開業して3年で80%が廃業に追い込まれるという飲食店業界。
どうして多くの飲食店が失敗に終わってしまうのでしょうか。
今回の記事では飲食店が失敗する原因、失敗しないための戦略や考え方について解説していきます。
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飲食店経営が失敗する4つの原因
飲食店が失敗する原因はある程度共通していて、下記のようなものになります。
- 資金計画が曖昧で資金不足
- 収支計画がずさん
- コンセプト設計が不明確
- 商品にこだわれば売れると思っている
どうしてこれらの原因によって飲食店が失敗に追い込まれてしまうのでしょうか。
以下で具体的に解説していきます。
資金計画が曖昧で資金不足
飲食店開業時に重要となってくるのが資金計画です。
開業と同時にたくさんのお客様が来店して大繁盛、なんてことは滅多にありません。
通常お店の知名度や評判が上がり、お店が安定して経営できるまである程度の時間を要します。
つまり、開業と同時に安定的に経営できるという思考で資金計画を立てていると、資金不足に陥ってしまい、結果として失敗してしまうのです。
ある程度の期間は収入が少なくともお店が維持できるよう資金を多めに準備しておきましょう。
収支計画がずさん
飲食店を開業する際には、収支計画を正確に立てることが重要です。
飲食店では売上の中から、従業員の給料や水道光熱費、原材料費、お店のテナント料や家賃など、多くの費用が必要です。
収入が見込める額や、維持管理費用をしっかりと算出し、収支計画を立てましょう。
収支計画をずさんに立ててしまうと、想定外の支出が発生し、収入が支出を上回らない状況が続くことがあります。
このような状況になると、飲食店の経営が困難になり、失敗する可能性が高くなります。
適切な収支計画を立て、収入と支出のバランスをしっかりと把握することが、飲食店経営において失敗しないための基本的なステップです。
コンセプト設計が不明確
飲食店経営において、コンセプト設計は非常に重要です。
なぜなら、お客様は、単に美味しい料理を求めて店舗を訪れるだけではなく、お店の雰囲気やサービスを含めた「体験」を求めているからです。
そのため、お店のコンセプトが定まっていないと、せっかく美味しい料理を提供していても、魅力が半減してしまう可能性があります。
また、コンセプトが不明瞭だと、新しいメニューの開発やプロモーションの際にも、ターゲットにどんなアプローチが適しているかを判断しにくくなります。
さらに、コンセプトがなければ、他店との差別化ができず、お客様にとっては「ただの飲食店」としか認識されない可能性が高くなります。
コンセプト設計が難しい場合は、まずはターゲットにどんなニーズがあるかを考え、そのニーズを満たすためのコンセプトを考えてみましょう。
下の記事でコンセプト設計について詳しく解説しています
飲食店開業の流れ10ステップ!初めてで失敗しないための手順を解説商品にこだわれば売れると思っている
飲食店を開業する際に多くの人が陥りがちな失敗の原因のひとつに、美味しい料理を提供すれば自然とお客様が集まるという思い込みがあります。
実際には商品だけではなく、集客戦略も重要な要素です。
もちろん、美味しい料理やおしゃれな店内装飾も必要ですが、それだけではお客様を呼び込めません。
メニュー開発と同時に、どのようにお客様を呼び込むかを考えてみましょう。
例えば、SNSを活用した集客やイベントの開催、口コミでの情報発信などがあります。
集客戦略を緻密に立てている飲食店は、商品へのこだわりも相まって、多くのお客様を魅了し続けることができます。
商品だけでなく、集客戦略も重要な要素であることを忘れずに、成功するために必要な準備をしましょう。
飲食店経営で失敗しないための4つの戦略
飲食店経営において、限りなく失敗する可能性を下げる戦略として以下の4つが挙げられます。
- 小資本で始めてリスクを軽減する
- キャッシュフローを理解する
- マーケティングを取り入れる
- スタッフ教育を怠らない
これらがどうして飲食店が失敗する可能性を下げてくれるのかを具体的に解説していきます。
小資本で始めてリスクを軽減する
飲食店経営で失敗しないためには、まずは小規模なビジネスから始めることが重要です。
急激な拡大計画を持っていたとしても、実際に運営を始めてみないと結果は分かりません。
小規模なビジネスを始めることで、リスクを抑えながらノウハウや実績を積み上げることができます。
例えば、ランチ営業や居酒屋が閉まっている昼間の時間を活用したランチ営業など、リスクを抑えた運営方法を取り入れることができます。
また、少しずつファンを作ることができるため、リピート率が高くなり、長期的なビジネスを展開しやすくなります。
徐々にビジネスを拡大していくことで、先が見えない不安から解放され、長く安定的にビジネスを続けることができます。
キャッシュフローを理解する
飲食店を経営する上で、日々の売上と経費の管理が必要不可欠です。
しかし、現金がまわっていなければ、支払いができなくなり、資金繰りが苦しくなる可能性があります。
このような状況を回避するためには、キャッシュフローの概念を理解し、現金の流れを把握することが重要です。
