「移動販売での開業に興味があるけど、法律の知識がないから不安……」
という悩みを抱えていませんか?
正しい手順で開業するためにも、法律についてしっかりと理解を深めておきたいですよね。
そこでこの記事では、移動販売の開業に必要な知識を以下の内容で詳しく解説します!
- 移動販売で知っておくべき法律
- 移動販売に必要な資格や許可
- 2021年6月の食品衛生法改正におけるポイント
改定されたばかりの食品衛生法についても最新の情報を紹介するので、開業を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
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移動販売で知っておくべき4つの法律
移動販売で知っておくべき法律は、主に4つあります。
- 道路交通法
- 都市公園法
- 道路運送車両法
- 食品衛生法
それぞれ内容を詳しく確認していきましょう。
1.道路交通法
道路交通法は道路における危険を防止し、安全な交通を守るための法律です。
道路交通法では、路上で移動販売をする場合、管轄する警察署から「道路使用許可」の取得が必要と定められています。
もし道路使用許可が必要であるにもかかわらず取得しなかった場合は、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。
ただし、個人の移動販売営業に道路使用許可が出るケースはほとんどありません。
基本的には、お祭りや花火大会など町内会ぐるみで道路を使用する場合でのみ許可されます。
2.都市公園法
移動販売において公園は出店場所の候補なので、都市公園法も知っておくべき法律です。
公園内で移動販売をする場合、管轄する地方公共団体や国土交通省に営業許可の申請が必要になります。
営業許可を取得するための主な条件は、以下の3点です。
- 占用が公衆の利用に著しく支障を及ぼさない
- 占用が必要やむをえないと認められる
- 政令で定める技術的基準に適合する
移動販売は出店場所を自由に選べるのがメリットですが、場所によっては許可が必要です。トラブルを避けるためにも、しっかりとルールを守りましょう。
3.道路運送車両法
道路運送車両法は、道路の安全性と自動車の整備を確保するための法律です。
移動販売車のナンバープレートに関わるので、チェックしておきましょう。
移動販売車は特種な用途のために改造された「特種用途自動車」に分類されるので、8ナンバーの取得が可能です。
8ナンバーを取得していると、車内に厨房機材や作業台を固定したまま車検が受けられます。
普通車の1ナンバーや軽自動車の4ナンバーでは、すべて取り外さないと車検が受けられないので、取得しておいたほうが手軽です。
さらに8ナンバーを取得すれば、任意保険の料金が安くなるケースもあります。
ただし、8ナンバーの取得には審査があります。
- 特殊設備・調理面積が運転席を除くスペースの50%以上あるか
- 運転席部分と調理販売スペースが完全に仕切られているか
などの条件があるので、移動販売車の制作会社などに相談するといいでしょう。
4.食品衛生法
食品衛生法は、食中毒などを防止して食品の安全性を確保するために定められており、保健所による営業許可の基準として用いられています。
そのため、キッチンカーなどで食品を移動販売する場合に把握しておくべき法律です。
食品衛生法に違反した場合、営業の禁止・停止といったペナルティが科せられます。
営業を再開するためには、保健所の指導のもと移動販売車の消毒や衛生教育が必要になるなど、厳しい措置を課せられます。
そのため、しっかりと内容を理解しておいたほうが良い法律です。
2021年6月の食品衛生法改正における5つのポイント
2021年の6月に、食品衛生法が改正されました。こちらではポイントを5つに絞って解説していきます。
- 営業許可が「飲食店営業」に統一される
- 食品の販売業は届出のみで営業できる
- 「非接触水道」の導入が条件に追加される
- 給排水設備のタンク容量が3種類になる
- 仕込みの条件が緩和された
1つずつ詳細をチェックしていきましょう。
1.営業許可が「飲食店営業」に統一される
2021年6月からは、移動販売の営業許可が「飲食店営業」に統一されています。
以前の移動販売に必要な営業許可は「飲食店営業」「喫茶店営業」「菓子製造業」の3種類で、販売するメニューによっては複数の許可取得が必要でした。
また許可の判断は地域ごとに違うため、3つのうち1つしか取得できないという状態も見受けられました。
しかし法改正により、飲食店営業に一本化されています。
申請の手間が削減され、地域格差もなくなったので、キッチンカーでの移動販売が始めやすくなったと言えます。
2.食品の販売業は届出のみで営業できる
法改定により、食品の販売業は保健所への届出のみで営業できるようになっています。
以前は加熱や盛り付けなどの調理をしない場合でも、食品を取り扱うには営業許可が必要でした。
移動販売で対象となる届出は、以下の4つです。
- 食料品等販売業
- 乳類販売業
- 魚介類販売業
- 食肉販売業
届出は許可と異なり、設備の条件がありません。そのため、保健所によるキッチンカーの設備チェックも不要です。
3.「非接触水道」の導入が条件に追加される
法改定により、キッチンカーの設備条件に「非接触水道」の導入が追加されました。
これまでは一般的なハンドル部分を回すタイプの水道で問題ありませんでしたが、今後は不適合になります。
