「ゴーストレストランって何?」
「普通の飲食店との違いは?」
「どういう仕組みになってるの?」
ゴーストレストランは飲食業のビジネス形態の1つで、実際の店舗を持たない点が特徴です。
人気を集めている形態ですが、実店舗を持たないでどのように営業しているのか、本当に売上を伸ばせるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、ゴーストレストランについて以下の点を紹介します。
- ゴーストレストランとは
- テイクアウト専門店やシェアキッチンとの違い
- ゴーストレストランの仕組み
- 需要が増えている理由
- メリット・デメリット
- 人気のデリバリーサービス
この記事を読めばゴーストレストランの仕組みを理解でき、ビジネスとして取り組むイメージを掴めるでしょう。ぜひ参考にしてください。
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ゴーストレストランとはオンライン上の飲食店
ゴーストレストランとは、客席がないデリバリー専門のレストランのことを指します。
注文はオンライン上で受け付けるため、お客様が来店することはありません。
店内にはレジもなく、調理するためのキッチンのみがある状態です。
実際にはキッチンを営業場所として登録していますが、お客様の視点からはオンライン上にしか店舗がないように見えます。
そのため、実在しないレストラン=ゴーストレストランと呼ばれています。
ゴーストレストランと似た3つの業態・用語との違い
ゴーストレストランと似たイメージを持つ業態として、よく挙げられるのが以下の3つです。
- テイクアウト専門店
- デリバリー
- シェアキッチン・クラウドキッチン
上記3つは、どれもゴーストレストランとは明確な違いがあります。それぞれの意味を以下で見ていきましょう。
1. テイクアウト専門店との違い
テイクアウト専門店は、お客様が来店して商品を持ち帰る形態のお店です。
たとえば店内に飲食スペースのないお弁当屋やパン屋などが、テイクアウト専門店にあたります。
お店によって、会計は現地で行う場合とオンライン決済の場合がありますが、商品の受け渡しは店頭であることが特徴です。
一方でゴーストレストランにはお客様が来店することがありません。その点がテイクアウト専門店との違いです。
2. デリバリーとの違い
デリバリー自体は、客席のある飲食店でも行っている場合が多いです。
デリバリーメインのお店であっても、店頭に窓口があり直接の受け渡しも可能な場合があります。
それと比べて、ゴーストレストランは客席やレジがなく、オンライン上で完結するというのが特徴です。
デリバリーを行っているお店が、すべてゴーストレストランということではありません。
3. シェアキッチン・クラウドキッチンとの違い
シェアキッチンやクラウドキッチンは、キッチンの場所貸しをするビジネス形態のことを言います。一方のゴーストレストランは、飲食業としての業態です。
そのため「クラウドキッチンを借りて、ゴーストレストランを営業する」というケースもあります。
シェアキッチンは複数人で使うため、家賃などのコストを抑えられるのが特徴です。
また、飲食店を開業するには保健所の営業許可が必要ですが、許可を取れているシェアキッチンを使うと、新たに申請せずに飲食店営業を始められる場合もあります。
ゴーストレストランの仕組み
ゴーストレストランの仕組みは、以下のようになっています。
- キッチンを用意する
- ネット上でお客様からオーダーを受ける
- 料理を配達する
- デリバリーサイトへ手数料を納める
- 残った金額が飲食店の収入となる
まずは保健所の営業許可の取れているキッチンを確保します。営業許可は料理を作って提供する商売では、必ず必要です。飲食スペースや客席を用意する必要はありません。
調理場所やメニューを用意できたら、デリバリーサービスや自社サイトなどを通して、ネット上で注文を受けます。
デリバリーサービスとは、たとえばUber Eatsや出前館などです。
オンラインでオーダーを受けたら、お客様の元へ料理を配達します。
この際の配達の仕方は、Uber Eatsへ外注するほか、自社スタッフでデリバリーを行うことも可能です。
出前館やUber Eats経由で注文が入った場合には、利用したサービスへ手数料を納めます。手数料率は一概には言えませんが、商品代金の30%前後と言われています。
たとえば出前館であれば、サービス利用料10%、配達代行25%、決済代行3%で合計38%です。
お客様からいただく商品代金から手数料を引いた残りの金額が、ゴーストレストランの収入となります。
ゴーストレストランの需要が増えている2つの理由
ゴーストレストランが昨今注目されているのは、以下2つの背景によって、需要が増えているためです。
- デリバリーサービスが普及している
- 外食できなくても飲食店の料理を味わえる
それぞれ見ていきましょう。
1. デリバリーサービスが普及している
1つ目の理由は、デリバリーサービスそのものが普及しているからです。楽天・Amazonなどにより、ネットで注文をする行為が当たり前の世の中になっています。
