「キッチンカーの相場が知りたい」
「自分に合った方法や車種を選びたい」
「開業にかかる費用を知りたい」
移動販売業での開業を検討しているけど、キッチンカーの値段がわからなくて困っているという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- キッチンカーの値段・料金
- 車種別の値段
- その他にかかる費用
を解説します。
補助金や助成金も紹介するので、キッチンカーでの開業に必要な予算の参考になるはずです。ぜひ最後まで読んでみてください!(内容は2021年当時のものになりますので予めご了承ください)
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【パターン別】キッチンカー(移動販売車)の値段・料金
こちらでは、キッチンカーの値段や料金を以下の5パターンに分けて解説します。
- 中古のキッチンカーを購入する
- 自作する
- 業者に製作を依頼する
- リースを利用する
- レンタルを利用する
順番に見ていきましょう。
1. 中古のキッチンカーを購入する
中古のキッチンカーを購入する場合、車種や車両の状態によって値段が異なります。軽トラックなら100~200万円、1tトラックなら200~300万円が相場です。車種が大きくなるほど、価格は高くなるのが一般的です。
中古のキッチンカー購入は、総合的な車両費が最も安く抑えられる方法だといえます。もともとキッチンカーとして営業していたので、改装や整備の費用がかからないケースが多いためです。
また中古車は新車よりも納車が早いので、開業までの準備期間を短縮できるのもメリットです。
一方、キッチンカーに限らず、中古車は買ってみないと車両の状態がわからないのがデメリットです。車両費が安く抑えられる反面、メンテナンスや修理で費用がかかる可能性もあります。
2. 自作する
自作する場合、予算は100万円ほどです。ただし、設備や使用する素材によって金額が前後します。また、工具の費用も必要です。
キッチンカーを自作する最大のメリットは、費用を抑えられることです。製作で浮いた予算を、メニュー開発や広告に回すこともできます。
その反面、手間と時間がかかるのがデメリットです。完成までに数ヶ月かかるケースも珍しくありません。さらに安全性の不安から、保健所の営業許可が下りにくい可能性もあります。
3. 業者に製作を依頼する
業者に製作を依頼する場合、250万円が予算の目安です。車種やオーダー内容によって金額が異なります。その他にも、オプションサービスで外装の塗装やポスター作成を用意している業者がほとんどです。
業者に製作を依頼するメリットは、安全性の保証です。車のプロが製作をするので安心でき、自作と比較して保健所の営業許可も取得しやすくなります。
初期費用が高額になるデメリットもあります。しかし長期的に考えると、故障リスクの低さから修理費などが少なくすむ可能性も考えられます。
4. リースを利用する
リースを利用する場合、1ヶ月あたり20~30万円が相場です。ただし、リース会社や契約年数によってもバラつきがあります。
リースのメリットは、初期費用の安さです。初期費用を抑えた分、設備投資や広告に回すことができます。リース代は経費にできるので、節税対策にもなります。
その反面、半永久的にリース代という固定費が発生するのがデメリットです。途中解約には条件があり、簡単には解約できません。
5. レンタルを利用する
レンタルの利用料金は、1日2~10万円程度です。車種やシーズン、平日か休日かで料金が変動します。ほとんどのレンタル会社では、レンタル日数が増えるほど1日当たりの利用料金は安くなります。
レンタルのメリットは、出店準備がすぐにできること。営業許可を取得済みなので、スムーズに開業できます。
しかし、レンタルのキッチンカーでは自由にカスタマイズできないことや、長期的に考えると割高になることがデメリットです。
【車種別】キッチンカー(移動販売車)の中古車相場
本項では、キッチンカーの中古車相場を車種別に解説します。
- 軽トラック
- 軽バン
- 普通車バン
- 1tトラック
メリットやデメリットも紹介するので、参考にしてみてください。
1. 軽トラック
軽トラックの中古車相場は100万~200万円です。しかし車両の年式や状態によっては、50万円ほどの予算で購入できます。
軽トラックはキッチンカーの定番として人気のある車種です。コンパクトなので小回りが利き、出店スペースに駐車しやすいという特徴があります。どんなメニューにも対応可能で、キッチンで立って調理することもできます。
