今回は『デザート業態って実際どうなの?』というテーマについて黒瀬さんにインタビューしました。
デザート業態はよく見る業態ですが、実際のところ経営は上手くいっているのか。
これから飲食業を始める人にお勧めできるのか。本音で語ってもらいました。
飲食業をやっている方、そうでない方も勉強になる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
黒瀬 実寿希 |
コマシ |
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デザート業態はビジネスとして成り立つか
コマシ:お疲れ様です。今日はデザート業態はどうなの?ということについてお聞きしたいと思います。
最近流行っているものはありますか?
黒瀬:最近だとパフェ屋とかですか?
果物屋さんがやってるフルーツパーラーとかは当たってる気がしますね。
コマシ:業態的に上手くいっているところの特徴はありますか?
黒瀬:僕も海外から来た日本一号店の出店とか手伝っているんですけど、共通点で言うと単価が取れるということはありますね。
普通ドリンクだと500円しか取れないけど、800円取れるとか。デザートなのに、コーヒーとセットで2000円とか。
デザート業態の売り上げについて
コマシ:1日通すと売り上げ的にはどうなんですかね?
黒瀬:先ほど言ったように、単価が取れるというのは非常に大切なんですけど、それ以外に、ピークタイムがカフェタイム以外に取れるというのも大事です。つまり15時前後じゃなくても混んでいるということです。僕が昔手伝っていたパンケーキ屋さんは、一番のピークが朝でしたね。朝8時に行列で、客単価で言うと3000円くらいだった気がします。
コマシ:今でもパンケーキって流行ってますかね?
黒瀬:時代によって当たりはあると思うんですけど、その中でも業態で1位を獲った人は残っていますね。
それ以外でスイーツというと結構厳しいなと思います。ビジネスで言うファーストペンギンですよね。パンケーキブームの時に一番認知度が高かったパンケーキ屋さんや、タピオカブームの時に一番認知度が高かったタピオカ屋さんは今も残っています。
それを取れる自信があるならやってもいいですけど、自信がないなら客単価がとれて、ピークタイムが2つ取れるものじゃないと厳しいと思います。
デザートのジャンルによっては上手くいく?
コマシ:ジャンルで言うとクレープとかはどうなんですか?
黒瀬:クレープは相当厳しいと思いますよ。
だってクレープって最近いつ食べました?
コマシ:確かに。3ヶ月くらい食べてないですね。笑
黒瀬:クレープでしかも店内で食べるパターンはあまり当たらないですね。有名なお店が東京にもあったんですけど、そこも撤退しちゃいましたね。15時前後には売れるんですけど、それ以外はほぼ売れないみたいでした。クレープは持ち帰りの需要はあるんですけど、そうなると場所の問題が出てくるんですよね。
売れているお店の特徴
コマシ:売れているお店の特徴はありますか?
黒瀬:今でも売れているクレープ屋さんは、観光地や主要都市の良い場所に出店してるんです。そうなると客数が取れるので、低単価でもどんどん回って売り上げが上がるんですよ。それ以外だと正直厳しいですよね。
リピートに繋がらないお店の特徴
コマシ:リピートに繋がらないお店の特徴ってあったりしますか?
黒瀬:僕もリサーチがてら地方の売れてるクレープ屋さんとかに行くんですよ。実際にいくと確かに並んでるんです。しかし、並んでる原因は『提供が遅い』だったんです。
これではリピートには繋がらないのでビジネスとしては厳しいですよね。ちなみに1つ出てくるまでに25分でした。もちろん、安くてハイクオリティーのものが食べられるようなお店は売れますよね。例を挙げると鎌倉のコクリコさんのようなお店です。
コマシ:確かに、コスパを感じないとリピートはしないですよね。
流行り物には特に注意
コマシ:一時期流行ったタピオカとかもビジネスとしては厳しいんですかね?
黒瀬:ピーク時の半分も残っていないと思うので、厳しいと思いますね。基本的には、何か食べたいと人が感じた時に、その選択肢に入らないといけないんですよ。ケーキとかはその選択肢に入りますけど、クレープとかタピオカってそこになかなか入り辛いじゃないですか。そうなるとかなり厳しいですよね。
コマシ:最近よくある、夜パフェとかはどうなんですかね?
黒瀬:会員制のリメイクイージーさんとかはめちゃくちゃ流行っていると思っていて、会員制だとすごくいいと思うんですよ。優越感もあるし、他の人を招待したいとも思うじゃないですか。しっかりお金もかかっているので良いものが出てくるんですよ。
でも、普通の居酒屋にもパフェはあるし、ファミレスにもあるじゃないですか。そうなるとよっぽどじゃないと行かないと思うんですよね。夜パフェって居酒屋にいった後に行くじゃないですか。居酒屋で数千円使った後に、夜パフェにも数千円使うと言うとそうはなりにくいと思いますし、次の日仕事だと帰宅する方も結構多いですよね。
日曜の夜も行きづらいし、結局販売のチャンスが少なく売り上げがとりづらい。需要があるところで少しやる分には良いですが、展開は厳しいと思います。
定番のたい焼き屋さんはどうなのか
コマシ:他の業態で言うと、たい焼きとかはいかがですか?割と国民食のイメージもあるんですけど。
黒瀬:僕たい焼き屋も一時期手伝っていたことがあるんですけど、たい焼きやってシーズンによって売れる売れないがはっきりしているんですよ。具体的に言うと、暖かい時期に売り上げが一気に落ちるんですよね。その時は、人件費を抑えて赤字にならないようにするのが勝負なんです。
冬になるとだんだん売れてくるので、シーズン的な要因がかなり大きいかなと思いますね。国民食で通年売れるかというと違うかなとは思います。あと、たい焼き屋さんはエリアも重要になってくるんです。皆さんのイメージだと観光地に出店してそうと思っていると思いますが、実はオフィス街の方が売れるというデータがあるんですよ。
しっかりとした箱に入っているので、挨拶回りの品としてももってこいなんですよね。食べ歩きの人をターゲットにするよりも、挨拶回りで20個とかを一気に買っていく人を狙った方が実は売り上げが高くなるという現象が起きます。だから、売れそうだけど人がいない商店街とかは出店NGですね。スイーツ業態はどれをやっても、大体難しいと思ってしまいますね。
デザート業態はやるべきなのか
コマシ:最後にデザート業態をやろうと思っている人に一言お願いします。
黒瀬:やるのであればしっかりとしたマーケティングですよね。あとスイーツは他の料理と違ってグラム単位で味が変わってしまうものなので、そこをパティシエの方と一緒にやれるとより良いかなと思います。
コマシ:今回も貴重なお話ありがとうございました。
★今日のまとめ
- デザート業態はかなり厳しい
- 客単価・複数のピークタイムを取れることが重要
- タピオカなどの流行り物もNG
デザート業態はマーケティングが命
今回は飲食のプロ黒瀬さんに『デザート業態って実際どうなの?』というテーマについてインタビューをしました。お話を聞く限り、デザート業態は難しいようですね。特に、ピークタイムの回数や客単価の意識をしていなかった方も多いのではないでしょうか?デザート業態に挑戦される方はしっかりとマーケティングをして挑むようにしてみてくださいね。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。