さらにUber Eatsなどのデリバリーサービスが話題になり、アプリから簡単に頼めることで飲食のデリバリーが普及してきました。
配達してもらえる便利さや時短効果を実感すると、ネットショッピング以外でもデリバリーを頼むことが日常化していきます。
2. 外食できなくても飲食店の料理を味わえる
2020年以降の外出自粛要請や飲食店の時短営業により、外食をする機会が減っています。家で過ごす人が多いため、いわゆる巣ごもり需要が増えているのです。
その1つとして、自宅にいながら飲食店の料理を楽しめるデリバリーサービスが人気を集めています。
日本能率協会総合研究所(JMAR)の調査においても、フードデリバリー市場は右肩上がりと発表されています。2019年度には1,700億円規模でしたが、2025年には4,100億円規模となる見込みです。
参考元:PR TIMES|フードデリバリーサービス2025年に4,100億円規模に
ゴーストレストランの5つのメリット
飲食店をゴーストレストランで開業することには、5つのメリットがあります。
- 開業・運営資金を抑えられる
- 時間帯に関わらず売上を上げられる
- 客席がないので回転率を上げやすい
- メニューやジャンルを変更しやすい
- デリバリーサイトの集客力の恩恵を受けられる
1つずつ解説していきます。
1. 開業・運営資金を抑えられる
ゴーストレストランは、一般的な飲食店と比べると開業資金や運営資金を抑えられることがメリットです。コストを抑えられる理由は主に4つあります。
- 家賃や固定費を抑えられる
- 内装・外装工事が不要
- 什器・備品は最小限で済む
- 人件費を抑えられる
ゴーストレストランはキッチンのみなので面積が狭くても良く、客席のある飲食店と比べると家賃や固定費を抑えられます。お客様が来店しないので、お洒落な内装へリフォームする必要もありません。
さらに接客や会計がなく、シェフさえいれば運営可能なので人件費を安く抑えられます。レジ台やテーブル・椅子などの購入費用もかかりません。
具体的な金額は日本政策金融公庫によると、一般的な飲食店開設費用は883万円が目安とされています。
一方のゴーストレストランは、クラウドキッチンを借りるなら初期コストは50~100万円、月額賃料は30万円程度が目安です。
実店舗と比べてかなりコストを抑えられるのが、大きなメリットです。
価格参考元:シェア型クラウドキッチン|キッチンデポ
2. 時間帯に関わらず売上を上げられる
ゴーストレストランは店舗で飲食を行わないため、時短営業要請の影響を受けない点もメリットです。
営業時間を夜21時までと指定された場合でも、ゴーストレストランであれば深夜まで注文を受けられます。
この点でお店側のメリットと、外出できないお客様のニーズがマッチし、世間でゴーストレストランが注目されることとなりました。
これから開業する人のみならず、既に飲食店経営をしている人がゴーストレストランに参入する理由にもなります。
3. 客席がないので回転率を上げやすい
ゴーストレストランは店舗内でお客様が飲食をしないため、実店舗と比べて回転率を上げやすいのが特徴です。接客やレジ対応もなく、調理するだけなのでスムーズに回せます。
また、実店舗で客数を増やしたい場合は、充分な席数(面積)を用意しなければなりません。一方、ゴーストレストランなら店舗が小さくても回転率を上げられるため、稼ぎやすい業態と言えます。
4. メニューやジャンルを変更しやすい
ゴーストレストランは、メニューやジャンルを変更しやすいのもポイントです。
たとえば固定の飲食店であれば、テーブルに置くメニュー表や壁に貼るポスター、のぼりなどの販促物の変更も必要です。その点、ゴーストレストランならネット上のメニューを直すだけで済むので、実店舗ほど大掛かりな変更になりません。
また、ジャンルに合わせて店舗の外装・内装を変える必要がないので、コストをかけずにジャンル変更ができます。
売れ行きを見ながらメニューやジャンルを変えられる点は、ゴーストレストランの良いところです。
5. デリバリーサイトの集客力の恩恵を受けられる
ゴーストレストランはデリバリー系のサイトから集客できるのもメリットです。出前館やUber Eatsなどはサービス自体に集客力があるため、その恩恵を受けられます。
どこのお店へ注文するか決めていないユーザーは、各店舗の公式サイトを見るより、Uber Eatsなどでメニューを決めることが多いでしょう。
自社サイト以外の流入経路から新規顧客を呼び込めるのは、ゴーストレストランの強みです。
ゴーストレストランの4つのデメリット
ゴーストレストランで開業することには、デメリットも4つあります。
- デリバリーサービスの手数料がかかる
- お客様との接点がないので集客の工夫が必要
- Webマーケティングのスキルが必要
- 営業場所を見つけるのが難しい
それぞれ詳しく説明していきます。
1. デリバリーサービスの手数料がかかる
ゴーストレストランのデメリットは、デリバリーサービスを利用すると手数料がかかる点です。
Uber Eatsや出前館などを経由して注文を受けたり、配達を代行してもらったりすると、費用が発生します。
たとえば出前館の手数料は、以下の料率です。
- 基本料金:無料