また軽自動車なので、維持費が安いのもメリットです。しかし車検に出す際は、荷台のキッチン部分を取り外す手間がかかります。
2. 軽バン
軽バンの中古車相場は、軽トラックと同様100万~200万円程度です。
軽バンは初期費用を抑えたい方におすすめの車種です。市場に多く流通しているので、比較的安く購入できます。また、維持費が安いのもメリットです。運転がしやすく、お客さんと目線の高さが同じになる特徴もあります。
一方デメリットは、キッチンスペースの狭さです。立って調理販売はできません。そのため長時間座りっぱなしの姿勢になり、腰や肩に負担がかかります。また、販売できるメニューはクレープやドリンクなど、調理が簡単なものに限定されます。
3. 普通車バン
普通車バンの中古車相場は、150万~300万円です。
普通車バンはキッチン設備を整えるだけで内装が仕上がるので、製作費を抑えらるのがメリットです。また、普通車バンの特徴はキッチンスペースを広く確保できること。食材や荷物を大量に積み込め、複数人での調理もできます。
デメリットは、天井が低いことです。座ったままでしか調理販売ができないので、体に負担がかかります。また軽自動車と比較すると、車検などの維持費が高くなります。
4. 1tトラック
1tトラックの中古車相場は、150万~300万円です。
1tトラックでは軽トラックと同様に、立って調理販売が可能です。複数人での調理も可能なので、イベント出店などで大勢のお客様にも対応可能です。
走行性能が高いのが特徴で、高速道路を頻繁に利用する方におすすめの車種です。1tトラックは車体が大きく目立ちやすいので、宣伝効果があるのもメリットです。
その反面、車体の大きさから狭い出店スペースでは駐車できません。出店場所が限定されるのはデメリットといえます。
キッチンカー(移動販売車)での開業に必要な費用
開業に必要な費用を、6つの項目に分けて解説します。
- 車両の維持費
- 保険料
- 資格取得の費用
- 営業許可申請の費用
- 仕込み場所の賃料
- 出店料
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 車両の維持費
車両の維持費に必要なのは、以下の項目です。
- 駐車場代:5,000円〜6万円(月額)
- ガソリン代:1~3万円(月額)
- 自動車税:4,000~5,000円(年間)
- 車検代:4〜7万円(2年間)
ただし車種や住んでいる地域によって金額が異なるので、あくまでも目安にしてください。ガソリン代は売上とのバランスを考慮して予算を決めることが大切です。
2. 保険料
キッチンカーには自動車保険が欠かせません。運転頻度が高いので、交通事故発生のリスクが大きいためです。
キッチンカーの自動車保険料は年間10万〜15万円が一般的です。使用目的が業務用の8ナンバーで登録すると、自家用車よりも保険料は高額になります。
また、キッチンカーではPL保険(生産物賠償責任保険)も必須です。PL保険とは、食品がお客様に損害を与えた場合に補償してくれる保険です。
たとえば食中毒の発生や、商品を受け渡す際にお客様の服を汚した場合などで補償されます。PL保険の費用は年間1万円ほどです。
3. 資格取得の費用
食品衛生責任者は店舗や施設において、食中毒や食品衛生法違反を起こさないように衛生管理することを目的とした資格です。
食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催している「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。
食品衛生責任者養成講習会の受講費用は、1万円ほどが一般的です。ただし以下のように、受講費用は各地域の食品衛生協会によって異なります。
- 東京都:1万円
- 長野県:8,000円
- 宮崎県:6,000円
4. 営業許可申請の費用
キッチンカーで営業するためには、保健所で営業許可を取得する必要があります。許可申請の費用は2万円が目安です。ただし地域や提供メニューによって詳細は異なるので、開業予定地の保健所に必ず確認してください。
キッチンカーの営業許可は、営業を行う地域ごとに取得が必要です。そのため、さまざまな地域や日本全国を旅しながらの営業を考えている場合、労力や資金面から現実的ではないでしょう。
5. 仕込み場所の賃料
