飲食店を成功させるには単に美味しい料理やサービスだけでなく、利益を生みやすい業態を選ぶことが重要です。
今後のトレンドや消費者ニーズの変化に対応し、成長が期待できる業態についても解説します。
開業を検討している方や新たなビジネスチャンスを探している方は、ぜひ参考にしてください。
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儲かる飲食店のジャンル5選
飲食業界は競争が激しく、選ぶジャンルによっては集客が難しくなることもあります。
ここでは、安定した売上が見込める、かつ利益が期待できる飲食店のジャンルを5つに厳選して紹介します。
今後の市場の変化に対応できる「これから伸びる飲食店の業態」についても詳しく解説します。
博多系居酒屋
博多は全国的に見ても安くて美味しい料理が多く、地元の人々に愛される食文化が根付いています。
この特徴を活かし、リーズナブルでありながら質の高い料理を提供できればリピーターの獲得が可能です。
博多の飲食店は都会の洗練されたサービスと地方の温かみを兼ね備えた接客スタイルを持ち、それが居心地の良さに繋がります。
こうした店はアルバイト主体ではなく、正社員が料理のクオリティを維持しているケースが多いのも特徴です。
手間をかけた料理を提供する文化があるため、一過性の流行ではなく安定した経営が可能となります。
オシャレ系居酒屋
オシャレ系居酒屋は、若年層をターゲットにした新しい形の居酒屋業態です。
和の食文化をベースにしながらも、内装や食器、盛り付けにこだわることで、他店との差別化が図れます。
居酒屋市場は飽和状態にあるものの、ただの居酒屋ではなくオシャレな居酒屋を求める層は確実に存在します。
デートや女子会などのシーンでは、食事の内容だけでなく写真に映える空間が求められます。
そのため内装や雰囲気を重視した店舗づくりを行えば、安定した集客が可能です。
オシャレ系居酒屋の強みは、トレンドの影響を受けにくい点にあります。
鰻屋
鰻屋は、近年特に注目されている飲食業態の一つです。
以前は職人の修行が必要な業態だったため、新規参入が難しいとされていました。
現在は物流の発達や加工技術の向上により、未経験者でも開業しやすくなっています。
鰻という食材自体が高級品であるため、客単価が自然と高くなるのも大きなメリットです。
価格競争に巻き込まれにくく利益率が高い点が魅力で、ターゲット層は50代以上の中高年が中心となるため、消費が安定しています。
インスタなどのSNSでアピールする場合、以下のように素材を主役にするようなニュアンスでアピールすると有効です。
天ぷら・天丼屋
天ぷら・天丼屋は競合が少ないにもかかわらず、国内外での需要が高まっています。
天ぷらは素材のクオリティや揚げ方で味が大きく変わるため、職人技が求められると思われがちですが、実際には機械化が進み、初心者でも一定のクオリティを保つことが可能です。
天丼は単価を上げやすいメニューの一つであり、最近では一杯1,500〜2,000円という価格設定でも十分に売れる市場が形成されています。
大手チェーンの参入が少ないため、中小規模の個人店でも勝負しやすいジャンルです。
定食屋
定食屋は成長が期待できる飲食業態の一つで、その背景には社会の変化があります。
共働き世帯の増加により自宅で食事を準備する機会が減り、手軽にバランスの取れた食事を求める人が増えていることが理由です。
都心部では自炊するよりも外食の方がコストを抑えられるケースも多く、定食屋の需要は今後も伸びると予想されます。
定食は栄養バランスが良く健康志向の高まりとともに人気が増しており、海外からの注目も高まっているためインバウンド向けのコンテンツとしても有望です。
価格帯も幅広く設定できるため、ターゲットを明確にすることで収益性を高められます。
飲食店のジャンル別利益率
飲食店のジャンル別の利益率と原価率は、以下のとおりです（※日本政策金融公庫のデータより）。
| 業種 | 利益率 | 原価率 |
| 一般飲食店 | 63.3% | 36.7% |
| 食堂・レストラン | 63.3% | 36.7% |
| 一般食堂 | 63.1% | 36.9% |
飲食店を成功させるためには、「利益率」と「客数」のバランスが重要です。
近年は食材の仕入れ価格が上昇し続けており、その影響を受けにくい業種を選ぶことが求められます。
たとえば、粉もの業態（うどん・そば・ラーメン・お好み焼きなど）は、比較的原価が低いため、利益率が高めです。
一方で、ファミリーレストランや高級レストランは、人件費や店舗維持費がかさみ、利益率が低くなりやすい傾向にあります。
利益率の高い業態を選び、客数を確保する戦略を立てることで、飲食店の成功率を高めることが可能です。
これから伸びる飲食店のジャンル
飲食業界は常に変化しており、流行に合わせた新たなジャンルが次々と生まれています。しかし、一時的なブームに乗ることが成功につながるとは限りません。
長く愛される飲食店を作るには、リピート率の高い業態を選ぶことが重要です。
そのためには、多くの人に親しまれ、世代を超えて支持される「国民食」に着目することが成功のポイントとなります。
ここではこれから成長が期待される飲食店のジャンルを紹介し、成功のポイントについて解説します。
代用食品を取り扱う飲食店
代用食品とは、従来の食材の代替として使用される食品で、大豆ミート、米粉、豆ヌードル、天然甘味料などが代表的です。
