「移動販売で牛タンって売れるの?」
「牛タンの移動販売の始め方を知りたい」
「他のメニューと比べて、どうなんだろう?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
クレープのようなメジャーなものと比べると、牛タンの移動販売に関してはまだ情報が少ない状況。しかし、コツを抑えて正しい手順で行えば、誰でも牛タンの移動販売を始められます。
そこで本記事では、以下のように牛タンの移動販売の始め方について解説していきます!
- 移動販売で牛タンを売るメリット・デメリット
- 牛タンの移動販売で必要なもの
- 必要な資格・許可
- 牛タンの移動販売の始め方
- 成功のコツ
ぜひ参考にしてください。
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移動販売で牛タンを売る3つのメリット
移動販売で牛タンを売るメリットは、3つあります。
- 様々なメニュー展開が可能
- 食材の種類が少ない
- 高級感がある
1つずつ見ていきましょう。
1. 様々なメニュー展開が可能
牛タンと一言に言っても、そのメニューは様々です。以下はその一例です。
- 焼き肉
- 牛タン串
- 牛タン弁当
- 牛タンシチュー
- 牛タンコロッケ
- 牛タンカレー
「通常は他の肉を使う料理に牛タンを使う」という応用が可能なため、考えられるレシピは無限に広がります。それによって、お客様に飽きられにくくなることがメリット。
また、出店場所によってメニューを変えるという販売戦略も可能になります。
2. 食材の種類が少ない
メニューにもよりますが、たとえば牛タンの炭火焼きであれば、食材は牛タンのみです。
食材の種類が少ないと、仕入れや管理の手間を減らせることがメリット。複数の食材を扱うと、それぞれの購入手配や在庫管理・仕込みなどの労力がかかります。また、廃棄によるロスが増える可能性もあります。
その点、牛タンであればメニュー次第で食材を単純化することが可能です。
3. 高級感がある
ポテトやかき氷など他の移動販売と比べると、牛タンには高級感があるところが特徴です。他の店舗と差別化しやすく、ブランディングにつなげることが可能です。
お店やメニューの看板に「牛タン」とあるだけでも、興味を引きやすくなります。
移動販売で牛タンを売る3つのデメリット
ここまでメリットをお伝えしましたが、牛タンの移動販売にはデメリットも3つあります。
- 原価率が高くなりやすい
- 販売価格の安さでは勝負できない
- 客層が限られる
それぞれ説明していきます。
1. 原価率が高くなりやすい
他の移動販売と比べると、牛タンは原価が高いです。
たとえば、かき氷の原価は氷とシロップで1食あたり100円以内。それと比べて、牛タンは1人前を100gとしても数百円かかります。
一般的に、飲食店では原価率を30%以内に抑えたいものです。原価率は「原価÷販売価格×100」。食材が100円なら、販売価格500円でも原価率20%で儲けられるのです。
一方で、仮に仕入れ値が350円だと、1,000円で販売しても原価率は35%。目安の30%を超えてしまい、高く売っているのに稼ぎづらくなります。
このように販売価格を上げなければ、原価率が高くなってしまうのが牛タンのデメリット。逆に言うと、価格を上げても売れる工夫や、仕入れのコストを抑えることができれば、原価率を下げられます。
2. 販売価格の安さでは勝負できない
前述したとおり、牛タンは原価が高いので販売価格も高くなりやすいです。そうなると、価格の安さでは集客できません。
お客様に満足してもらうには、ボリュームや味と価格のバランスを熟考することが必要。
たとえば実際にあったフードイベントでは、長さ30cmの牛タン串が1本1,000円、45cmの串は1,300円などで値付けされています。決して安い金額ではありませんが、イベントでは大人気。他店よりも早く売り切れていました。
3. 客層が限られる
牛タンを好むのは、成人の中でも特に若者から中年に多いです。小さいお子さんが牛タンを食べたいと言うことは、少ないかもしれません。
牛タンを売るためには、ターゲットを絞ったメニュー展開や場所の選定が必要となります。
牛タンの移動販売で必要な5つのもの
牛タンの移動販売で必要なものは、次の5つです。
- 移動販売車(キッチンカー)
- 厨房設備・調理器具
- テイクアウト容器
- 食材
- 仕込み場所
順番に見ていきましょう。
1. 移動販売車(キッチンカー)
移動販売をするには、まずキッチンカーが必要です。用意する方法は、主に以下の4つ。
キッチンカーを用意する手段 | 購入先・外注先 |
---|---|
1. キッチンカーを購入する(新車・中古) (中古購入の詳細) |
・キッチンカー専門業者 ・フランチャイズ本部 |
2. 購入した車をキッチンカーに改造する(外注・DIY) (DIYの詳細) |
・キッチンカー専門業者 ・自作(DIY) |
3. レンタルする (詳細) |
・キッチンカー専門業者 ・イベント会社 ・レンタルサービス会社 |
4. リースする | ・リース会社 ・フランチャイズ本部 |
移動販売車は、車検や保健所の営業許可がおりる仕様でなければいけません。DIYで作ることも可能ですが、車検に通るようにするには知識が必要です。
その点、キッチンカー専門業者はノウハウがあるので、安心して任せられます。
