「ホットドッグって、移動販売で売れるの?」
「移動販売を始めるには、どんな準備が必要?」
「ホットドッグで儲けるためには、どうすればいい?」
手軽に食べられるメニューとして人気のホットドッグ。移動販売を始める際にも、商材として候補に挙げる方は多いのではないでしょうか。
しかし、移動販売には食品衛生法上の制限があり、どんな具材や調理工程でも自由にできる訳ではありません。また、ホットドッグならではの注意点やコツもあります。
そこで本記事では、ホットドッグの移動販売について、以下の点を紹介します。
- ホットドッグの移動販売のメリット・デメリット
- 必要なもの
- ホットドッグの移動販売の始め方
- 成功のコツ
この記事を読めば、ホットドッグの移動販売に関する疑問を解決できます。スムーズに出店して早く稼ぐためにも、ぜひ参考にしてください。
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移動販売(キッチンカー)でホットドッグを売る5つのメリット
移動販売の商材としてホットドッグを選ぶメリットは、以下の5つです。
- どこでも手軽に食べられるので提供場所を選ばない
- 様々なメニューを展開できる
- メジャーな商品で認知度がある
- 子どもから大人まで幅広い層に人気
- 提供メニューの下準備が簡単
それぞれ説明していきます。
1. どこでも手軽に食べられるので提供場所を選ばない
ホットドッグは、手に持って立ったまま食べられる手軽さが売りの1つです。丼ものと違い、テーブルを必要としません。
そのため、提供場所を選ばないのがメリットです。着席スペースのないイベント会場や、オフィス街でも出店できます。
2. 様々なメニューを展開できる
ホットドッグは、パンやソーセージなどのメインの食材を変えずに、トッピングでメニュー展開をできます。
色々な味の好みに対応でき、ターゲット層が広くなるのがメリットです。たとえば、辛党の人にはチリソース、とろけるチーズが好きな人にはチーズドッグなどで訴求できます。
3. メジャーな商品で認知度がある
ホットドッグはメジャーな商品であることもポイントです。
お客様にとっては味を想像できるメニューは選びやすく、購入までのハードルが下がります。
そのためマイナーな商材と比べると、認知を得るための工夫や宣伝広告が少なくても、売りやすい点が特徴です。
4. 子どもから大人まで幅広い層に人気
ホットドッグのようなジャンクフードっぽいものは、子どもにも人気です。
またビールと一緒に提供することで、大人にも売れやすくなります。
幅広い層に人気なので、ファミリー向けのイベント会場にも向いています。
5. 提供メニューの下準備が簡単
ホットドッグは下準備が簡単なメニューが多いです。具材によっては野菜のカットも必要になりますが、基本的には注文が入ってからソーセージを焼き、パンに挟むという提供手順になります。
そのため、カレーのような料理と比べると、事前の仕込みはかなり少なく済みます。
営業外の仕込み時間が少ないのは、人件費などのコストを考えると大きなメリットです。
移動販売(キッチンカー)でホットドッグを売る2つのデメリット
移動販売の商材としてホットドッグを選ぶことには、デメリットも2つあります。
- 販売価格を高くしにくい
- 作り置きしづらく提供時間がかかる
1つずつ説明していきます。
1. 販売価格を高くしにくい
ホットドッグには、販売価格を高くしにくいデメリットがあります。
ホットドッグと似た商材であるハンバーガーは、本格的なものだと1,000円以上で販売されている場合もあります。
一方、ホットドッグは500~650円程度で提供しているお店が多く、一般的には高くない食品と認知されています。
そのため、値段が高いと売れにくくなってしまうのがデメリット。
実際に営業している4店舗について価格を調べてみたところ、メインのメニューは以下の値段で販売されていました。
店舗名 | ホットドッグ | チーズドッグ | チリドッグ サルサドッグ |
---|---|---|---|
LAX store | 500円 | ー | ー |
KITE’S KITCHEN | 600円 | 650円 | 650円 |
Today | 500円 | ー | ー |
いつめし+ | 600円 | 650円 | 650円 |
高く売るには、付加価値をつけるなどの工夫が必要となりそうです。
