「飲食店を始めたいけど開業資金がない」
「開業資金がなくても始められるの?」
「融資を受ける方法が知りたい」
飲食店を開業したいと考えている人は、メニューや出店場所の検討など準備を進めていることでしょう。しかし、身近に資金について教えてくれる人は、なかなかいないのではないでしょうか。
中には「飲食店を始めたいけど開業資金を準備していない」という方もいます。そこでこの記事では
- 飲食店は資金ゼロでも開業可能か
- 飲食店の開業資金の内訳
- 融資を受ける方法
について解説します。ある程度の開業資金を用意している方にも必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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【実情】飲食店を開業資金ゼロで始めるのは難しい
結論から言うと、飲食店を開業資金ゼロで始めるのは難しいと言わざるをえません。飲食店を新たに始めるには、様々な費用がかかります。
飲食店を開業する際は、ほとんどのケースで事業計画書を作成するでしょう。事業計画書には、収支予想を記載します。その中に記載されるのは、以下のような項目です。
- 人件費:スタッフの人数、給料
- 家賃:立地や広さなど
- 工事費:内装やキッチンの仕様など
- 原材料費:食材の仕入れ
- 売上:販売価格と客単価や来客見込み
売上が発生する前までに、多くの費用項目があることがわかります。開業資金がゼロであれば、事業計画書に記載する費用を払うことができません。
もちろん、銀行や自治体からの融資で、開業資金を賄う方法もあります。それでも、資金ゼロから飲食店を開業するのは、決しておすすめできません。
飲食店の開業資金の内訳
実際に飲食店を開業するには、どのような資金が必要なのでしょうか。ここでは、飲食店の開業資金の内訳を紹介します。
- 物件費用
- 設備費用
- 当面の運転資金
- 当面の生活費
1つずつ解説していきます!
1. 物件費用
飲食店の開業資金の中で、最も大きな割合を占めるのが物件費用です。一口に物件取得費と言っても、以下のように様々な費用がかかります。
- 保証金
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 賃料
物件費用は、立地によって金額が大きく変わります。保証料は、賃料の10倍程度の金額と考えておきましょう。開業時の物件費用としては、賃料の1年分以上を用意しておくのがおすすめです。
2. 設備費用
物件を借りただけではお店にならないので、設備を整える必要があります。例えば厨房を作ったり、内装も整えたりする必要があります。
工事費以外にも、以下のような設備費用が必要です。
- 調理器具
- 看板
- 食器
- 制服
- 清掃
お店の形態にもよりますが、こだわりが強いほど費用が膨らみます。スケルトン状態で一から工事するのか、居抜きで最小限の改装で抑えるかでも大きく設備費用は変わるでしょう。
居抜きはスケルトンに比べて、必要な費用が4分の1程度と言われています。特に開業資金に余裕がない場合は、少しでも設備費用を縮小したいはずです。良い物件があれば、積極的に居抜きを検討しましょう。
3. 当面の運転資金
開業資金と言っても、お店を開くまでの費用のみ考えれば良いわけではありません。当面の運転資金は、開業資金として見込んでおく必要があります。
有名店のフランチャイズというわけでもなければ、開店当初から客足が途絶えないというのは難しいです。最初は親類や知り合いが来てくれたり、物珍しさから一見さんが訪れたりするでしょう。
しかし、新装開店ムードが去った後にリピーターがついてくれるまでは、期待通りの売上が見込めないと考えるべきです。客が来なくても賃料や水道光熱費はかかります。
また、クレジットカード決済を導入すると、現金が手元に入るまで時間がかかります。逆に、仕入れなどの材料費は先払いです。現金がなくなれば、利益が出ていても黒字倒産となってしまいます。当面の運転資金は、必ず確保しておきましょう。
4. 当面の生活費
飲食店の経営とともに、自分自身も生活していかなければなりません。自分と家族が暮らしていける分の生活費を、確保しておきましょう。
普段は、あまり生活費を細かく計算していないかもしれません。しかし開業時には、以下のように一つ一つ確認することがおすすめです。
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 被服費
- 教育費(子供がいる場合)
- 通信費
- 交通費
- 日用品費
- 遊興費
- 予備費
店舗の近くに転居するのであれば、引っ越し費用も見込んでおく必要があります。引越し費用及び6ヶ月分程度の生活費を、開業資金として見ておきましょう。
飲食店の開業資金を確保する方法
開業資金を確保するには、様々な方法を模索していく必要があります。ここでは、飲食店の開業資金を確保する方法を紹介します。
- 自己資金
- 融資を受ける
- 家族や知り合いから借りる
それでは、解説していきましょう!
