今回は飲食店が赤字になった時の対処法について、黒瀬さんにインタビューしました。
赤字になった時はどんな施策を打てば良いか迷いますよね。
今回は特に有効な3つの秘策を教えていただきました。
途中、今話題の蕎麦屋 BASO表参道が成功した秘訣についてもお話していますので、ぜひ最後までお読みください。
黒瀬 実寿希 |
前田晃介(インタビュアー)
1988年8月16日生まれ
高知県出身
株式会社ドリームアシスタント 代表取締役
一般社団法人日本セカンドオピニオン協会 代表理事
まがりDEバナナを100店舗展開
職業:ファイナンシャルプランナー(FP)
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飲食店が赤字になった時の対処法
前田:今日は『廃業回避!赤字になった時の対処法3選』というテーマについてお聞きしたいと思います。飲食店って3年で7割が廃業すると思うんですけど、黒瀬さんのお店が赤字になったことはありますか?
黒瀬:単月で言うともちろんあります。オープン初月とかコロナの時期はもちろんですけど、どうしても下がる時期はあるので。そういう時の対処法だったら、僕は教えられますよ。
前田:その話で言うと、年間通して赤字で店舗を潰すということは今までないんですか?
黒瀬:それは0です。
前田:10年以上やっているのにすごいと思います。普通10~20店舗作っていれば、一定の割合で赤字撤退とかあると思うんですけど、それがないということですよね。
黒瀬:そうです。
定期借家の契約満了で終わったお店はあるんですけど、赤字で潰すということは0です。
前田:実際に僕がプロデュースしてもらったBASOも絶好調となっています。
今日はそんなノウハウを教えてください。
飲食店が赤字になった時の対処法3選
黒瀬:ここからは赤字になった時にやるべきことをご紹介していきます。
1.無駄な出費を止める
黒瀬:まず赤字になるということは『お金がなくなっている状態』なんですよ。だから、まず初めにやらないといけないことは無駄な出費を止めることです。飲食店でよくあるのが、人の問題です。
赤字なのにシフトをゆるく組んでるということがあります。オーナーはこの人数が必要と言うんですけど、そもそものオペレーションが重かったりもするんです。まずは、オペレーションの見直しをするようにしましょう。物の定位置管理でも、人件費のロスを減らせます。
2.仕入れの見直しをする
黒瀬:2つ目が仕入れの見直しです。個人店さんだと、棚卸しをやっていないというケースも結構あるんですよ。そうすると不要な商品を仕入れていることもあるので、そこもしっかり管理しましょう。あとは節水・節電も大切です。
3.広告をかける
黒瀬:3つ目が1番大切です。上記で経費を削減したら、そこで削減できた経費を広告に使います。ほとんどの飲食店はこれをやりません。売れない飲食店の特徴として、知られてないからお客さんが来ないということがあります。なので、捻出したお金を広告費に使うようにしましょう。
広告って何かというと、1番大きいのはSNSです。SNSをしっかりやって自社で広告を回していきましょう。SNSで広告を回すために必要なのは、『映える商品』です。
広告のための商品開発をしよう
黒瀬:商品がSNS上で映えないといけないので、『広告のための商品開発』をする必要があるんです。ほとんどの飲食店は、常連さんが飽きないように商品開発をしているのですが、それは違うんですよ。
SNSで広告を回すための商品開発をしたら、その上で、チラシを撒いたりとか、まとめサイトに上げてもらったりとか、色々な広告方法があるので、自分たちの予算にあったものを選択するようにしましょう。
黒瀬:その中で1番効果があるのが、SNSです。SNSってなんなのかというと、X(旧Twitter)・Instagram・TikTokです。自社でやるのであれば、Instagramが1番おすすめです。Instagramで映えそうな商品を作って、それを拡散してお客様に来てもらって売上を立てる。その結果、仕入れも見直しされて利益が出やすいという流れになっていきます。
前田:なるほど。完了ですね。笑
黒瀬:完了です。笑
本当にウチはこれしかやってないんですよ。そもそも赤字のお店が少ないというのもありますが笑
ウチはこれを店長や社員がやるタスクです。SNSで広告してお客様に来ていただく、このループになっています。そこでQSCがよければ、お客様が満足して売上が積み上がっていくんです。
広告に向いていない飲食店もある
前田:赤字のお店の相談もよく受けるじゃないですか。どの辺ができていない店舗が多いですか?
