「飲食店のフランチャイズ契約する時に必要なロイヤリティって何?」
「ロイヤリティが高いところは辞めておいたほうがいい?」
「ロイヤリティにはどんな種類がある?」
本記事では上記の疑問にお答えします。
飲食店のフランチャイズ契約をする場合、ロイヤリティと言われる支払いが毎月必要になります。
ロイヤリティについて理解できないと、どの企業とフランチャイズ契約すればいいのか迷いやすくなるでしょう。
そこでここから、ロイヤリティの特徴や種類、相場などを具体的に解説するので、参考にしてください。
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飲食店のフランチャイズのロイヤリティとは
飲食店のフランチャイズのロイヤリティとは、加盟する店舗の名前やノウハウなどを提供してもらうことに対して支払う費用のことです。
毎月、契約時に決められた金額を支払う必要があります。
ロイヤリティを支払うことで、いろいろなサポートを受けれる点がメリットです。
飲食業が未経験の方でも開業できるのは、経営ノウハウや店舗運営の知識などを提供してもらえるからだと言えます。
完全に受け身の姿勢ではいけませんが、売上を上げるための方法が確立されているので売上を上げやすくなるわけです。
また、経営していく中でわからない点などはサポートを受けられます。
特に、多くの店舗をフランチャイズで展開している企業ほど、色々なケースに応じて対応方法を教えてもらいやすいでしょう。
ロイヤリティを導入することで、本部は大きな時間や労力を使わずに収益をあげられるので、お互いにメリットがあると言えます。
加盟する人が増えれば、より本部の認知度があがって売上を上げやすくなる効果もあるでしょう。
飲食店のフランチャイズのロイヤリティの4つの種類
ロイヤリティは大きく分けると以下の4つの種類に分けられます。
- 売上歩合方式
- 定額方式
- 粗利分配方式
- ロイヤリティフリー
ここから、具体的に解説します。
売上歩合方式
一般的に飲食店のフランチャイズで導入されているのが売上歩合方式です。
売上歩合方式とは、売上に対して一定の割合でロイヤリティが引かれることをいいます。
例えば、月に100万円の売上があり、売上歩合方式が3%の場合、3万円のロイヤリティを支払うわけです。
売上歩合方式の特徴は、月の売上に応じてロイヤリティの金額も変動する点です。
そのため、多くの売上を上げられるようになったときほど、たくさんのロイヤリティを支払うことになります。
したがって、少しでも多く稼ぎたいと考える方の場合、モチベーションを低下させる要因となりやすい点がデメリットです。
企業によっては、売上が上がった場合はロイヤリティの比率を下げる変動性の方式を取り入れているところもあります。
定額方式
定額方式とは、ロイヤリティの金額が一定であることを意味します。
どんなに多く稼いだり、稼げなかったりしても、毎月支払う費用は固定されている点が特徴です。
そのため、売上が低い方の場合、固定費として経営を圧迫させる原因になる恐れがあります。
ただし、たくさんの売上を上げられるようになれば、ロイヤリティの金額を高いとは思わなくなる可能性があります。
いかに早く稼げるようになれるかがポイントになると言えるでしょう。
粗利分配方式
粗利分配方式とは、粗利益に対して一定の割合でロイヤリティが発生することです。
粗利益とは、販売価格から仕入れ価格を引いたものをいいます。
例えば、原価が30円の商品を100円で販売した場合、粗利益は70円です。
ロイヤリティが10%と決められている場合、7円がロイヤリティとなるわけです。
基本的には、コンビニエンスストアで導入されています。
売上歩合方式と同様で、月の売上によってロイヤリティの金額が変動する点が特徴です。
ロイヤリティフリー
ロイヤリティフリーとは、ロイヤリティーが発生しないことを意味します。
ロイヤリティーが0円であるため、お得だと考える方もいるでしょう。
確かに、ロイヤリティを毎月支払わなくてもいい点は魅力的です。
しかし、下記のように違う名目で費用を支払わなければならなくなるケースがあるので、注意が必要です。
- 顧問料
- マーケティング料
- 相談料など
また、加盟する時に高額な加盟料が必要になるケースもあります。
ロイヤリティの金額だけにとらわれず、総合的にいくら必要なのかをチェックするようにしましょう。
飲食店のフランチャイズのロイヤリティの相場
飲食店のロイヤリティの相場は、一般的に売上の3%から10%の売上歩合方式となっているところが多い傾向にあります。
飲食店の場合、一般的に他の業種と比べて比較的安い点が特徴です。
他の業種のロイヤリティの相場は、具体的に下記のとおりです。
- 学習塾:10%から30%
- コンビニエンスストア:30%から60%
- リラクゼーション・マッサージ:3%から10%
出典:HOUSE DO
飲食店で比較的低くロイヤリティが設定されている原因は、人件費や原価率が高い点にあります。
中には、毎月固定で3万円から8万円くらいの定額方式をとっているところもあります。
定額方式のロイヤリティを採用する本部の傾向として、テイクアウト専門店のフランチャイズビジネスを行っているケースが見られます。
飲食店のフランチャイズ契約をする時の2つの注意点【ロイヤリティ】
飲食店のフランチャイズ契約をする場合、ロイヤリティの面でチェックしておきたいポイントは「提供されるサポートと価格が見合っているか」「高すぎたり安すぎたりしないか」の2点です。
ここから、具体的に解説します。
1.提供されるサポートと価格が見合っているか
フランチャイズ契約する場合、ロイヤリティとサポートの内容が見合っているのかをチェックするのがポイントです。