洗う前の手で触った部分を手洗いの後にも触ることになり、手が再汚染されるためです。
法改定後のキッチンカーは非接触水道として、レバー式やペダル式、センサーによって反応するタイプが求められます。
4.給排水設備のタンク容量が3種類になる
これまで給排水設備に必要なタンク容量は、保健所によって異なる条件で運用されていました。しかし法改正により、40・80・200リットルの3種類になります。
容量による違いは、以下の通りです。
40リットル | 80リットル | 200リットル | |
提供品目数 | 単一品目 | 複数品目 | 複数品目 |
容器 | 使い捨てのみ | 使い捨てのみ | 食器も利用可能 |
調理工程 | 簡易な調理のみ | 2工程ほどまで | 複数工程も可能 |
タンク容量が40リットルの場合、提供品目数は単一品目のみです。たこ焼きのキッチンカーなら「たこ焼きのみ」が販売できます。つまり、たこ焼きとドリンクのセット販売は不可です。
5.仕込みの条件が緩和された
法改正により条件が緩和され、給排水設備のタンク容量が200リットルの場合はキッチンカーでの仕込みが可能になっています。
以前までは原則として、キッチンカーでの仕込み作業はNGでした。
仕込み作業は食中毒などのリスクを避けるため、衛生管理が徹底され保健所から許可された場所が求められるのが理由です。
そのため、以前はキッチンカーの他に、仕込み場所を確保して営業しているケースが大半でした。
ところが法改正により、給排水設備のタンク容量が200リットルほどあれば、通常の飲食店の厨房と同様に衛生管理ができると判断されています。
そのため、条件を満たしてさえいれば、別で仕込み場所を用意すること無く移動販売を始められます。
移動販売に必要な資格や許可
こちらでは、移動販売に必要な資格や許可を4つ紹介します。法律とともに確認しておきましょう。
- 運転免許
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可
- 古物商許可
順番に見ていきましょう。
1.運転免許
当然ではありますが、移動販売には運転免許が必要不可欠です。
移動販売車には、さまざまな車両が使われています。軽自動車などを改造した場合は普通免許で走行が可能ですが、大型トレーラーや牽引タイプの車両では専用の運転免許が必要です。
また、運転免許の取得時期にも注意してください。道路交通法の改訂に伴い、取得時期によって普通免許で運転できる車両の条件が変更されています。
免許取得時期 | 普通免許で運転可能な車両総重量 |
2007年6月1日以前 | 8t未満 |
2007年6月2日~2017年3月11日 | 5t未満 |
2017年3月12日以降 | 3.5t未満 |
移動販売をする際は自身の運転免許で運転可能な車両と、取得時期を確認するとトラブルを起こすリスクを回避できます。
2.食品衛生責任者
食品衛生責任者の資格は、食品を扱う移動販売において必須です。資格と言うと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、講習会を受講すると1日で取得できます。
講習会は各都道府県の食品衛生協会が開催しているので、ホームページなどをチェックしてください。受講には事前予約が必要ですが、数カ月先まで予約が埋まっているケースもあります。
スケジュールには余裕をもって予約をしましょう。
ただし、下記の資格を取得している場合は申請のみで取得できます。
- 栄養士
- 調理師
- 製菓衛生士
- 船舶料理士
- 食鳥処理衛生管理者
- と畜場法に規定する衛生管理責任者
- と畜場法に規定する作業衛生責任者
- 食品衛生管理者、もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者
また、食品衛生責任者は全国共通の資格で、更新期間はありません。
3.保健所の営業許可
保健所の営業許可は、キッチンカーで移動販売をする場合に必須です。
キッチンカーで加熱や盛り付けなどの調理をするためには、保健所から「飲食店営業」の許可を取得しなければなりません。
保健所は各自治体ごとに設置されており、出店する地域を管轄する保健所に申請します。そのため、移動販売をどの地域で行うのかを事前に決めておく必要があるので注意してください。
営業許可の詳細な条件は、保健所によって異なります。余計な費用と時間をかけないためにも、キッチンカーの購入や製造をする際は事前に保健所へ相談してからがおすすめです。
4.古物商許可
古物商許可は、中古の商品を販売する際に必要です。雑貨や古着の移動販売をする場合は取得しましょう。
もし無許可で販売すると古物営業法違反になり、警察に逮捕される可能性もあるので注意してください。
古物商許可の取得は、警察署に申請書を提出します。その他にも住民票の写し、略歴書なども求められます。手続きに手間をかけられない場合は、行政書士に依頼するのも方法の1つです。
移動販売の開業に困ったら「キッチンカー相談の窓口」へお問い合わせください!
移動販売で開業する際、法律や資格についての疑問はつきものです。
保健所によっては厳しい条件を課せられることもあり、出店するまでに多くの準備を必要とします。
もしキッチンカーの開業でお困りのことがあれば「キッチンカー相談の窓口」へいつでもお問い合わせください。
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