初期費用を抑えたい場合は、レンタルするのも選択肢の1つです。レンタルには短期と長期があり、借りられる期間や料金は業者によって異なります。
たとえば以下は、キッチンカー専門業者「フードトラックカンパニー」におけるレンタル料金です。
車種 | レンタル期間 | レンタル料金 |
---|---|---|
軽トラック | 2週間 | 28万円 (約20,000円/日) |
6か月 | 150万円 (約8,333円/日) |
|
1.5tトラック | 1か月 | 56万円 (約18,750円/日) |
6か月 | 187.5万円 (約10,416円/日) |
(2021年7月時点)
上の表ではどちらの車種も、短期なら1日2万円前後、6か月以上の長期なら1日1万円程度の価格設定となっています。
なお、購入する場合の金額は、中古車なら50万円程度から、新車だと200~400万円前後が目安です。そのため、一定期間以上の長期で営業するなら、購入した方が車両費は安くなるでしょう。
<新車・中古車の購入価格(参考)>
・参考:グーネット中古車|キッチンカー(約50万円~)
・参考:フードトラックカンパニー|キッチンボックス350(SUZUKIキャリイ新車:約261万円)
・参考:フードトラックカンパニー|キッチンボックス1000(TOYOTAライトエース新車:約378万円)
また、フランチャイズ本部やリース会社が所有する車両を、月額料金を払ってリースする方法もあります。すべてのフランチャイズがリースを行っているわけではありませんが、もしそのような制度があれば、利用するのも良い方法です。
キッチンカーの車種としては、軽自動車でも可能ですが、中が狭いので作業のしづらさを感じるかもしれません。できればトラックなど、ある程度の広さや高さがある車がおすすめです。
2. 厨房設備・調理器具
牛タンの移動販売で必要な厨房設備や調理器具には、以下のものが挙げられます。
- ガスグリドル
- LPガス
- シンク
- 給排水設備
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 換気扇
調理器具は、牛タンを加熱するためのガスグリドルや、メニューによってはスープウォーマー・フードウォーマーを用意しましょう。
厨房機器・調理道具の通販サイトなどで購入可能です。
3. テイクアウト容器
移動販売を行うにはテイクアウト容器が必須です。扱うメニューによって、以下のような容器を揃えます。
- ランチボックス
- 弁当容器
- 丼+フタ
- スープカップ
牛タンの容器で気をつける点は、肉汁が漏れないようにすること。耐水・耐油加工の容器を選びましょう。また、電子レンジを使う場合は、電子レンジ対応の容器にすることもポイントです。
容器は専門店や通販サイトで購入できます。
4. 食材
メイン食材である牛タンの中でも、タン元やタン先、皮付き・皮なしなどの選択肢があります。タン先は脂肪が少なく固いため、一般的なメニューでは使用しないことが多いです。
皮付きであれば仕入れ価格は安くなりますが、仕込みの手間がかかるのが難点。使い勝手やコスパを考えて食材を選びましょう。
また、メニューによっては野菜やお米などの仕入れも必要となります。
5. 仕込み場所
キッチンカーで許可される作業は、簡単な加熱や盛り付けのみとなることが多いです。そのため、事前に一次処理を行う仕込み場所が必要となります。
仕込み場所の用意方法は、主に以下の3つ。
- 飲食店を間借りする
- シェアキッチンを利用する
- キッチンカーを仕込み場所にする(保健所による)
営業許可の取れている飲食店やシェアキッチンを借りるのが、確実な方法です。また、保健所によってはキッチンカーを仕込み場所として利用できる場合もあります。
許可を取っていない自宅で仕込みをするのは、法律上NGですのでご注意ください。
なお、仕込み場所については「仕込み場所がいらない移動販売の方法3選を解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
牛タンの移動販売に必要な2つの資格・許可
牛タンの移動販売を行うには、2つの資格や許可が必要となります。
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可
1つずつ説明していきます。
1. 食品衛生責任者
食品衛生責任者は移動販売に限らず、飲食店を開業するなら必須となる資格です。キッチンカーで営業する際にも、保健所の営業許可を取るために必要となります。
とはいえ難しい資格ではなく、各都道府県の食品衛生協会で開催されている1日講習を受講すれば取得可能です。なお、栄養士・調理師免許を持っている場合は、講習の受講は免除されます。
2. 保健所の営業許可
保健所の申請には、営業許可と届出の2種類があります。そのうち、牛タンの移動販売で必要となるのは「飲食店営業」の許可です。出店場所の都道府県が管轄する保健所へ申請しましょう。
申請に必要なものは以下の通りです。
- 営業許可の申請書類
- キッチンカーの車検証
- 設備の図面
- 食品衛生責任者の資格の証明
- 申請手数料
保健所によっても多少異なりますので、申請をスムーズに行うため事前に相談することをおすすめします。本件については、当記事の後半で詳述しています。
