「移動販売って、フランチャイズでやる方がお得なの?」
「フランチャイズのメリット・デメリットは?」
「加盟するときにお金はいくらかかるの?」
移動販売で開業を考え始めたときに、気になるのがフランチャイズの存在。大きなデメリットがあるのでは?という不安で、あと一歩を踏み出せない人も多いかもしれません。
そこで本記事では、フランチャイズを利用した移動販売業の開業について、以下の内容を徹底解説します。
- 移動販売のフランチャイズで人気のメニュー
- フランチャイズに加盟するメリット・デメリット
- 加盟するとかかる費用
- フランチャイズ本部の選び方
- 加盟・出店の流れ
この記事を読めば、ご自身が独立開業とフランチャイズのどちらに向いているかがわかります。移動販売で成功するためにも、ぜひ参考にしてください。
- 半年間の契約で月額20万円
- 開業に失敗しないためのサポート
- 最短納期なら1ヶ月半後にスタート
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移動販売(キッチンカー)のフランチャイズで人気の種類やメニュー
移動販売(キッチンカー)のフランチャイズで取り扱っている商品・メニューとしては、以下の9種類が人気です。
業態 | メニュー・品目 | 特徴 |
---|---|---|
ドリンク ・軽食系 |
・カフェ ・ドリンク(詳細) |
・原価が安い ・飲み物はどんな場所でもニーズがある |
クレープ | ・販売機会が多い ・子どもから大人まで幅広い層に人気 |
|
パン(詳細) | ・主食なので需要がある ・様々なメニューを取り揃え可能 |
|
ピザ | ・集客力が強い ・コストを調整しやすい |
|
たこ焼き | ・時間や季節を問わず売れる ・原価が安い |
|
食事系 | 牛タン(詳細) | ・高級感がある ・食材のロスが少ない |
からあげ | ・原価が安い ・短時間でも売れる |
|
焼き鳥 | ・イベントに強い | |
その他 | 移動スーパー(詳細) | ・買い物が困難な地方や世代に需要あり |
各メニューを移動販売で売るときの特徴や必要なものは、それぞれ詳細の記事でさらに詳しく説明しています。
また、以下の記事では移動販売(キッチンカー)で人気の10品目についても徹底解説。ぜひ、あわせてご覧ください。
>>移動販売の人気ランキング!メニューを決める3つのポイントも解説
移動販売(キッチンカー)のフランチャイズに加盟する4つのメリット
移動販売をフランチャイズで始めることには、4つのメリットがあります。独立開業と比較した場合の利点は、以下の通り。
- 集客・広告宣伝をしてもらえる
- ノウハウを教えてもらえる
- 仕入れルートの開拓やメニュー開発が不要
- 仕込み場所を探す必要がない
結論からお伝えすると、開業に少しでも不安がある方や、メニュー開発・集客を効率化したい方には、独立開業よりもフランチャイズがおすすめです。
その理由を、以下で1つずつ説明していきます。ご自身がどちらに向いているか、参考にしながら読んでみてください。
1. 集客・広告宣伝をしてもらえる
フランチャイズに加盟するとお店の名前(看板)を借りられるので、最初から知名度がある状態で始められるのがメリット。自分でブランディングする必要がありません。
さらに、本部のホームページや広告に店舗一覧として掲載してもらえることも。開業時は固定客がいないので、集客・宣伝を本部にしてもらえるのは大きな利点です。
2. ノウハウを教えてもらえる
フランチャイズでは、さまざまなノウハウを教えてもらえるのがメリットです。たとえば、以下のようなサポートを提供しているフランチャイズが多いです。
- 営業のしかた
- 調理方法
- 開業までの申請
- 事業計画書の作成
- 開業後の会計
1人で開業するのとは違い、上記のような点を経験豊富な経営者にサポートしてもらえるのがポイント。
どうやって開業すればよいのかという悩みや、開業後の心配もある方は、フランチャイズへ加盟するのがおすすめです。
3. 仕入れルートの開拓やメニュー開発が不要
フランチャイズには、すでに完成されたレシピがあり、それを共有してもらえるのも特徴です。
通常、メニュー開発には市場調査が必要です。さらに、原価率をおさえながら質の高い味を追求するには、何度も試作を行うもの。
