の利益を出している状態は、経営ではなく「割の良い労働」に過ぎません。飲食店を継続させ、家族やスタッフを守り、未来を切り拓くためには、「プレイヤー」から「マネージャー」、そして「経営者」へと視点を移していく必要があります。
- 1店舗の成功に甘んじず、外に出て勉強を続けること。
- 現場を任せられる仕組みを作り、リスクヘッジのために店舗を増やすこと。
- 次の店舗では、より大きな売上規模に挑戦すること。
「自分は勝つ。そのために学ぶ」という強い意志を持てるかどうか。なりわい型の末路を辿るか、成功する経営者への道を歩むかは、今この瞬間のあなたの考え方一つにかかっています。