価格参考元:
・LAX store
・KITE’S KITCHEN
・Today|ARNE
・いつめし+|空の駅風和里しばやま
2. 作り置きしづらく提供時間がかかる
ホットドッグは、作り置きをしづらいメニューです。
下準備が簡単という点ではメリットでしたが、その分、注文が入ってからの工程は多くなります。
ソーセージを焼き、具材をパンに挟んだりソースをかけたりする作業が必要。
もちろん事前に焼いておけますが、湿気によりソーセージのパリッとした食感が失われてしまうのは難点です。
温めるだけの食品と比べると提供スピードが落ちるので、販売数量を上げにくい点がデメリットだといえます。
ホットドッグの移動販売(キッチンカー)で必要な5つの設備や材料
ホットドッグの移動販売を始めるには、以下5つのものが必要です。
- 移動販売車(キッチンカー)
- 厨房設備・調理器具
- 容器
- 食材
- 仕込み場所
順番に見ていきましょう。
1. 移動販売車(キッチンカー)
移動販売をするには、まずキッチンカーが必要です。車輌を用意する方法は、大きく分けて4つあります。
用意する方法 | 料金(目安) |
---|---|
1. 購入する (詳細) |
・新車:約320万円~ ・中古:約150万円~ ※販売できる状態の車 |
2. レンタルする (詳細) |
短期:1日2万円~ |
3. リースする | 月額約20万円~ |
4. DIYで作る (詳細) |
約100万円~ |
それぞれの方法でかかる金額は上記の通りです。
費用を抑えるにはDIYで作るのも選択肢の1つですが、予算がある場合はプロに任せる方が安心できます。車検や保健所の許可を取れる仕様でなければならないからです。
たとえば、保健所による設備要件は細かく決まっており、一般的なホットドッグの調理工程なら、80Lの給排水タンクが必要となります。
40Lのタンクでは1工程までしか認められないためです。
パンに具材を挟む行為も1工程となるため、ソーセージを焼く作業も入れると2工程以上になります。
そのため、車内を改造する際にも、80Lのタンクを置くスペースを考慮しなければなりません。
プロであれば、そういった規制に対応してくれます。
車輌の形状としては、ホットドッグの移動販売車では、サイド(車両側面)に受け渡し窓口を作るのが一般的なスタイルです。商品を渡すための折りたたみテーブルを付けておくと、さらに使いやすくなるでしょう。
なお、設備要件は自治体によって見解が分かれるため、営業する地域の保健所へ確認してみてください。
価格参考元:
・グーネット中古車|キッチンカー
・フードトラックカンパニー|キッチンボックス350
・フードトラックカンパニー|レンタルサービス
・キッチンカープロジェクト|キッチンカーリース
2. 厨房設備・調理器具
ホットドッグを提供するために必要な厨房設備や調理器具としては、以下のものが挙げられます。
- 冷蔵庫
- ガスグリドルまたはガスコンロ+フライパン
- オーブン
- ソースディスペンサー
ガスグリドルまたはガスコンロは、ソーセージやベーコン等の加熱に使います。ガスグリドルは厨房設備の通販サイトで、約2~3万円で購入可能です。
また、具材を挟んでからパンを焼く場合には、オーブンを使うケースもあります。
ケチャップやマスタードをかけやすいように、ソースディスペンサーも用意しておきましょう。
・参考元:テンポスドットコム|ガスグリドル
3. 容器
容器等で用意するものは、主に以下の2つです。
- テイクアウト容器
- 紙ナプキン
持ち運びのしやすさが重視なら蓋付きのプラスチック容器、その場で食べられる環境ならオープンタイプの紙トレーが使われることも多いです。
また、持ち帰りする場合でもクラフトボックスだと、見栄えがより良くなります。SNSでの拡散を狙いたい場合は、容器のおしゃれさも意識しましょう。
容器や紙ナプキンは、包装用品の専門店や通販サイトで購入できます。
クラフトボックスの価格は20枚入で924円(約46円/枚)、紙トレーは40枚入で792円(約20円/枚)となっています。(2021年8月時点)
・参考元:シモジマオンラインショップ|HEIKO ネオクラフトボックス 20枚
・参考元:シモジマオンラインショップ|HEIKO ホットドックトレー S 40枚
4. 食材
ホットドッグの食材は、原価率30%程度を目安として揃えましょう。原価率は「材料費÷販売価格×100」で算出できます。