これらの食品はヴィーガンやベジタリアンといった特定の食生活を送る人々だけでなく、糖質制限やアレルギー対応を求める消費者にも受け入れられています。
代用食品は環境負荷が低い点でも注目されており、持続可能な食文化の推進に貢献する要素としても期待されています。
代用食品を取り扱う飲食店が成功するためには、健康と美味しさの両立が欠かせません。
ターゲット層に合わせた明確なコンセプトを打ち出すことで、競争力を強化できるでしょう。
健康志向の高まりに伴い、消費者の食の選択肢が多様化しているため、飲食店も柔軟に対応することが求められます。
レトロメニューを提供する飲食店
レトロメニューとは昭和や平成初期に人気だった料理やスイーツを再現したもので、クリームソーダ、ナポリタン、ミルクセーキ、固めプリンなどが代表的です。
これらのメニューは昔ながらの味わいを楽しみたい世代はもちろん、レトロな雰囲気を新しいと感じる若い世代にも人気があります。
ノスタルジックな雰囲気を演出できる店舗では、食事だけでなく体験としての価値が加わるためSNSを通じた口コミ効果も期待できるでしょう。
純喫茶のような内装やレトロなフォントを使ったメニュー表、昭和を感じる音楽の選定などトータルで世界観を作ることでより多くの人々に魅力を感じてもらえます。
海外の有名スイーツを取り扱う飲食店
日本の飲食業界では海外の有名スイーツを扱う店舗が増えています。
世界各国の伝統的なスイーツや話題のデザートは、SNSを通じて急速に広まりやすく新しいグルメトレンドを生み出すことが可能です。
海外の有名スイーツを専門的に取り扱う飲食店は、他店との差別化を図りやすく新規顧客の獲得にもつながりやすい業態といえます。
本場のスイーツは甘さが強い傾向がありますが、日本の消費者向けに甘さを控えめに調整することで、より多くの人に受け入れられやすくなります。
海外スイーツを取り扱う飲食店は、新しい食文化の紹介とともに、トレンドの最前線を担う店舗として成長する可能性が高いです。
健康志向の高まりを背景に、グルテンフリーのスイーツや低糖質のデザートが注目されているため、こうした需要を取り入れたメニュー開発を行うことも今後のポイントとなります。
田舎で儲かる飲食店の特徴
田舎で飲食店を成功させるためには、都市部とは異なる戦略が求められます。
人口が少なく商圏が限定されるため、安定した集客を確保できる仕組みが必要です。
地元の農産物や特産品を使った料理として提供することで、新鮮な食材を活かした独自性のあるメニューを打ち出せます。
これにより地元の人々に親しみを持ってもらいやすくなり、口コミでの集客効果も期待できるでしょう。
田舎では外食の選択肢が限られているため、幅広い層に対応できる業態が成功しやすいです。
家族連れが利用しやすい定食屋や、地域の憩いの場となるカフェは安定した集客が見込めます。
観光客や帰省客が増えるタイミングに合わせて特別メニューを提供することで、売上を底上げすることも可能です。
地域のイベントに積極的に参加し、地元の人々とのつながりを深めることで固定客を増やすことが可能です。
SNSを活用して店舗の情報を発信し、都市部の人々にもアピールすることで新たな顧客層を開拓できます。
地域の特性を活かしつつ時代の流れを取り入れた戦略を立てることが、田舎で儲かる飲食店を成功させるためのポイントです。
ジャンル選定が良くても立地選定が悪いと失敗する
飲食店の成功には人気のあるジャンルを選ぶことが重要ですが、それ以上に立地の選定が経営の成否を左右します。
話題性の高いメニューを提供していたとしても、立地が悪ければ集客が難しくなり、最終的に経営が立ち行かなくなるケースは少なくありません。
特に駅から遠く単価が安いラーメン店は絶対に避けるべきです。
回転率が求められるラーメン業態で、アクセスが悪く客単価も低いと、売上を確保するのが極めて困難になります。
なお、立地の悪い飲食店でも集客を成功させるポイントは以下の記事で解説しています。
適切な立地選定を行うためにはまずターゲットとする顧客層を明確にし、その層が多く集まるエリアを選ぶことが不可欠です。
単に人気のジャンルを選ぶだけでなく、その業態が本当に適した場所であるかを慎重に判断することで、長期的に安定した経営が可能となるでしょう。
利益の取れるジャンルと立地で長く続く飲食店を経営しよう
飲食店を成功させるためには美味しい料理の提供だけでなく、利益を生みやすい業態と適切な立地選びが重要です。
博多系居酒屋やオシャレ系居酒屋、鰻屋、天ぷら・天丼屋、定食屋などは、長期的に利益を確保しやすいジャンルとして注目されています。
ターゲット層の動線や地域の需要を分析し、業態に適した立地を選ぶことで、長期的に繁盛する飲食店を経営できるでしょう。
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黒瀬 実寿希
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SNSで話題の「駄目な隣人」「NIHONBASHI BREWERY」「東京ギョーザスタンドoolong」etc.直営10店舗を経営し、年商20億円を超える。
また、飲食店プロデュース・コンサルティング業も行い、赤字経営店舗を黒字化。
直近では、渋谷パルコ地下「土鍋ごはん いくしか」をリリース。
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