今回は『無人業態って実際どうなの?』というテーマについて黒瀬さんにインタビューしました。最近急増している無人店舗。飲食業界にも少なからず影響を与えています。実際のところ経営は上手くいくのか、ビジネスとしてはどうなのか。
気になる話題についてお話しいただきましたので、ぜひ最後までご覧くださいね。
黒瀬 実寿希 |
コマシ |
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最近増えている無人業態について
コマシ:今回は無人業態についてお聞きしたいと思います。
今頑張っているところもあれば、苦戦しているところもあると思うんですけど実際のところどうなんでしょうか。
黒瀬:すごい話しづらいですね。(笑)
コマシ:今赤字の店舗もあると思いますので、改善策を見つけるという意味でもインタビューさせていただければと思います。
黒瀬:わかりました。よろしくお願いします。
無人業態にはどんな種類がある?
コマシ:まず無人業態というと、どんな業態がありますでしょうか?
黒瀬:お肉・アイス・餃子・ホルモンなど色々な業態がありますよね。
正直、難しいと思いますが。
コマシ:店舗数がすごく増えましたよね。
黒瀬:そうですね。めちゃくちゃ増えました。一時期、コロナ明けでブームが来ていて、サラリーマンの方が投資するにはちょうど良い金額だったんですよね。それが理由で参入する人が増えたイメージはありますね。
無人業態が厳しい理由
コマシ:はじめは物珍しいから地域に1店舗あったら売上が立つイメージだったんですけど、店舗数が増えすぎたせいで飽きられてしまったんですかね?
黒瀬:そうだと思いますね。無人店舗の中でも、似た業態も多く出てきていますもんね。僕の考えですけど、無人店舗は地方では売れているイメージがありますね。コンビニがないから、無人店舗までお客さんが買いにくるとか。しかし、無人店舗の数が増えすぎたので完全にパイの奪い合いになっていますね。
コマシ:都内だとどんな感じでしょうか?
黒瀬:都内だとそもそもコンビニが多いので、厳しい戦いになると思います。僕も無人店舗の餃子を買ったことがあるんですけど、リピートするかと言われたら、自然にはリピートしませんでした。
都内ならではの特性
都内だと、24時間営業のお店とかがあるので自然とそっちに流れてしまいますよね。コロナ禍は飲食店が営業していなかったので、無人店舗の需要はありました。あと、家に持ち帰って調理するのって面倒じゃないですか。外で食べると片付けの手間とかもないし、値段も安い場合があるのでわざわざ無人店舗にいく理由はあまりないですよね。
上手くいっている無人業態の特徴
コマシ:その中で上手くいっている店舗もあると思いますが、共通する特徴などはありますでしょうか?
黒瀬:やはり、マーケティングですよね。そのエリアの需要を汲み取っていることが非常に大切だと思います。わざわざ3時間もかけてファミレスには食べに行かない。そういう場所に無人店舗があったら需要は高いですよね。
コマシ:商品数を増やしているところもあると思うんですけど、それについてはどう思いますか?
黒瀬:無人業態は人が常駐していないだけなので、問題はないと思います。本当にコンビニみたいですよね。
コマシ:コンビニ化しているところもありますよね。
黒瀬:街に求められているものを見つけてそれを仕入れられるなら、特に地方・山奥にはとても良いと思います。
コマシ:そうなると文房具とかも販売できますかね?
黒瀬:他に買うところがなければありですね。しかし、今はAmazonで頼めば数日で到着するので、そことの戦いはかなり厳しいですよね。
コマシ:確かに。Amazonとの戦いは厳しすぎますね。
無人店舗のメリットとは
コマシ:そもそも無人店舗で買う時のメリットって何があるんでしょうか?