黒瀬:そもそもの業態が広告に向いていないということがあるんです。
前田:広告に向いていない?
黒瀬:例えば居酒屋とかせんべろです。せんべろという時点で原価が高いじゃないですか。その時点で、広告じゃなくてコスパが良いからリピートしてねという構図になっています。そうなると広告をかけて客単価1000円とかなので、採算が合わないんです。
黒瀬:あと、せんべろはコスパが命なのでSNSで映える商品がないんです。そうすると広告にも載りづらいので、業態的にはやりづらいというのは正直あります。
マーケティングから逆算して飲食店を出そう
前田:そうすると、マーケティングから逆算した商品設計を行うことが大切なんでしょうか。
黒瀬:そうです。マーケティングから逆算していないと厳しいです。なので広告で回す商品は、単価が高くて利益が取れるもので回していくとスムーズにいったりします。
前田:そうじゃないと、そればかり頼まれて赤字になってしまうこともあると感じます。
黒瀬:採算が取れる設計をしないと、狙った層に商品が届かないという状態が生まれてしまうので採算が取れる設計は大事だと思います。
立地が悪い飲食店の対処法
前田:なるほどです。あとは、この3つをやったとしても立地選定でミスをしている場合もあるじゃないですか。事例で言うと、今赤字だけど2店舗目を出してその赤字を補填しようみたいなケースもあると思います。そういうケースについてはどう思いますか?
黒瀬:夜業態をやっていて、それだけだと厳しいから昼も営業して補填したいという相談がくるんですけど、それをやったところでゴールが少しプラスか、プラマイゼロくらいになるんですよ。そうなるとそこにかける労力が無駄になるじゃないですか。なので僕だったら、業態変更をしてしまいます。
今話題のBASOがヒットした理由
黒瀬:それこそBASOもそうなんですけど、元々蕎麦屋をやっていた立地で同じ蕎麦屋をやっているのに売上が全然違ったりするじゃないですか。ターゲットを変えるだけであんなに違うんですよ。それだけ立地にあった業態をやることはすごく重要なんです。
前田:それも興味深いです。
蕎麦というのは同じなんだけど、蕎麦の中でも違う業態になっているんでしょうか。
黒瀬:前の蕎麦屋は大衆(30〜40代の男性)向けにやっていたんですけど、BASOは若者向けの蕎麦屋となっています。なのでターゲットが全然違います。あの立地に来る層は若者なので、それにあった広告を打ったというのが今回の成功事例です。
前田:実際そうなるように商品設計もして、最近だと女性が7割くらいになっています。
黒瀬:BASOに関しては、広告というかインフルエンサーマーケだけなので、コストもあまりかかりません。
SNSをしっかり更新して、普通に営業をしていればオーガニックに集客できる構造を作ったのが今回は大きかったです。
前田:今日もヒルナンデス!で取り上げられていましたし、SNSの力はすごいと感じました。
赤字になった時は無駄な出費を止めよう
前田:最後にまとめをお願いできますか?
黒瀬:まずはオペレーションを見直して人件費を削減する。その次に仕入れを見直して節水・節制をして余計な経費を削減する。そこで浮いたお金を広告に投入してお客様に来てもらう流れを作るということです。
前田:なるほどです。本日もありがとうございました。
★赤字になった時の対処法
- オペレーションを見直して人件費を削減
- 余計な経費を削減する
- 浮いたお金を広告に投入する
飲食経営は厳しい世界
今回は『飲食店が赤字になった時の対処法』というテーマをお届けしました。飲食業は3年で7割が廃業する厳しい世界です。誰でも始められる業態だからこそ廃業率が高いのかもしれません。ぜひ今回の話を聞いてご自身の経営に役立ててみてください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。