「居酒屋ってどうやって開業したらいいの?」
「居酒屋を開業する際に、必要な手続き・資格を知りたい!」
「居酒屋の経営って難しそう…成功の秘訣はある?」
このようなお悩みを抱えていませんか?
自分の店を持ちたいと思い、居酒屋の開業を検討している方がいるのではないでしょうか。
ところが居酒屋は競合の店舗も多く、どのように開業すれば人気の出る店舗になるのかイメージが沸きづらいよね。
そこでこの記事では、居酒屋の開業を考えている方に向けて
- 開業の手順
- 必要な手続き・資格
- よくある失敗例
などを解説します。
居酒屋経営を成功させるためのコツも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 開業に失敗しないためのサポート
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居酒屋を開業する7ステップ
居酒屋を開業するには、以下7つのステップを踏みましょう。
- コンセプトを固める
- 物件を探す
- 資金を調達する
- 必要な資格を取得する
- 店舗の改修工事に入る
- メニューを決める
- 保健所や警察署に申請する
それぞれの手順について、詳しく解説します。
ステップ1.コンセプトを固める
お店を開業する際には、まずコンセプトを固めましょう。
コンセプトを固めることで、どのような居酒屋を開業するのかが決まります。
例えば、20~30代の女性をターゲットにするなら
- ヘルシーな料理
- インスタ映えしそうなカクテル
- おしゃれでモダンな内装
などが受けが良いと予想できます。
なお、コンセプトを固める際には「5W2H」で考えてみてください。
<コンセプト決定における5W2H>
- When(いつ):営業時間
- Where(どこで):店舗の場所
- Who(誰に):ターゲット
- What(何を):提供するメニュー・サービス
- Why(なぜ):居酒屋を開業する理由
- How(どのように):宣伝方法
- How much(いくらで):メニュー・サービスの価格
コンセプトは、居酒屋経営を行っていく上での戦略です。
この後のフェーズにも影響しますので、慎重に考えましょう。
ステップ2.物件を探す
続いて、居酒屋を開業する物件を探します。主に、仲介サイトや不動産業者を利用しましょう。
物件探しのコツは、コンセプトを固めた際のターゲットや立地を考慮しながら決めることです。
例えば、会社帰りのサラリーマンがターゲットの場合は、オフィス街の周辺や駅から近い物件をおすすめします。
反対に、車でしか行けないような場所は、あまり集客は期待できないでしょう。
また、物件を探す際は、店舗の周辺をリサーチしてみてください。
人気店やライバル店、客層が分かるため、開業した際に収益が見込めるのかが判断できます。
例えば、20代前半の若者をターゲットとしているのに、30代のお客様が多い場合は、コンセプトと客層が合っていません。
このように周辺の環境を考慮して、コンセプトの見直しを検討しましょう。
ステップ3.資金を調達する
物件の目星が付いたら、居酒屋の開業に必要な資金を調達しましょう。
開業費用の目安は、約989万円です。
自己資金でまかなうのは難しい方が多いと思いますので、融資を利用したり、知人から借りたりします。
なお、開業資金を調達する方法で最も多いのが「金融機関などからの借り入れ」です。
2020年の日本政策金融公庫の調査によると、全体の69.1%が金融機関からの融資で開業資金をまかなっています。
ただし、事業実績がないと銀行からの融資は受けにくいです。
そのため、初めて居酒屋を開業する際は、日本政策金融公庫の利用を検討しましょう。
日本政策金融公庫とは?