仮に月100万円の売上を想定するなら、22日の稼働で1日あたりの売上目標は、約45,000円。そこから逆算すると、1日に使う材料費の目安は約13,500円となります。
用意する食材の種類は、大きく分けると以下の3つです。
- パン
- 具材
- ソース・調味料・トッピング
パン
オリジナリティを出すには、パンを自分で作るのも1つの方法です。ただし、キッチンカーの中ではパン生地作りを行えないため、仕込み場所で作る必要があります。(仕込み場所については、この後の章をご参照ください)
業務を効率化したい場合は、市販品や焼成済みのパンを仕入れると良いでしょう。
具材
ホットドッグの具材としてよく使われるものには、以下の3つがあります。
- ソーセージ
- ベーコン
- キャベツ
上記は必ず使う訳ではなく、ソーセージ以外はメニューによって必要となります。また、生野菜はキッチンカーで提供できないため、炒めてからパンに挟むといった工程が必要です。
ソース・調味料・トッピング
ホットドッグに使う調味料やトッピングには、以下のようなものがあります。
- ケチャップ
- チリソース
- マスタード
- カレーパウダー
- チーズ
- オニオンチップ
どのホットドッグ屋でも必要となるのはケチャップ程度ですが、提供メニューに合わせて他の調味料も購入しましょう。
5. 仕込み場所
キッチンカーでは加熱や盛り付けなどの簡単な調理しか行えません。そのため、生野菜のカットやパン生地作りなどを行う場合は、別途仕込み場所が必要です。
仕込み場所を用意する手段は、以下のような方法が一般的です。
- 飲食店を間借りする
- 営業許可を取得しているシェアキッチンを利用する
なお、仕込み場所を用意しなくても、営業許可を取得できる方法もあります。
たとえば、カット済みの食材を仕入れたり、加熱と盛り付けのみで提供できるメニューに限定したりなど。そうすれば、下準備を行うための場所は必要ありません。
仕込み場所については「仕込み場所がいらない移動販売の方法3選」 で詳しく説明していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
【9ステップ】ホットドッグの移動販売(キッチンカー)の始め方
ここからは、ホットドッグの移動販売を始める手順を紹介します。9つのステップで進めていきましょう。
- 営業エリアを決める
- メニューや調理工程を考える
- 保健所に事前相談をする
- 移動販売車(キッチンカー)を用意する
- 仕込み場所を確保する
- 必要な資格や許可を取得する
- 出店場所の選定・交渉をする
- 備品や食材を準備する
- 営業を開始する
それぞれ詳しく紹介します。
1. 営業エリアを決める
移動販売の営業許可は、出店場所を管轄する保健所へ申請します。複数の都道府県で営業する場合は、自治体ごとに許可を取らなければなりません。
地域によっては、都道府県の許可の他に、各市の保健所でも申請が必要となります。そのため、営業エリアを最初に決めておきましょう。
2. メニューや調理工程を考える
次に、ホットドッグのメニューや調理工程を考えます。作業内容によって、以下のような条件が異なるためです。
- 許可を取得できる設備要件
- 仕込み場所の必要性
メニューを考えてから保健所へ相談すると、話を具体的に進められます。
3. 保健所に事前相談をする
メニューを考えたら、キッチンカーを購入する前に保健所へ相談しましょう。保健所の担当者や地域によって見解が異なる場合があるためです。
自分の計画通りに進められるかどうか、以下のような点を確認します。
- 必要な設備と基準
- 実現可能なメニューや品目数・調理工程
- 仕込み場所の必要性
- 申請してから許可までの日数
特に、予定しているメニューの提供可否や設備要件は要チェックです。給排水タンクの容量やシンクの大きさ、換気扇の規定などを確認しておきましょう。
4. 移動販売車(キッチンカー)を用意する
保健所に条件を確認できたら、キッチンカーを用意します。車輌の購入や設備・外装の改造などを行いましょう。
キッチンカーを用意する方法については、本記事内の「ホットドッグの移動販売で必要な設備や材料」をご参照ください。
5. 仕込み場所を確保する
キッチンカーでは簡単な加熱や盛り付けしかできないため、ホットドッグの調理工程によっては一次処理を行う場所が必要となります。