1. 自己資金
開業資金を確保するにあたり、まず考えるべきは自己資金です。自己資金とは、預貯金を含めた自分の手元にある現金を指します。
会社勤めをしていた人が独立する場合、これまで安定して入っていた収入がなくなります。生活費も賄うと考えると、自己資金が全くない状態で開業するのは無謀です。
誰かからお金を借りるにしても、自己資金を全く用意していない人に貸したいと思うでしょうか。
とは言え、開業資金をすべて自己資金でカバーする必要はありません。できる限り自己資金は貯めておくべきですが、適切に借り入れを行って無理なく事業をスタートさせましょう。
2. 融資を受ける
飲食店を開業する際、すべての開業資金を自己資金で賄うことは難しく、多くのケースで金融機関などからの融資を受けています。
飲食店を始める際に、設備投資を切り詰めれば開業資金を圧縮できるでしょう。しかし、あまりに費用を抑えてしまうと理想とかけ離れた店舗になってしまいます。
内装や設備にお金をかけなかった結果、魅力のないお店になっては本末転倒です。客足が遠のいて、見込み通りの売上が立たなくなる懸念があります。
必要以上に豪華にする必要はありませんが、融資を有意義に使って理想のお店に近づけていきましょう。
3. 家族や知り合いから借りる
開業資金を「家族や知り合いから借りる」という方法も考えられます。ある程度まとまった金額となるため、事前に開業の意思に賛同してもらっている必要があるでしょう。
また親しい仲と言っても、しっかりと返済計画を立てて後にトラブルとならないようにするのも重要です。家族や知り合いに開業資金の協力をお願いするのは、なかなか抵抗があるものです。
しかし、本当に必要な費用であり返済する自信があるときは、熱意をもって相手に伝えましょう。
開業資金の融資を受ける方法
開業資金を工面するために、融資を受けるのは一般的なことです。しかし、融資にはどのような種類があるか、わからない方もいるのではないでしょうか。ここでは、開業資金の融資を受ける方法を紹介します。
- 日本政策金融公庫
- 金融機関
- 補助金・助成金制度
- ベンチャーキャピタル
- クラウドファンディング
それでは、1つずつ解説していきます!
1. 日本政策金融公庫
融資を検討する際に、まず選択肢にあがるのは「日本政策金融公庫」です。日本政策金融公庫とは、小規模事業者などに資金の貸付を行っている団体です。
多額の開業資金を「保証人なし」でかつ「無担保」で融資が受けられます。尚、飲食店の場合は都道府県知事の「推せん書」または、生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」が必要です。
その他の融資を申し込む際に揃える主な書類は、以下のとおりです。
- 創業計画書(日本政策金融公庫のHPからダウンロードできます)
- 見積書(設備資金の場合)
- 履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
- 不動産の登記簿謄本または登記事項証明書(担保を希望の場合)
日本政策金融公庫から融資を受けた際は、毎月返済が必要です。それでも融資を受けやすいのは魅力であり、検討する価値のある機関です。
2. 金融機関
民間の金融機関からの融資も、開業資金を確保する一般的な方法です。飲食店開業の際に利用できる主な金融機関としては、以下の4種類があります。
- 都市銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
- 信用組合
都市銀行と地方銀行は、資金力があるので多額の融資をしてくれる可能性があります。一方で地域に密着した信用金庫と信用組合は、銀行に比べて「将来性を見てもらえる」など融通がききやすいのが特徴です。
それぞれの特性を理解して、自身の状況にあった金融機関に融資の相談をしましょう。
3. 補助金・助成金制度
原則として融資は、借りたお金を返済する必要があります。しかし、補助金・助成金は返済する必要がありません。
補助金は正式名称を「創業促進補助金」と言い、地域の需要や雇用を支える事業に対して支出される仕組みです。
助成金は「商店街企業助成金」と言います。商店街の過疎化が進んでいるという事情があり、新しくお店を出すことで補助金が受け取れる仕組みです。
補助金は募集期間が決まっており、審査があります。また、事前にお金がもらえるわけではありません。かかった費用に対して補助が出るので、一旦は自身で支払う必要があります。
助成金は、管轄する地方自治体によって制度が異なることが特徴です。出店するエリアが決まったら、地域の助成金制度を調べておくことをおすすめします。
4. ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは将来有望な企業に出資し、上場後に株式を売却することで利益を得る手法です。上場する可能性が高い企業がターゲットになるため、出資を受けるハードルが高いです。
開業後にベンチャーキャピタルから「上場する可能性が低い」と判断されると、資金が回収されてしまいます。また投資を受ける立場であるため、経営方針にも指示を受けることがあります。
基準が上場なので難易度が高いですが、開業資金の融資を受ける方法の一つとして押さえておきましょう
5. クラウドファンディング
クラウドファンディングとはインターネット上で支援を募り、不特定多数の人から資金を調達する手法です。自身が持つ開業のアイデアを発信し、共感する人を集める仕組みです。
クラウドファンディングには、以下の3つの形式があります。
- 寄付型:見返りを求めない
- 投資型:利益が出ればリターンがある
- 購入型:金銭以外の権利や商品が提供される
クラウドファンディングは、手軽に始められること以外にもメリットがあります。それは、テストマーケティングに使えることです。自身の飲食店アイデアに支援者が集まれば、開業後の集客が期待できます。
クラウドファンディングは、新しい形式の融資手法です。失敗してもデメリットは少ないので、積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
開業資金の融資を受けやすくする方法
自己資金の少ない状況では、開業資金の融資は魅力的です。しかし、融資を受けることが難しいケースもあるのではないでしょうか。ここでは、開業資金の融資を受けやすくする方法を紹介します。
- 事業規模を小さくする
- 協調融資を検討する
それでは、解説していきましょう!
1. 事業規模を小さくする
できる限り事業規模を小さくすれば、融資が通る可能性が高まります。例えば、以下のようなアイデアです。
- 居抜き物件を探す
- 工事は相見積もりを取って最安値の業者に依頼する
- 調理器具やテーブルなどの備品は中古かリースにする
融資額が少ないほうが、承認を受けやすいです。どうしても融資を受けられないときは、事業規模を見直しましょう。
2. 協調融資を検討する
協調融資とは、例えば「日本政策金融公庫」と「民間の金融機関」といった2つ以上の機関から協調して融資を受けることです。
金額とリスクを分け合うことになるので、融資が通る確率が上がります。しかし、1つ注意が必要です。2つの内どちらかの機関で融資が不承認となった場合は、もう1つの機関も自動的に不可となります。
それでも協調融資は、効果的な方法です。単独で融資を通すのが難しい場合は、ぜひ検討してみてください。