小規模事業者などに資金の貸付を行っている団体です。多額の開業資金を「保証人なし」でかつ「無担保」で融資が受けられます。
開業資金を用意する手段は、関連記事「【これで解決】飲食店は開業資金ゼロでも始められる?必要な資金と融資を受ける方法を紹介!」にてより詳しく解説しています。融資を受けやすくする方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ4.必要な資格を取得する
居酒屋を開業する際には、資格が必要です。
必ず取得しなければならないのが「食品衛生責任者」です。
食品衛生法によって取得が義務付けられている資格で、飲食店を開業する際に求められます。
食品衛生責任者の資格を取得するには、営業予定エリアの食品衛生協会による講習を受けましょう。
地域によって費用は異なりますが、1万円程度の費用を支払えば受講できます。
居酒屋の開業に必要なその他の資格は、本記事中の「居酒屋の開業に必要な手続き・資格7選」で紹介しています。
ステップ5.店舗の改修工事に入る
続いて、契約した物件の改修工事に入ります。
自力で行うと満足のいく仕上がりにならない可能性があるため、施工業者へ依頼するのがおすすめです。
ネットで調べたり、知人から紹介してもらったりして、業者を探しましょう。
なお信頼できる施工業者を探すには、得意分野や設計・施工事例などを確認します。
飲食店の改修工事・デザインを多く手掛けている業者であれば、比較的安心して依頼できます。
なお、改修工事では、
- 内装
- 外観
- 調理施設の性能
などを明確にしなければなりません。
コンセプトに合っているか確認し、施工業者と打ち合わせを重ねましょう。
ステップ6.メニューを決める
店舗の改修工事と並行して、実際にお店で出すメニューを決めましょう。
居酒屋はアルコールやソフトドリンクなどの飲料の利益が大きい傾向にあります。
そのため「どんなお酒をどれくらいの価格で仕入れるのか」「提供するお酒に合う料理は何なのか」などを考えましょう。
さらに、自店ならではの看板メニューを考えてみてください。
どこにでもあるお酒・料理しか置いていない居酒屋だと、お客様が来店する意味を感じなくなるためです。
コンセプトに合っていて、お店の独自性をアピールできるものがおすすめです。
例えば、焼き鳥チェーン店の「鳥貴族」では「もも貴族焼・むね貴族焼」が名物です。
一般的な焼き鳥のおよそ3倍のボリュームがあり「298円(税抜)均一の感動」をコンセプトに合った、安いのに大きくて美味しいメニューを提供しています。
参考:株式会社鳥貴族ホールディングス「企業理念」
おおよそのメニューが決まれば、仕入れ先を考えておきましょう。
主に、スーパーを活用したり、卸売業者を利用したりする方法があります。
ステップ7.保健所や警察署に申請する
続いて、保健所や警察署に営業の申請を行います。
保健所では「食品営業許可申請」が必要です。保健所の検査をクリアすることで、居酒屋を開業できます。
なお、保健所には、改修工事を行う前に図面を持参して相談することをおすすめします。
検査をクリアするためのアドバイスがもらえ、営業許可が下りないトラブルを避けられるでしょう。
さらに、深夜0時以降も酒類を提供するのであれば「深夜酒類提供飲食店営業許可」の申請が必要です。
提出先は、開業する居酒屋の周辺地域を管轄する警察署です。
申請時には、
- 店舗の図面
- 事業者の住民票
- 保健所の営業許可書
が必要になるので、忘れないように注意しましょう。
居酒屋の開業に必要な手続き・資格7選
居酒屋を開業する際には、許可を取ったり、資格を取得しなければなりません。
開業時に知っておきたい手続きは、以下の7つです。
- 食品衛生責任者
- 飲食店営業許可
- 防火管理者
- 労災保険・雇用保険
- 菓子製造許可
- 酒類販売業免許
- 開業届
それぞれの手続き・資格には、法律も絡んできます。なぜ必要なのか、理由も併せて解説しましょう。
1.食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品衛生法によって取得を義務付けられている資格です。
食品衛生法とは、飲食における健康被害を防止するための法律で、厚生労働省が定めています。
居酒屋を開業する際には、必ず取得しなければなりません。
また、各都道府県の条例によって「飲食店には食品衛生責任者を1名以上設置しなくてはならない」と定められています。
食品衛生責任者がいない居酒屋は、営業許可の取り消しや営業停止などの処罰が下されることがあります。
食品衛生責任者の資格を取得するには、営業する予定の地域で食品衛生協会による講習を受けましょう。
2.飲食店営業許可
飲食店営業許可は、居酒屋を開業するためには必須の手続きです。
保健所に申請し、検査をクリアすることで、取得できます。
飲食店営業許可を取得するためには、以下2つの条件があります。
- 食品衛生責任者の資格を持っている
- 保健所の検査をクリアし、営業許可書を持っている
注意したいのが、保健所の審査基準が自治体によって異なることです。
そのため、改修工事を行う前に、基準を確認したり、保健所に相談したりしましょう。
3.防火管理者
防火管理者は、消防法によって義務付けられているものです。
消防法とは、火災を予防したり、被害を最小限に抑えたりすることを目的とした法律であり、総務省が定めています。
居酒屋などの飲食店は、調理の過程で火事が起きるリスクが比較的高いです。
そのため、予防方法や実際に火災が起こった際の対応について理解しなければなりません。
なお、防火管理者を申請する条件は、建物によって決まっています。
具体的には、以下の通りです。
- 飲食店や物品販売店舗など不特定多数の人が出入りする用途(特定用途)がある建物で収容人員が30人以上
- 共同住宅、倉庫、事務所などの用途(非特定用途)の建物で収容人員が50人以上
定員が30人以上の居酒屋では、申請が必要です。
該当する場合は、開業予定の物件周辺を管轄する消防署か消防出張所に提出しましょう。
参考:東京消防庁「防火管理者の選任及び防火防災管理業務の実施について」
4.労災保険・雇用保険
労災保険・雇用保険は、従業員を雇用する際に必要となります。
労災保険とは?