なお、許可については「【最新版】移動販売(キッチンカー)の営業許可の取り方」の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
牛タンの移動販売の始め方・営業開始までの8ステップ
必要なものと資格をお伝えしたところで、実際に牛タンの移動販売を始める手順を紹介します。以下の8ステップで進めていきましょう。
- メニューの検討
- 保健所に許可条件の確認・相談
- 移動販売車(キッチンカー)の用意
- 許可・申請
- 出店場所の選定
- 仕込み場所の確保
- 備品や食材の準備
- 営業開始
なお、移動販売の始め方については「移動販売の開業方法!必要な資金や資格・成功のコツも解説」の記事で、詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
1. メニューの検討
はじめに、メニューを考えましょう。実際に行う作業や調理方法によって、保健所が許可する条件や、必要な対応が変わってくるからです。
たとえばシチューを販売するにも、キッチンカーの中で仕込みから行うのか、温めるだけなのかどうかなど。メニューや使う食材、調理方法を考えてから、保健所へ相談しましょう。
2. 保健所に許可条件の確認・相談
保健所の担当者や地域によって見解が異なる場合があるので、事前に許可条件を確認します。
すべて準備が整ってから、もし許可がおりなかったら大変です。車両を購入・改造する前に、自分の計画が可能かどうか、以下の点を相談しましょう。
- 必要な設備と基準
- 可能なメニューの内容や数
- 仕込み場所の必要性
- 申請してから許可までの日数
給排水設備やシンクなどの基準は確認必須。たとえば給水タンクのリットル数などです。
また、実際に許可がおりるまでの日数は、1日や1週間など保健所によってマチマチ。イベントに出店したい場合は日程をずらせないので、忘れずに確認しておきましょう。
3. 移動販売車(キッチンカー)の用意
保健所に条件を確認できたら、キッチンカーを用意します。車両の購入や設備・外装の改造などを行いましょう。
キッチンカーを用意する方法については、本記事内の「牛タンの移動販売で必要な5つのもの」をご参照ください。
4. 許可・申請
キッチンカーを準備できたら、以下2つの資格や許可を取りましょう。
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可
それぞれの資格・許可の内容や取り方については、本記事内の「移動販売に必要な2つの資格・許可」に記載しています。
5. 出店場所の選定
営業許可が取れたら、実際に出店する場所を選びましょう。場所の探し方としては、以下のような方法があります。
- スーパーやパチンコ店へ直接交渉する
- 出店場所のマッチングサイトで探す
- イベント情報をチェックする
スーパー等への直接交渉は、最初のうちは少しハードルが高いかもしれません。まずはマッチングサイトを利用するのがおすすめです。
またイベント団体の最新情報を、SNSなどで随時チェックしておくのも良いでしょう。
6. 仕込み場所の確保
出店場所を選んだら、仕込み場所も確保しておきます。
仕込み場所の必要性や探し方については、本記事内の「移動販売で必要な5つのもの」をご覧ください。
7. 備品や食材の準備
キッチンカーや仕込み場所が用意できたら、細かい備品や食材を揃えましょう。調理器具やテイクアウト容器を購入し、牛タンなどを仕入れます。
具体的に準備するものは、本記事内の「牛タンの移動販売で必要な5つのもの」でお伝えしています。
8. 営業開始
ここまでで準備は完了です。実際に営業を開始しましょう。
次の章で、牛タンの移動販売のコツをお伝えします。
牛タンの移動販売を成功させる3つのコツ
牛タンの移動販売を成功させるには、3つのコツがあります。
- 牛タンが売れるエリア・場所に出店する
- 食材を安く仕入れる
- 季節や場所に合わせたメニューを出す
1つずつ説明していきますね。
1. 牛タンが売れるエリア・場所に出店する
デメリットでも前述したように、牛タンを好む客層は限られます。そのため、ターゲット層がいる場所に出店することがポイント。たとえば、以下のような場所がおすすめです。
- オフィスの近く
- 高速道路のサービスエリア
- パチンコ店の駐車場
上記の場所であれば、比較的売れやすいでしょう。
2. 食材を安く仕入れる
牛タンの移動販売では、原価を抑えることも1つのコツです。デメリットでもお伝えしたように、仕入れ価格が高いと利益を出しにくくなってしまいます。
安く仕入れる方法としては、以下の2つがおすすめです。
- フランチャイズ本部から仕入れる
- 安い卸問屋から冷凍でまとめて仕入れる
卸問屋はネットで検索すると多数見つかります。牛タンの仕様や支払い方法など、条件の合う問屋を利用しましょう。
また、フランチャイズ本部では大量の仕入れによりコストダウンを実現しています。個人で仕入れるより、本部経由で購入した方がお得なケースも多いです。
3. 季節や場所に合わせたメニューを出す
多様なメニュー展開をできる牛タンの特徴を活かして、季節や場所に合わせた料理を出すのもポイントです。
たとえば夏は焼き肉、冬は牛タンシチューやコロッケにするといった工夫ができます。また、牛タン串も見た目にインパクトがあり、イベント会場では注目されやすいです。
このようなコツを活かし、ぜひ牛タンの移動販売にチャレンジしてみてください。