その工程を省いて、企業秘密とも言えるレシピを教えてもらえるのはフランチャイズならではです。
また、食材を本部経由で購入できるフランチャイズもあります。自分で仕入れルートを探さなくて良いのは、開業直後の方にとって助かるポイントです。
4. 仕込み場所を探す必要がない
通常、調理を伴う移動販売では、キッチンカーとは別に仕込み場所が必要となります。食品衛生法により、車内では簡単な加熱や盛り付けしか認められないためです。
しかし、仕込み用の場所を別途契約する場合、家賃の支払いが増える上、営業許可の取得も別途必要になります。
そんな中、フランチャイズの中には本部の店舗やキッチンを、仕込み場所として利用可能なケースもあります。
また、そもそも食材の仕込みがいらない場合も少なくありません。たとえば焼き鳥であれば、串打ちした状態で提供してもらえるフランチャイズもあります。
仕込みが終わっている食材を焼くだけなら、キッチンカーの車内で調理することも保健所から認められています。そのため、仕込み場所を用意しなくても営業許可を取得できるのがメリットです。
なお、仕込み場所の必要性や求められる条件などは「仕込み場所がいらない移動販売の方法3選を解説」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
移動販売(キッチンカー)のフランチャイズに加盟する3つのデメリットや注意点
ここまでメリットをお伝えしてきましたが、フランチャイズ加盟にはデメリットも3つあります。
- 個性を出すのが難しい
- 加盟金やロイヤリティがかかる
- 紹介される出店場所には当たりはずれがある
それぞれ説明していきます。
1. 個性を出すのが難しい
レシピを共有してもらえるというメリットは、見方によっては、メニューで個性を出せないというデメリットになります。
また、キッチンカーの外観でどこのお店かがわかるように、車体のカラーリングやデザインも指定されているフランチャイズが多いです。
そのため、完全に自分のオリジナルで勝負したい方には、物足りないかもしれません。
とは言え、車体のデザインを考えるのが苦手だったり、その時間を他の作業に使いたいと思ったりする方には、車体の指定さえもメリットになる可能性があります。
2. 加盟金やロイヤリティがかかる
加盟金やロイヤリティの金額は、フランチャイズ本部によって異なります。最近では、無料のフランチャイズも珍しくはありません。
そのため、一概にデメリットとは言えませんが、フランチャイズを利用しない場合よりも初期費用が多めにかかる場合もあります。初期費用がかかる理由は以下の3点。
- 加盟金がかかる
- キッチンカー購入代金にサポート手数料が含まれている
- 営業許可申請のサポート費用が含まれている
サポート費用は必ず入っているわけではなく、「入っている場合もある」という認識にとどめておきましょう。
許可申請やキッチンカー購入を自分で全て行えば、もちろんお金はかかりません。しかし、その手間とコストを比較したときに、時間の方が大事という方が多いのも事実です。
ですので、お金をかけることで労力を減らせるのは、人によってメリット・デメリットの両方になり得ます。
なお、加盟金やロイヤリティの目安の金額については、本記事内の「フランチャイズ加盟にかかる3つの費用」で紹介しますので、参考にしてください。
3. 紹介される出店場所には当たりはずれがある
フランチャイズでは出店場所を紹介してもらえることもありますが、紹介された場所ではなかなか売上が上がらないというケースも、ゼロではないでしょう。
また、既存の加盟店に良い場所をおさえられている場合もあります。
紹介される場所はたとえば、大型ショッピングモールやスーパーなど。ですが、これらの場所が必ずしも悪いわけではありません。
出店場所はもちろん重要な要素ですが、それだけで稼ぎが決まるのではなく、接客やオペレーションのスムーズさなど、全てが大切です。また、本部からの紹介を待つだけではなく、自分で場所を探す努力や交渉力を、少しずつ身につけていくと良いでしょう。
移動販売(キッチンカー)のフランチャイズ加盟にかかる3つの費用
移動販売のフランチャイズに加盟するとかかる費用は、以下の3つです。
- 加盟金
- ロイヤリティ