ロイヤリティの中には、名前を利用する権利やノウハウやサポートの提供に対しての費用が含まれています。
与えられる価値に対して、本当にそれだけの金額を毎月払う必要があるのかを検討しましょう。
検討する上では、口コミや実績などを参考にする方法があります。
近年ではSNSやブログ、公式サイトなどからさまざまな情報を入手できます。
実際に売上を上げている方がたくさんいるか、いい口コミが多いか、などを確認しましょう。
比較的ロイヤリティが高くても、高い売上を上げている方が多くいる場合は割安になる可能性があります。
費用の面だけを見るのではなく、総合的に見てどれだけの価値があるのかに目を向けると効果的です。
2.高すぎたり安すぎたりしないか
フランチャイズ契約する場合、ロイヤリティが高すぎたり安すぎたりしないかをチェックしましょう。
特に安すぎる場合、別の名目で費用が発生する可能性があるので注意が必要です。
前述の通り、ロイヤリティが0円など、比較的安くフランチャイズ契約できるケースがあります。
ただし、本部から仕入れる商品や食材などの価格が割高になっているケースがあるので注意が必要です。
ロイヤリティは安いかも知れませんが、トータルで考えると大きな費用が発生している恐れがあるわけです。
高すぎる場合も同様に、費用を払い過ぎる恐れがあります。
しっかりと情報を仕入れて、適正な相場がいくらなのかを把握しておきましょう。
【必見】飲食店はフランチャイズ加盟で儲かる!4つのメリットやロイヤリティ・仕組みを解説飲食店のフランチャイズのロイヤリティの3つの例
飲食店のフランチャイズのロイヤリティは、本部の方針などによって変わってきます。
ここから、ロイヤリティの例を具体的に紹介します。
1、売上歩合方式:大戸屋
売上歩合方式を採用しているのは大戸屋であり、ロイヤリティは5%です。
大戸屋では美味しくて健康的な食事を安く食べられるため、多くの人から支持されています。
もともとは直営店のみで営業していましたが、現在ではフランチャイズ契約することも可能になっています。
大戸屋でフランチャイズ契約する場合の、基本情報は下記のとおりです。
ロイヤリティ | 売上の5% |
システム利用料 | 6万円 |
加盟金 | 400万円 |
加盟保証金 | 120万円 |
設備料 | 170万円 |
設備工事 | 3090万円 |
本部支給品 | リース契約 |
開店費用 | 650万円 |
出典:大戸屋
上記の通り、ロイヤリティ以外にもシステム利用料や販売手数料が発生する点が特徴です。
ロイヤリティに加えて、システム利用料が毎月発生する点には注意しましょう。
2、定額方式:ほっともっと
ロイヤリティの定額方式を採用しているのは「ほっともっと」で、毎月8万円となっています。
ほっともっとはお弁当のテイクアウト事業で日本一を誇っており、高い知名度や信頼度を持つ点が特徴です。
ほっともっとのフランチャイズに加盟する場合の基本情報は下記のとおりです。
ロイリヤリティ | 8万円 |
施設料 | 家賃・機器使用料(店舗による) |
経理サポートシステム | 帳簿整理などを有料で受けられる |
加盟金 | 100万円 |
研修費 | 20万円 |
保証金 | 100万円 |
仕入れ代金 | 約70万円 |
出典:プレナス
ほっともっとの場合、ユニットFC制度と言われる独自の制度を設けているのが特徴です。
売上実績のある直営店を引き継いで開業できるため、売上の見込みが立った状態からスタートできるわけです。
スタッフや設備なども揃っているので、初めて飲食店経営に乗り出したいと考える方にとって、リスクが低いと言えるでしょう。
ほっともっとでは、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)といわれる立場の人がサポート業務を担ってくれます。
3、ロイヤリティフリー:ふわこっぺ
ロイヤリティフリーのフランチャイズ契約を採用しているのはふわこっぺです。
ふわこっぺのパンはふんわりとした柔らかさが最大の特徴で、パサパサしたパンとは一線を画します。
30種類以上のメニューがあり、惣菜系からスイーツ系まで幅広い品揃えです。
単価が200円前後で、専門店で買うパンと比べても比較的安く購入できることから人気を集めています。
ふわこっぺでフランチャイズ契約する場合の基本情報は下記のとおりです。
ロイヤリティ | 0円 |
加盟金 | 88万円 |
研修費 | 22万円 |
保証金 | 20万円 |
契約期間 | 1年 |
機材代 | リース契約可能 |
物件取得費用 | 物件による |
初期費用総額 | 約300万円 |
出典:アントレ https://entrenet.jp/dplan/0002835/
上記の通り、ふわこっぺではロイヤリティだけでなく加盟金や保証金なども比較的安い点が特徴です。
ただし、ロイヤリティが低い分、パン生地の仕入れ代金などで高い費用がかかる恐れがあると言えます。
そのため、毎月の費用の内訳をしっかりと確認しておきましょう。
テイクアウト専門店のため、4坪と比較的小さなスペースからでも開業できるのは魅力の1つです。
飲食店のフランチャイズのロイヤリティは値段だけで判断しないようにしよう
ここまで、ロイヤリティの特徴や相場、種類などについて解説してきました。
ロイヤリティが安すぎる場合、他の部分で割高になっている恐れがありますから、契約内容をよく確認するのがポイントです。
また、一見ロイヤリティが高いと感じても実績を上げている事例が多数ある場合、割高だとは言い切れません。
サポートやノウハウなどの提供を通して店の売上を上げられれば、結果的に大きな収入を得ることが可能になるからです。
本記事を参考に、飲食店のフランチャイズのロイヤリティについて理解していただければ幸いです。