雇用されている立場の人が仕事中や通勤途中にケガ・病気・障害、あるいは死亡した場合に保険給付を行う制度です。
労働者災害補償保険法で定められています。
従業員が正社員ではなくアルバイトであっても届け出が必要です。
雇用保険とは?
雇用保険法において定められている決まりごとです。
失業等給付や育児休業給付をサポートしたり、失業の予防などの労働者の福祉を増進したりすることを目的としています。
従業員を1人でも雇用している場合には、雇用保険への加入が必要です。
労働保険・雇用保険に加入するには、労働基準監督署かハローワークで手続きを行いましょう。
参考:厚生労働省「労働保険について」
参考:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」
5.菓子製造許可
飲食店営業許可は、食品衛生法で定められている資格です。
パンやケーキなどのスイーツを製造し、店舗で販売する際に必要です。
ただし、店舗形態によっては取得が必要にならない場合があります。
店舗形態 | 必要な許可 |
スイーツの持ち帰りのみ | 菓子製造許可 |
スイーツの持ち帰り・イートイン | 菓子製造許可+飲食店営業許可 |
スイーツのイートインのみ | 飲食店営業許可 |
つまり、スイーツをメニューに入れていても、テイクアウトしなければ飲食店営業許可のみで開業できるということです。
飲食店営業許可を取得するには、各自治体の保健所へ申請の手続きを行いましょう。
6.酒類販売業免許
酒類販売業免許は、酒税法によって取得が義務付けられています。
お酒を扱う居酒屋では、必ず取得しなければなりません。
酒類販売業免許を取得するには、居酒屋の所在地の税務署で手続きを行います。
なお、深夜12時以降も営業する場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届」を提出しなければなりません。
提出先は警察署になるので、間違えないよう注意しましょう。
7.開業届
居酒屋を開業する際は、所得税法に従い個人事業主の開業届を提出しましょう。
所得税法とは、納税義務者や課税所得の範囲、税額の計算の方法などの決まりを定めた法律です。
個人事業主になると確定申告を行う義務があり、開業届はその際に必要です。
手続きする際には、青色申告承認申請書を同時に提出することをおすすめします。
確定申告で青色申告ができ、以下のメリットを感じられます。
- 最大65万円の控除が受けられる
- 配偶者や家族従業員の給与を経費として落とせる
- 赤字で決算した場合最大3年間繰り越すことができる
- 30万円未満の資産を一括償却できる
簡単にまとめると、高い節税効果が得られるなど、事業を行う上で有利になる制度を使えるということです。
開業届は、開業予定の地域を管轄する税務署へ提出します。
窓口に持参するだけでなく、郵送やe-Taxを利用して電子申告する方法もあります。
居酒屋の開業でよくある失敗例3選
居酒屋を開業したものの、経営が上手くいかず廃業してしまうケースは少なくありません。
こちらでは、よくある3つの失敗例を紹介します。
- 独りよがりの経営をしている
- 事業計画があいまい
- 集客に力を入れていない
「居酒屋経営で失敗したくない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.独りよがりの経営をしている
居酒屋経営のよくある失敗として、独りよがりの経営をしていることです。
例えば、
- お客様のニーズを把握していない
- 他人の意見を聞かない
- 自分の理想ばかりを追い求める
などが挙げられます。
特に注意したい失敗例は、お客様のニーズを把握できていないことです。
ターゲットや客層に合った店舗作りができなければ、お客様はどんどん離れていくでしょう。
2.事業計画があいまい
事業計画があいまいだと、居酒屋の経営は上手くいきません。
事業を軌道に乗せるには、綿密な計画が必要だからです。
例えば、居酒屋を開業するには、1,000万円近くの莫大な費用がかかります。
さらに家賃や人件費など、月々のランニングコストも決して安くはありません。
