「飲食店を開業資金ゼロで始める方法ってある?」
「飲食店を開業資金ゼロで始めるときに使える助成金や補助金ってある?」
「できるだけ開業資金を抑えるために、何をすればいいのかわからない…」
本記事では上記のような開業資金ゼロで始めたい場合の疑問やお悩みにお答えします。
飲食店を始めたいと思う方が最初にぶつかる壁が資金面の問題です。
しかし、開業資金ゼロでも飲食店を始められれば、より早く夢を実現できるでしょう。
そこでここから、飲食店を開業資金ゼロで始める方法や、助成金・補助金などについて具体的に解説するので参考にしてください。
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飲食店を開業資金ゼロで始める4つの方法
飲食店を開業資金ゼロから始めるには、いろいろな制度を活用するといいでしょう。
ここから、具体的な方法について説明します。
1、日本政策金融公庫の融資制度を活用する
飲食店を開業資金ゼロで始めるためには、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する方法があります。
新創業融資制度とは自己資金無し、無担保・無保証で最大3,000万円の融資を受けられる制度のことです。
下記のいずれかに該当すれば、融資を受けられます。
- 現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める場合
- 産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める場合
現在勤めている企業と同じ業種の事業を始める場合、対象となる方は6年以上勤務もしくは通算6年以上お勤めの方です。
また、対象となる業種について、一定の知識やスキルがあるとみなされることもポイントです。
例えば、パン屋さんを開業するために融資を受けたい方の場合、製パン技能士の資格を持っているとスキルを証明しやすくなるでしょう。
一方、認定特定創業支援等事業を受けて事業を始めるには、各自治体の主催する創業セミナーを受講することが求められます。
セミナーを受講し、「認定特定創業支援事業による支援を受けたことの証明書」を発行されれば条件を満たすことができます。
日本政策金融公庫とは公的な金融機関であり、民間の金融機関に比べて開業資金が借りやすく金利が低い傾向にある点が特徴です。
飲食店を開業資金ゼロで始めたい方にとって、頼もしい味方になってくれるでしょう。
融資を受ける方法について詳しくは、下記記事をご参照ください。
キッチンカーの開業で融資を受ける手順を7ステップで解説!補助金や助成金も紹介2、信用保証協会の信用保証付きの融資を受ける
飲食店を開業資金ゼロで始める方法として、信用保証協会を利用した融資を受ける方法があります。
信用保証協会とは、中小企業や小規模事業者の円滑な資金調達の支援を目的とする公的機関です。
信用保証付きの融資とは、信用保証協会が保証人の立場になることで、民間の金融機関からの融資が受けやすくなる制度のことです。
信用保証付きの融資を利用するには、信用保証協会へ申込んだ上で審査に通る必要があります。
自己資金ありの融資の場合と比べて、金利が高くなりやすい点がデメリットです。
しかし、万が一借金を返済できない場合でも、信用保証協会が借金の返済を請け負ってくれるため、新規事業者でも融資を受けることが可能です。
ただし、信用保証協会は保険会社ではないので、請け負ってもらった借金には返済の義務があります。
3、家族や友人から借りる
飲食店を開業資金ゼロで始める方法として、家族や友人から借りる方法があります。
飲食店を開業したいからお金が必要だと正直に話せば、お金を借してもらえる可能性は高いでしょう。
お金を借してもらうときは、事業計画や返済予定のプランを提示するなど、相手に安心してもらえるように配慮することが求められます。
特に、知人や友人からお金を借りるとき、場合によっては借用書を用意しましょう。
お金を借りる側が借用書を作成するのが基本的です。
借用書があると借りた金額などを明確にできるので、後々トラブルに発展しにくくなります。
面倒くさいと思う方もいるでしょうが、「金の切れ目は縁の切れ目」といわれます。
お金の貸し借りが原因で人間関係に亀裂が生じるケースがあるので、期間を守って返済するようにしましょう。
利息なしでお金を借してもらえるケースもあるでしょうが、菓子折りを送ったり食事をご馳走したりして感謝の気持を伝られるといいでしょう。
4、クラウドファンディングを活用する
飲食店を開業資金ゼロから始めるために、クラウドファンディングを利用する方法があります。
クラウドファンディングとはインターネットを介して、不特定多数の人から少しづつ資金を集めることができる仕組みのことです。
クラウドファンディングで資金を集めるには魅力的なリターンを用意するなど、応援したいと思ってもらうことがポイントとなります。
飲食店開業するにあたって必要な金額に根拠がなかったり使い途がはっきりと明示されていなかったりする場合、資金は集まりにくくなります。
遠方にお住まいの方など、直接お店まで来店できない方に向けたリターンを用意するといいでしょう。
クラウドファンディングのメリットは、画像や動画などを紹介する活動を通して宣伝・広告の効果が期待できる点にあります。
▼クラウドファンディングについての記事はこちら
キッチンカーの開業にはクラウドファンディングが使える!失敗しない方法や成功のコツを解説飲食店を開業資金ゼロでする時に使える制度
飲食店を開業資金ゼロでする場合、利用したいのは助成金と補助金の制度です。
助成金と補助金の違いについては、具体的に下記の表に示します。
支援制度 | 助成金 | 補助金 |
返済義務 | なし | なし |