キッチンカーの営業において、車内での調理は簡単な加熱や盛り付けのみが許可されています。そのため、メニューの下準備は保健所から営業許可を取得した「仕込み場所」で行わなければなりません。自宅を仕込み場所とするのは、原則NGです。
仕込み場所の賃料は3~7万円が目安ですが、もちろん住んでいる地域によって異なります。しかし仕込み場所の契約には敷金礼金など、多額の費用が必要です。
仕込み場所の賃料を節約したい場合は、知り合いの飲食店の厨房を借りる、シェアキッチンを利用するなどの方法があります。
6. 出店料
キッチンカーの主な出店場所と、1日の出店料は以下の通りです。
- フェスやフリマなどのイベント:3,000~数十万円
- オフィス街:5,000円
- スーパー・ショッピングモール:5,000~1万円
- 家電量販店・アミューズメント施設:3,000~1万円
- 道の駅・サービスエリア:5,000円
- 公園や観光施設:1,500~5,000円
- 大学:5,000円
フェスやフリマなどのイベントは、規模によって異なります。また出店料には、売上の15~40%ほどを支払う変動性のパターンもあります。
出店料については、事前に出店場所の担当者に確認しておきましょう。
キッチンカー(移動販売車)開業で利用できる補助金・助成金
補助金や助成金を利用すれば、自己負担は少なくすみます。こちらでは、代表的な3つを解説します。
- ものづくり補助金
- 創業支援等事業者補助金
- 地域雇用開発助成金
それぞれ内容を確認していきましょう。
1. ものづくり補助金
名称 | ものづくり・商業・サービス革新補助金 |
補助金額 | 100万~500万円 械装置費や技術導入費、原材料費など対象項目に必要な資金の1/2が対象 |
対象者 | 日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人 |
公式サイト | https://portal.monodukuri-hojo.jp/ |
ものづくり補助金は、新しいものづくりに挑戦する事業者を支援する補助金制度です。「ものづくり技術」と「革新的サービス」に該当する事業が対象なので、移動販売やキッチンカー事業も申請できます。補助金なので、原則として返済義務はありません。
ものづくり補助金は通年で公募を行っています。交付申請から交付決定までの期間は申請内容によって異なりますが、標準的なスケジュールは約1ヶ月です。
2. 創業支援等事業者補助金
名称 | 創業支援等事業者補助金 (旧名称:地域創造的起業補助金) |
補助金額 | 50万~1,000万円 人件費や設備費など、補助対象経費の2/3以内 |
対象者 | ・市区町村と連携している創業支援事業者 ・「特定創業支援事業」「創業機運醸成事業」のいずれか、または両方の事業を行っている |
公式サイト | 中小企業庁 |
創業支援等事業者補助金は、令和元年に「地域創造的起業補助金」から名称が変更されています。地域の創業を促進させ、経済の活性化や雇用の増加を目的とした補助金です。原則として返済義務はありませんが、利益が認められると一部の返済を求められる可能性もあります。
認定市区町村での創業が条件です。令和3年6月現在、1,453市区町村が認定されています。募集は例年春頃に行われますが、詳細が毎年異なります。申請を検討している方は、定期的に公式サイトを確認するといいでしょう。
3. 地域雇用開発助成金
名称 | 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース) |
補助金額 | 50万~800万円 事業所の設置・整備費用と増加した支給対象者の数に応じて、1年ごとに最大3回支給される |
対象者 | ・設置・整備した施設の雇用保険適用事業主である ・各支給要件判定期間に、事業所で雇用する被保険者を解雇等事業主の都合により離職させていない、など |
公式サイト | https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/chiiki_koyou.html |
地域雇用開発助成金は、求人の少ない地域において雇用保険適用事業所となる施設を設置・整備し、それに伴って労働者を雇い入れた場合に支給される助成金です。
そのため条件として労働者の雇入が3人以上、創業の場合は2人以上が支給条件となっています。設置・整備が完了した日から最大3回の申請ができます。
機械の購入費や内装工事費は経費になりますが、フランチャイズの加盟料は経費として認められないので注意が必要です。