- 移動販売車(キッチンカー)代
順番に見ていきましょう。
1. 加盟金は「0円~約100万円」
加盟金は、フランチャイズ本部と契約を結ぶときに、1度だけかかる費用です。目安は約100万円ですが、最近では加盟金0円のフランチャイズもあります。
以下は、代表的なフランチャイズの加盟金の例です。
フランチャイズ | 業種・品目 | 加盟金 |
---|---|---|
まがりDEバナナ | ドリンク | 30万円(税別) |
とくし丸 | 移動スーパー | 0円 |
なお、加盟金には「研修費用・調理器具・販促用品」等の費用を含むところと、別料金のフランチャイズがあります。加盟を検討する際には、事前に確認してみてください。
2. ロイヤリティは「売上の0~10%前後」
ロイヤリティは、加盟後の売上に応じて月々支払う費用です。支払い方法は、以下の3パターンがあります。
- 売上に対する一定の割合
- 定額制
- 無料
ロイヤリティとして一般的なのは、売上の数%など売上から一定の割合を納める方式ですが、最近はロイヤリティ0円のフランチャイズも多くなっています。
以下、代表的なフランチャイズ3社のロイヤリティです。
フランチャイズ | 業種・品目 | ロイヤリティ |
---|---|---|
まがりDEバナナ | ドリンク | 1万円/月(ブランド利用料・1年契約) |
とくし丸 | 移動スーパー | 0円 |
ロイヤリティの目安としては、売上の10%前後となります。
3. 移動販売車(キッチンカー)代は「約150万~300万円」
移動販売車は必ずしもフランチャイズ本部から購入しなければならないわけではなく、加盟するオーナー自身で用意するケースもあります。
フランチャイズ本部で車両の契約をする場合は、購入するか、リースで使用するかのどちらかが一般的です。
ただし、リースは全てのフランチャイズが行っているわけではないため、一括で購入するケースが多いでしょう。以下、代表的なフランチャイズの車両購入費用を紹介します。
FC | 業種・品目 | 移動販売車の購入費 |
---|---|---|
とくし丸 | 移動スーパー | 車両購入費:330~350万円 |
サニーズ | クレープ | 中古購入費:150万円~ ※加盟するオーナーが業者から直接購入 |
以上が、フランチャイズ加盟でかかる3つの費用です。キッチンカーの購入費用を除けば、加盟金の約100万円が目安となります。
移動販売車については、必要な広さや設備によるので一概には言えませんが、中古であれば100万円前後から購入可能です。
移動販売のフランチャイズ本部の3つの選び方
ここからは、フランチャイズへの加盟を検討する際に「どのような本部を選べばよいのか」という視点でお届けします。
ここまでお伝えしてきたメリット・デメリットなどをふまえると、本部を選ぶときのポイントは以下3つ。
- 人気のあるジャンルやメニューを選ぶ
- 目的に合ったフランチャイズ本部を選ぶ
- 自由度の高さで選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
1. 人気のあるジャンルやメニューを選ぶ
はじめに、数あるフランチャイズの中から、ジャンルやメニューを絞りましょう。マイナーすぎると売れにくいため、人気のあるものを選ぶのが無難です。
たとえば、本記事の冒頭で紹介したようなクレープやカフェは、比較的安定した需要があります。また、営業したい地域や場所に合わせて、売れそうなものを選ぶのも良い方法です。
実際に街中を見渡してみて、どのようなキッチンカーに人が集まっているか、観察してみるのがおすすめです。
2. 目的に合うフランチャイズ本部を選ぶ
フランチャイズには様々なメリットがありますが、サポート内容は各フランチャイズで異なります。すべてのフランチャイズが出店場所の紹介や、キッチンカーの用意をしてくれるわけではありません。
そのため、ご自身が「何のためにフランチャイズに加盟したいのか」という目的を明確にし、そのサポートを提供している本部を選ぶことが大切です。
目的は人によって色々あるでしょう。たとえば、以下のような狙いが挙げられます。
- メニュー開発や仕入れの手間を省きたい
- 知名度を借りたい
- 開業や経営のサポートをしてほしい
- しっかりした研修を受けたい