前払い | 不可 | 不可 |
条件 | 特定の要件を満たす | 特定の要件を満たした上で、審査に通る |
募集期間 | 随時 | 数週間程度 |
助成金とは、社会貢献を目的とする事業者を支援するために、国や自治体の予算から支払われるお金のことです。
一方、補助金とは、主に地域経済の活性化を目的とする事業者を支援するために、国や自治体の予算から支払われるお金をいいます。
助成金と補助金が融資と異なる点は、後払いで資金を受けるところです。
開業資金としてではなく、運転資金として使うことが主な目的になるでしょう。
補助金の具体例として、小規模事業者持続化補助金があげられます。
小規模事業者持続化補助金とは、生産向上や販路開拓等を目指した活動の一部を支援してもらえる補助金のことです。
補助金の種類 | 小規模事業者持続化補助金 |
対象 | 中小企業、個人事業主 |
最大補助金額 | ・50万円(通常枠) ・100万円(インボイス枠) ・200万円(賃金引き上げ枠、卒業枠) |
補助率 | 補助対象経費の3分の2 ※賃金引き上げ枠の内、赤字事業者は4分の3支給 |
補助対象経費 | 開発費、ウェブサイト関連費、旅費など |
出典:東京商工会議所
上記の表の通り、補助金の対象となる条件は細かく決められています。
一方、助成金の具体例としてキャリアアップ助成金があげられます。
キャリアアップ助成金とは、非正規雇用労働者を正社員化したり、処遇改善に取り組んだ事業所に出される助成金のことです。
助成金の種類 | キャリアップ助成金 |
対象 | ・雇用保険適用事業所 ・キャリアアップ管理者を置いている事業所 ・労働条件等、賃金の算出方法を明確にできる事業主 ・キャリアアップ期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主 ・キャリアアップ計画を作成し、受給資格の認定を受けた事業主 |
最大補助金額 | 例:【正社員化コース】 ・有期雇用労働者→正社員:57万円(72万円) ・無期雇用労働者→正社員:28万5,000円(36万円) ※()内は生産性の向上が見られた場合 |
支給申請期間 | 直接雇用した対象労働者に対し、賃金を6ヶ月分支給した日の翌日から起算して2ヶ月以内 |
出典:厚生労働省
キャリアアップ助成金の制度は年度によって改正が行われる場合があるので、事前に厚生労働省のWEBサイトをチェックしておきましょう。
補助金や助成金について詳しくは、下記記事をご参照ください。
キッチンカーでの開業に使える6つの補助金・助成金を紹介!開業にかかる資金も4つに分けて解説飲食店の開業資金を抑える3つの方法
飲食店を開業資金ゼロから始めるためには、少しでも費用を抑えることがポイントになります。
ここから、開業資金をなるべく抑えるための方法を具体的に紹介します。
1、居抜き物件を貸りる
飲食店の開業資金を抑えるために効果的なのは、居抜き物件を貸りることです。
居抜き物件とは、以前入っていたテナントの内装や設備などが残っている物件のことをいいます。
店内レイアウトを変更しにくい点や、設備のトラブルが発生するリスクがある点等がデメリットです。
一方で、内装や工事などでお金がかかりにくく、費用を節約しやすい点がメリットになります。
また、内装などの工事にかける時間を短くできるので、開店までの期間も短縮できます。
開業資金を抑えたい方にとって、居抜き物件を貸りるメリットは大きいといえるでしょう。
2、DIYする
飲食店の開業資金を抑えるには、DIYする方法があります。
DIYすることで、人件費を抑えつつ自分の理想とするお店に近づけることができるでしょう。
電気、ガス、水道の工事に限っては、専門の業者さんに任せなければいけません。
しかし、壁や床、天井などの塗装については、ご自分の思い通りにできます。
慣れない方にとっては大変な作業になる恐れもありますが、完成した時には達成感を感じられるでしょう。
また、ちょっとした棚などもDIYすることで、費用の節約になるだけでなく、店に対する愛着がより湧きやすくなります。
プロに頼む場合と比べて完成度では劣る可能性が高いですが、お客さんに思いを届けやすくなるでしょう。
3、移動販売をする
飲食店の開業資金を抑えるには、移動販売をする方法があげられます。
移動販売するためには、「キッチンカー」を使う方法があります。
キッチンカーとは、調理設備を備えた車両で食品を製造販売できる点が特徴です。
キッチンカーの特性上、店舗レイアウトを変更できない点や、食品衛生に細心の注意を払わなくてはいけない点などがデメリットになります。
一方で、キッチンカーのメリットは下記のとおりです。
- 家賃や光熱費が不要なので、運転資金を抑えられる
- 人手があるエリアにこちらから出向ける
- 少人数で運営できる
- 客席がないので、回転数を気にしなくていい
- 物件取得費用など開業資金が抑えられる
上記のように、開業資金を抑えつつ、黒字化しやすい点がキッチンカーのメリットです。
キッチンカーについて詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
キッチンカー副業はおすすめ!おすすめな理由やおすすめしない理由、出店までの流れ、成功のコツも解説開業資金ゼロでも飲食店を開業できる可能性がある!
ここまで、飲食店を開業資金ゼロで始める方法について具体的に解説してきました。
本記事のまとめは下記のとおりです。飲食店を開業資金ゼロで始めるには…
- 日本政策金融公庫の融資制度を利用したり、クラウドファンディングを活用したりする
- 返還する必要のない補助金や助成金の制度を利用する
- 居抜き物件を貸りたり、移動販売をして物件取得費用を抑えたりする
本記事を参考に、飲食店を開業資金ゼロから始める方法について理解していただければ幸いです。