黒瀬:無人店舗のメリットは24時間購入できるという点ですよね。
その上で、ネットで買えないようなものが置いてあるということが重要だと思います。
コマシ:この前無人店舗に行った際、店舗に電子レンジがあってその場で食べられるというお店もありました。そうすると、手間がなくて楽ですよね。
黒瀬:僕もたまに高速道路の休憩所にある、レトロな自販機で夜ご飯を食べたりします。そういう時場所だったらありですよね。だから本当に出店する場所が大切なんです。おじいちゃんおばあちゃんしかいない集落とか良いと思いますよ。補充に行くのは大変ですけどね。
無人店舗は勝てるのか
コマシ:出店場所を工夫すれば、勝算はあるということですね。
黒瀬;そうですね。あとは、特化型の無人店舗も良いと思いますよ。何かに特化していて、それがどこよりも安く買えるみたいな。そうなると無人店舗は店舗数が多いので、スケールメリットも出てくると思います。業者との交渉もしやすくなるんです。
コマシ:値段で勝負できるのは良いですよね。僕のインスタでも色々なグルメを紹介していますが、コスパに関しては一番コメントがつきますね。
黒瀬:僕もコンビニとかですごく高いものを買おうという気はしませんね。無人店舗で商品が高いと自分で作る手間もあるのになんでこんなに高いのとなってしまいます。あと地方に住んでいる方だと、家に大きい冷凍ストッカーみたいなものがあって、そこに買い溜めをしていたりするんです。そういう需要を狙って、大量で安く売れるものを販売するというのも1つの戦略だと思いますね。
コマシ:日常使いすると考えるとコスパは考えた方が良いですよね。
こんな無人店舗は黄色信号
黒瀬:値段はそんなに安くないけど商品の見栄えが良いからSNSで回したいと戦略を練ってやっている会社さんもあると思いますが、それはかなり厳しいと思います。広告としてSNSを頑張っているのはすごく良いと思うんですけど、SNSを見ている人は画像を投稿したいという人が多く、無人店舗の商品はどこで撮るかがいまいち定まらないので同じ画像が回らないんですよ。
そうすると、広告のパワーも落ちてしまいますよね。普通の飲食店だったら同じ画像が出回って、広告としてのパワーも大きくなるのですが、それができないんですよね。そのループが途中で切れてしまうので、無人店舗の商品はSNSには向いていないのかなと思います。
飲食のプロ 黒瀬が無人業態をやるなら?
コマシ:もし黒瀬さんが無人店舗をやるとしたら、どんな施策を打ちますか?
黒瀬:個人でやる方の大半は広告をやらないじゃないですか。なので、僕がやる場合だったらまず広告をやります。あとはマーケット調査を必ずやります。まずは周りにスーパーやコンビニがない場所に出店して収益が取れるかどうか実験していきます。
収益が取れそうだったら、それと同じようなエリアを探して出店という方法をやっていきます。やはり、何をやりたいかより、お客様のニーズがあるかどうかが一番大切だと思います。
無人店舗で工夫できること
コマシ:話は少し戻りますが、店内に撮影スポットを作っても良いかもしれませんね。そうすることで統一感ある写真が撮れて、それが広告の力を増すと感じました。
黒瀬:それは本当におっしゃる通りです。地方のお店とかは土地が広いので、駐車場とかに食べるスペースを作っても良いかもしれませんね。
コマシ:あと買った後の手提げ袋とかも用意すると良いかもしれませんね。少しデザインがあっても嬉しいと思います。
無人店舗で重要なこと
黒瀬:あとは飽きられないかが大事ですね。SNSの商品はどこかで飽きがきてしまって、それが何十店舗もあるというとどこでも買えるじゃんとなってしまいます。そうすると途中からは商品が機能的に売れるということが大切になるんです。
そうなると結局行き着くのは、コスパだと思っています。僕がアイスクリームを食べたかったら安いマックにいきますもん。
そういうところとの戦いになるんです。だから無人店舗がないところか、人口がすごく少ないところに出していくのが良いと思います。まずはどう告知するか、どうやって知ってもらうかを考えるのが大切ですよ。
あと、基本的なことはしっかりやりましょう。掃除や補充をしていないのは論外です。無人店舗とはお会計をする人がいないだけで、掃除とか補充はとても大切な作業になってきます。基本的な作業をやって、お客様に満足てもらい、リピーターを積んでいくという作業をしっかりとするようにしましょうね。
コマシ:そうなるとオーナーさんは結構頑張らないといけないですね。
黒瀬:そうだと思います。結構きついと思いますよ。
コマシ:最後に無人業態のオーナーさんに一言お願いします。
黒瀬:無人というのは、自分がいらないのではなくて、雇う人がいらないという意味です。無人店舗という言葉に騙されないで、そこを勘違いせずにやれると良いと思います。
無人業態は中途半端にやると失敗する
今回は飲食のプロ 黒瀬さんに無人業態は実際どうなのかというテーマでインタビューをしました。
最近急増している無人業態ですが、決して簡単に勝てるものではないことがわかったと思います。
それを知った上で、やることをやり勝率を上げていきましょうね。