- サービス利用料:10%
- 配達代行:25%
- 決済代行:3%
店舗側の利益を減らさないためには、手数料分を商品代金へ上乗せしなければなりません。その結果、お客様に割高と感じられる可能性があるため、高くても注文してもらえる工夫が必要です。
施策を考えるのが難しい場合は、フードデリバリーに精通したプロに相談してみるのがおすすめです。
Udemae(ウデマエ)であれば、豊富な成功体験にもとづいたサポートを受けられるので、ゴーストレストランを成功させたい方はぜひ検討してみてください。
2. お客様との接点がないので集客の工夫が必要
接客が必要ない点はゴーストレストランのメリットですが、お客様と接点を持てないという意味ではデメリットとなります。
対面できないと、対応の良さやスタッフの人間性でファンになってもらうことが難しいからです。
そのため、実店舗の飲食店と比べるとリピーターになってもらうハードルが高くなります。Web上での対応や商品力で集客する工夫をすると良いでしょう。
3. Webマーケティングのスキルが必要
ゴーストレストランでは通常の飲食店よりもWebマーケティングのスキルが求められます。お客様が実店舗を見かけて知ったり、通りがかりに立ち寄ったりすることがないからです。
そのため、Web上でいかに見つけてもらうかという戦略が重要です。
たとえば各デリバリーサイトで上位表示される傾向を研究したり、Instagramを運用してお店を知ってもらったりするのも良いでしょう。
なお、SNSで集客するには投稿内容の試行錯誤が重要になります。最適な施策を打って集客に結びつけたい場合は、運用をプロに任せてみるのがおすすめです。
グルスタであれば、飲食店に特化したInstagram運用をサポートしているので、検討してみてください。
4. 営業場所を見つけるのが難しい
ゴーストレストランは営業できる場所の確保が難しい点も、デメリットに挙げられます。
その理由は以下2点です。
- 営業許可を取れる物件が見つからない
- 大家からの許可が取れない
店内飲食をしない場合でも、調理した物を提供するには保健所の営業許可が必要で、細かい設備要件があります。
その許可基準に満たない造りになっているキッチンでは、営業許可を取れません。
また、許可条件を満たしていても、建物の大家さんがゴーストレストランの営業を認めない場合もあります。
そのため、なかなか物件が見つからないケースもあるでしょう。
対策としては、営業許可を取れているシェアキッチンを利用するのがおすすめです。ゴーストレストラン営業可を売りにしているキッチンもあるので、ぜひ見てみてください。
ゴーストレストラン運営に人気の3つのデリバリーサービス
ゴーストレストランの運営において、よく利用されるデリバリーサービスを3つ紹介します。
- Uber Eats(ウーバーイーツ)
- 出前館
- まがりDEバーチャルレストラン
以下で順番に見ていきましょう。
1. Uber Eats(ウーバーイーツ)
Uber Eatsはアプリ上で受発注を完結でき、配達員のマッチングも自動で行ってくれるサービスです。
飲食店側は手数料を負担すればよく、配達員を自店舗で採用する必要がありません。
顧客から注文が入ると、そのとき近くにいる配達員とのマッチングが始まります。担当になった配達員がお店まで料理を取りに来てくれ、お客様宅へ配達してくれるシステムです。
顧客側の利用者が多いため、集客効果を見込めます。
2. 出前館
出前館は8万店舗以上が加盟している日本最大級のデリバリーサイトです。
Webサイト上で受発注をでき、配達方法は2種類から選べます。自店舗のスタッフが配達するパターンと、出前館に配達代行を依頼するパターンの2種類です。
配達代行を依頼する場合、注文時の流れはUber Eatsと同様になります。オーダーが入ると配達員がお店に料理を受け取りに来て、お客様宅へ届けます。
ただし、配達代行は対応していない地域もあり、2021年時点は1都1道2府28県で対応可能となっています。
3. まがりDEバーチャルレストラン
「まがりDEバーチャルレストラン」は、飲食店の自社レシピを共有することで、調理から配達まで任せられるテストマーケティング用のサービスです。
まがりDEバーチャルレストランでは「新しい商品がデリバリーで売れるか」「他の地域でも売れるか」などのテストを行えます。
飲食店側は店舗も人材(シェフ・配達員)も用意する必要がありません。家賃も人件費もかけずに、試運転が可能です。
かかる費用は加盟料のみで1ブランド30万円から、契約期間は6か月です。
開業するよりもコストが抑えられるため、新規店舗のテストマーケティングを行いたい方に向いています。
ゴーストレストランを始めるならプロに相談するのがおすすめ
ゴーストレストランをこれから始める場合には、プロの話を聞くことをおすすめします。
デリバリーならではの販売戦略や広報活動が必要なため、通常の飲食店経営の情報だけでは足りないからです。
その点、Udemae(ウデマエ)であれば、成功事例にもとづいた体系的なサポートが月額1万円から受けられます。
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