そのため開業資金を回収しつつ、ランニングコストをカバーできるほどの利益を出さなければ、事業の継続は難しいでしょう。
初期費用を何年で回収するのか、ランニングコストを超える利益を出し続けるには何を売ればいいのかなど、開業前にしっかりと検討してみてください。
3.集客に力を入れていない
集客に力を入れなければ、居酒屋経営は上手くいきません。
経営は「美味しい料理を提供し続けていれば、勝手にファンが増えて繁盛するようになる」などの甘いものではないためです。
特に開業したばかりの居酒屋は、知名度がほぼないといっても過言ではありません。
そのため、お客様に認知されるよう、集客に力をいれる必要があります。
開業した後が大切!居酒屋経営を成功させる5つの秘訣
ただ単に居酒屋を開業しても、経営は上手くいきません。
事業を軌道に乗せるには、戦略を練りましょう。
こちらでは、居酒屋経営を成功させる6つの秘訣を紹介します。
- 入念な事業計画を立てる
- 経営のノウハウを身につける
- お客様のニーズを汲み取る
- SNSや口コミサイトで宣伝を行う
- フードデリバリーサービスを始める
順番に解説します。
1.入念な事業計画を立てる
居酒屋経営では、入念な事業計画が必須です。
計画の内容が抽象的であったり実現性に欠けたりするものであれば事業の成功は望めません。
また、事業計画書は開業のための融資を受けるために必須の資料です。
内容があいまいだったり不十分だったりすると、融資が受けられないことがあります。
事業計画は飲食店を開業するうえで土台となる重要なものであるため、時間をかけて考えましょう。
2.経営のノウハウを身につける
飲食店を経営していくためには、ノウハウが必要です。
何も知識がない状態では、事業を軌道に乗せるのは難しいでしょう。
経営のノウハウを身につける方法は、主に以下の通りです。
- 書籍を読む
- ネットで探す
- 先輩経営者と話をする
- 実際に居酒屋で働く
特におすすめしたいのが、アルバイトなどで居酒屋で働いてみることです。
接客や調理に携わることで、経営のヒントを掴めるかもしれません。
3.お客様のニーズを汲み取る
居酒屋の経営を成功させるには、お客様のニーズを汲み取りましょう。
お客様が求めることを明確にし、実践することで集客に繋がります。
ニーズを汲み取る際には、口コミ・レビューに耳を傾けるのがおすすめです。
例えば「料理の提供が遅い」とレビューに書いてあれば、お客様は提供時間を早くすることを求めていることが分かります。
ニーズを汲み取り、お客様が求めている店舗作りを目指しましょう。
4.SNSや口コミサイトで宣伝を行う
SNSや口コミサイトを活用して、お店の宣伝を行いましょう。
様々なユーザーの目に触れることで、知名度を上げることが目的です。
特にSNSは、無料で宣伝できる集客方法です。
TwitterやInstagramは写真を投稿できるため、飲食店の宣伝に相性の良いサービスといえます。
飲食店におけるSNSの活用方法は「飲食店がSNSで売上・集客につなげる8つのコツ!成功事例や注意点も紹介」にて解説していますので、参考にしてみてください。
5.フードデリバリーサービスを始める
居酒屋経営を成功させるには、フードデリバリーサービスを導入するのも良いでしょう。
導入することで、昼間などの営業時間外の収入が見込めます。
弁当などのランチに適したメニューを提供することで、夜以外にも利益を上げられます。
また、ランチ営業するよりもコストを抑えられるのもメリットです。
代表的なデリバリーサービスは、以下の通りです。
- Uber Eats
- 出前館
- menu
サービスによって、手数料が異なったり、対象地域が限られていたりします。
そのため、導入する際には、何社か比較して選定しましょう。
なお、デリバリーサービスを利用する際には、専門業者に依頼するのがおすすめです。
「Udemae(ウデマエ)」というサービスなら、デリバリー導入からコンサルティングまでワンストップで任せられます。
プロに任せることで手間と時間をかけることなく効果的な施策を行うことが可能ですので、ぜひ検討してみてください。