目的を意識して、その条件を満たす本部を選びましょう。
3. 自由度の高さで選ぶ
オリジナリティを優先したい方は、自由度の高さで選ぶことも1つの方法です。たとえば、以下のような点を確認してみてください。
- 契約期間
- 独自メニューの可否
- 調理器具の種類
- 車両のデザインの指定
個性を出したいなら、指定が少ないフランチャイズを選ぶと良いでしょう。
また、契約期間はフランチャイズごとに異なります。あまり長い期間ではなく、合わなかった場合には数か月で辞められるようになっていると、双方にとって負担を少なく進められそうです。
【8つのステップ】移動販売(キッチンカー)のフランチャイズ加盟・出店の流れ
この章では、フランチャイズに加盟・出店するときの流れをお伝えしていきます。次の8つのステップで進めていきましょう。
- フランチャイズ本部へ問い合わせ
- 面談・打ち合わせ
- 移動販売車の試乗・販売同行
- 契約締結
- 移動販売車(キッチンカー)の発注
- 資格・許可の取得
- 研修
- 出店
なお、移動販売の始め方については「移動販売の開業方法!必要な資金や資格・成功のコツも解説」の記事で、詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
1. フランチャイズ本部へ問い合わせ
加盟したいフランチャイズ本部が決まったら、まずは問い合わせをしましょう。
ホームページの問い合わせフォーム、または電話にて受け付けている会社が多いです。問い合わせ時は、自分の営業予定のエリアが、フランチャイズの対応エリアかどうかを確認します。
また、すでに飲食店経営や移動販売を始めている場合は、その旨も最初に伝えておくと、話がスムーズに進むでしょう。
2. 面談・打ち合わせ
次に本部の担当者と面談を行います。
フランチャイズのシステムやルールについて説明を受け、不明点があればこのときに質問しておきましょう。
打ち合わせ方法は、Zoomや電話になることが多いですが、事前に確認しておくのがベストです。
3. 移動販売車の試乗・販売同行
面談後、企業によっては移動販売車の試乗や、販売同行をできる場合があります。
たとえば移動スーパーの「とくし丸」では、どちらも可能です。
4. 契約締結
詳細の内容を確認できたら、本部とフランチャイズの契約を結びましょう。クラウド上で契約書を取り交わすことも多いです。
また、このときに出店予定日を確定させることもあります。事前にスケジュールを組んでおきましょう。
5. 移動販売車(キッチンカー)の発注
契約締結が完了したら、キッチンカーを準備しましょう。
本部経由で購入する場合は、この段階で発注をします。 納車までは2か月程度が目安です。車種などを早めに決めておきましょう。
自分で用意する場合も、車両の購入や改造の手配を進めていきます。
その際、保健所の許可基準をクリアするように、気をつけてください。不安な場合は、キッチンカーの専門業者などプロに任せるのが安心です。
6. 資格・許可の取得
キッチンカーを準備できたら、資格や許可を取りましょう。扱う商品やメニューに合わせて、必要な許可を取得してください。
移動販売で必要となる許可等は、主に以下の2つ。
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可または届出
食料品を扱う場合は、食品衛生責任者は必須となります。また、調理や盛り付けを伴う場合は保健所の営業許可、販売のみであれば届出が必要です。
詳しくは「移動販売(キッチンカー)の営業許可の取り方」の記事で解説しています。ご自身の営業スタイルにはどの許可が必要か、チェックしてみてください。
7. 研修
出店する前に、フランチャイズ本部で行われる研修を受けます。研修内容は、調理方法やレジ・会計の方法などです。
フランチャイズによっては数時間で終わる場合もあれば、長いものでは1か月以上の研修もあります。どのくらいの期間がかかるのか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
8. 出店
キッチンカーや備品の準備ができて、研修も終わったら、いよいよ出店です。
フランチャイズの知名度を借りて、スタートダッシュを切れるのが強み。お客様へどんどん商品を提供していきましょう!