飲食店は、日々の仕入れや家賃、人件費の支払いが必要ですが、売上と支払いのタイミングには時間差があります。
現金が支払いよりも先に入ってくるように計画し、資金繰りに余裕を持たせることが必要です。
また、急成長期には、設備投資や人件費が増加するため、キャッシュフローの管理がより重要になります。
自店のキャッシュフローをしっかりと理解し、資金繰りに困らないようにしましょう。
マーケティングを取り入れる
飲食店の開業を成功させるためには、マーケティングが欠かせません。
飲食店の場合、ターゲット顧客やライバル店の分析、商品開発、広告宣伝、販売促進などがマーケティングの対象となります。
開業前には、マーケティングプランを策定し、実行計画を立てることが重要です。
具体的には、開業するエリアの人口構成や需要の傾向、競合店の特徴や戦略、自店のコンセプトやメニューの特徴などを調査し、それを元にターゲット顧客を絞り込んで戦略を立てます。
マーケティングは開業前だけでなく、経営を継続する上でも重要です。
お店の状況や市場の変化に合わせて、戦略の見直しや改善を行い、常に顧客のニーズを把握していくことが必要です。
飲食店経営で失敗しないためには、マーケティングを継続的に取り入れ、顧客のニーズを捉えた戦略を立て続けることが不可欠です。
スタッフ教育を怠らない
飲食店経営において失敗しないためには、スタッフの教育が欠かせません。
スタッフの対応やサービスが不十分であれば、お客様には不快な印象を与え、リピート率も下がってしまいます。
そのため、スタッフにはお客様に対するマナーや接客の仕方、料理の知識など、業務に必要なスキルを身につけさせることが必要です。
また、スタッフには意欲を引き出すために、適切な評価や報酬制度の導入も考慮しましょう。
例えば評価項目を作成し全て達成した際に表彰したり、スキルに応じて昇給したりすることがあげられます。
表彰や昇給など適切な待遇や気遣いをしなければ、スタッフが定着せず、人手不足が生じてしまうこともあります。
スタッフの質は飲食店経営で失敗しないために必須であるため、スタッフ教育には惜しまず投資する必要があります。
スタッフの教育と採用については下の記事で詳しく解説しています
飲食店開業の流れ10ステップ!初めてで失敗しないための手順を解説飲食店経営に失敗しないための考え方
飲食店経営についての失敗しないノウハウを学んだところで、経営者の根本的な考え方が適切でなければうまく経営していくのは難しくなります。
この章では飲食店経営に失敗しないための考え方
- 目的と目標を明確にする
- 経営状況を客観視する
- 客観的な意見を素直に聞く
これらについて解説していきます。
目的と目標を明確にする
飲食店を経営する上で、目的と目標を明確にすることは非常に重要です。
目的は「何のためにその飲食店を経営するのか」を示すものであり、目標はその目的を達成するための通過点です。
目的と目標がハッキリしていないと、飲食店の経営方針がブレたり、集客がうまくいかず失敗してしまうことがあります。
例えば、目的が「体に優しいスイーツを広めたい」という場合、それを実現するための目標として「健康志向の顧客に向けて低糖質・低カロリーのスイーツを開発する」といったものが挙げられます。
目標を明確にすることで、そのために必要な施策を取りやすくなります。
例えば、月商300万円を達成したいという目標がある場合、集客やサービスの質の向上など多くの課題が見つかると思います。
目標を達成するためには、どのような障害を乗り越える必要があるかを見据え、戦略的に取り組むことが必要です。
目標をクリアするための道筋がハッキリすることで、失敗を回避し、成功に向けた施策を取りやすくなります。
経営状況を客観視する
飲食店経営で失敗しないためには、経営状況を客観的に見ることが必要です。
さまざまな人の意見を聞くなど客観的な視点で経営状況を見ることで、自分が思っているよりも多く、お店の課題や問題点を見つけることができます。
客観的に原因を見つけ、改善策を立てることで、売上を伸ばすことができます。
客観的な意見を素直に聞く
飲食店の経営には多くの課題がありますが、その中でも「経営者が自分本位の考えから抜け出せない」というパターンは非常に危険です。
スタッフや顧客の意見を無視することで、お店が潰れてしまうこともあります。
そのため、他人の意見を素直に聞き入れることが非常に重要です。
スタッフや顧客からの意見を聞くことで、より客観的な視点で経営状況を把握することができます。
さらに、顧客やスタッフからの意見は、市場の声として捉えられ、世の中のニーズをキャッチすることができます。
他人からの客観的な意見を取り入れることで、お店の改善や新しいサービスの提供など、経営改善につながる可能性があります。
経営者自身では見つけられていない問題や改善点を見つけるために、他人の意見を素直に聞くことが大切です。
飲食店経営の失敗要因を排除して人気店を作ろう
この記事では、飲食店が失敗してしまう原因から飲食店経営で失敗しないための戦略、考え方について解説してきました。
飲食店が失敗する原因となる要素を限りなく少なくし、安定した飲食店を作り上げられるようにしましょう!
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