営業許可を取得する際に、仕込み場所の責任者の署名・捺印等も必須のため、先に場所を確保しておきましょう。
仕込み場所が必要となるケースについては、本記事内の「ホットドッグの移動販売で必要な設備や材料」で詳しく説明しています。
6. 必要な資格や許可を取得する
キッチンカーや仕込み場所を準備できたら、資格や許可を取りましょう。ホットドッグの移動販売で必要となる許可等は、主に以下の2つです。
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、飲食店を開業するなら必須となる資格です。難しそうな資格に感じるかもしれませんが、1日講習を受ければ取得できます。
講習は各都道府県の食品衛生協会で開催されています。詳しくは「移動販売に必要な3つの資格」をご参照ください。
保健所の営業許可
キッチンカーの中で加熱・盛り付けを行うなら、飲食店営業の許可が必要です。事前相談で聞いた通りに車輌や設備を準備して、出店する地域の保健所へ申請しましょう。
保健所の営業許可に関して、さらに詳しい内容は「移動販売の営業許可の取り方まとめ」で解説していますので、参考にしてみてください。
7. 出店場所の選定・交渉をする
次に、出店する場所を決めましょう。他の準備と並行して早い段階から場所探しを始めておき、営業許可を取得できたら出店交渉をするとスムーズです。
場所の探し方としては、以下のような方法があります。
- ショッピングモール等へ直接交渉する
- 出店場所のマッチングサイトで探す
- イベント情報をチェックする
まずはマッチングサイトを利用するのがハードルが低く、おすすめです。またイベント団体の最新情報を、SNSなどで随時チェックしておくのも良いでしょう。
出店場所の探し方については「移動販売の出店場所7選」でも、紹介しています。
8. 備品や食材を準備する
出店場所を決めたら、備品や商品・食材を揃えましょう。調理器具やテイクアウト用の容器などを購入します。
具体的に準備するものは、提供メニューによっても異なります。本記事内の「ホットドッグの移動販売で必要な設備や材料」を参考にしてみてください。
9. 営業を開始する
ここまでの準備が完了したら、いよいよ営業を開始しましょう。
ホットドッグの移動販売を成功させるコツについて、この後でさらに詳しくお伝えしていきます。
ホットドッグの移動販売(キッチンカー)を成功させる4つのコツ
ホットドッグの移動販売を成功させるには、4つのコツがあります。
- SNS映えを意識して拡散を狙う
- ドリンクを提供して利益を上げる
- 材料の種類を増やし過ぎない
- オリジナルの強みで付加価値をつける
1つずつ見ていきましょう。
1. SNS映えを意識して拡散を狙う
成功するには、SNS映えを意識することが大切です。SNSで拡散してもらえれば、広告費を抑えながら集客できるからです。経費の節約と売上アップを同時に狙えます。
そのために、お客様がSNSに載せたくなるような見た目を意識するのがポイント。具体的には、以下の点に気をつけてみましょう。
- ソースのかけ方を雑にしない
- 紙ナプキンをおしゃれなものにする
- キッチンカーの外装や小物をおしゃれにする
2. ドリンクを提供して利益を上げる
ホットドッグと一緒にドリンクを提供することも、成功の秘訣です。一般的にドリンクは原価率が低いので、ホットドッグだけを売るより儲けが出やすくなります。
特にソフトドリンクやハイボール、コーヒーなどは原価率を抑えやすいです。あらかじめホットドッグとドリンクのセットメニューを用意しておくと、購入されやすくなるでしょう。
3. 材料の種類を増やし過ぎない
ホットドッグの移動販売では、食材の種類を増やしすぎないのもポイントです。材料の種類を増やすと、仕入れや在庫管理の手間が増えたり、廃棄によるロスが増えたりするため。
食材を増やさず、ソースやトッピング等でメニュー展開する方が、ロスが少なく済みます。
4. オリジナルの強みで付加価値をつける
ソーセージやパンにこだわったり、オリジナルのソースを作ったりして、他店との差別化を図りましょう。
付加価値をつけることで、ファンを獲得できたり、話題性で集客できたりすることも。
パンにこだわると言っても自家製である必要はなく、人気のパン屋さんから仕入れるだけでも違います。
単なるホットドッグではなく「このお店だから買いたい」と言われる商品を作りましょう。