「移動販売でお菓子って売れるの?」
「お菓子を売るには許可は必要?」
「どうやって移動販売を始めればいい?」
などとお悩みではありませんか?
お菓子の移動販売は、ショッピングモールや街中でよく見かけます。独立してチャレンジしてみたいと思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に始めるとなると、何から手を付ければ良いのかわかりづらいですよね。実はお菓子の提供方法1つで、必要な手続きも変わるのです。
そこで、本記事ではお菓子の移動販売について、以下の点を紹介します。
- お菓子の移動販売のメリット・デメリット
- お菓子の移動販売の始め方
- 成功するためのコツ
- 事例紹介
この記事を読めば、お菓子の移動販売をスムーズに始められます。成功のコツを掴んで稼げるようになるためにも、ぜひ参考にしてください。
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移動販売(キッチンカー)でお菓子を売る4つのメリット
移動販売の商材としてお菓子を選ぶメリットは、4つあります。
- お菓子を好む人が多いので販売しやすい
- 提供スピードが早く回転率を上げやすい
- 手土産としての需要がある
- 小さめの移動販売車でも営業しやすい
1つずつ見ていきましょう。
1. お菓子を好む人が多いので販売しやすい
お菓子を好きな人は比較的多いので、販売しやすいのがメリットです。
リビングくらしHOW研究所のアンケートでは「7割の女性がほぼ毎日間食をしている」という結果が出ています。さらに、そのうちの5人に1人は「毎日2回以上、間食をする」と答えています。
また、よく食べるおやつの1位はチョコレート菓子、2位がクッキー・ビスケット類となりました。特にクッキーなどの焼き菓子は移動販売でも提供しやすく、ニーズとマッチしていることがわかります。
参考元:リビングくらしHOW研究所「大人のおやつ習慣についてのアンケート」
2. 提供スピードが早く回転率を上げやすい
お菓子の移動販売は、クレープやホットドッグと比べて、オペレーションが簡単です。焼き菓子を事前に焼いておけば、車内では調理がなく、盛り付けや包装のみとなります。
提供スピードが早いので回転率を上げやすく、その結果、数をたくさん売りやすいのがメリットです。また、オペレーションが簡単だと、1人でも営業しやすいです。
3. 手土産としての需要がある
自分で食べる分だけでなく「誰かにあげるため」や「お土産用」としての需要があるのが、お菓子の特徴でもあります。そのため、販売機会を増やしやすいのがメリットです。
第一紙行が行ったアンケートでは、3人に1人が「人にあげるためのお菓子を1週間以内に購入した」と回答しました。
お菓子の中でも特にクッキーであれば、多人数でシェアしながら食べやすいという利点もあります。
4. 小さめの移動販売車(キッチンカー)でも営業しやすい
お菓子の移動販売は、小さめのキッチンカーでも営業しやすいのが特徴です。
事前にお菓子を作っておく販売スタイルなら、車内に調理器具を置くスペースが必要ありません。そのため、小さい移動販売車でも始められるのです。
サイズが小さいと車の購入費用をおさえられるため、初期コストが少なく済むのがメリットです。
移動販売(キッチンカー)でお菓子を売る2つのデメリット
移動販売の商材としてお菓子を選ぶことには、デメリットも2つあります。
- 販売価格を高くしづらい
- お菓子作りの手間と時間がかかる
それぞれ説明していきます。
1. 販売価格を高くしづらい
お菓子は1個あたり200円~350円程度の商品が多く、販売価格を高くしづらい商材です。
そのため、数をたくさん売らないと収入が増えづらい点はデメリットと言えます。
前述のメリットで挙げたように、回転数を上げたり、手土産のニーズも取り込んだりすることで、売上を上げていきましょう。
2. お菓子作りの手間と時間がかかる
お菓子を自分で作る場合は、生地作りの手間やオーブンで焼く時間がかかります。
事前に焼いておくと車内での作業が少なく済む点はメリットでしたが、その分、仕込みの時間がかかります。
【8ステップ】お菓子の移動販売(キッチンカー)の始め方
ここからは、お菓子の移動販売を始めるまでの流れを紹介します。以下、8つのステップで進めていきましょう。
- 営業エリアを決める
- お菓子の販売スタイルを決める
- メニューや調理工程を決める
- 移動販売車を用意する
- 仕込み場所を確保する
- 必要な資格・許可を取る
- 出店場所へ交渉する
- 備品や食材を準備する
1つずつ説明していきます。
1. 営業エリアを決める
はじめに、お菓子の販売をする営業エリアを決めます。移動販売の営業許可は、出店エリアを管轄する保健所へ申請します。
同じ都道府県内でも、市ごとに申請が必要な地域もあります。どの辺りへ出店するかを決めておき、効率良く許可申請を進めていきましょう。
2. お菓子の販売スタイルを決める
次に、お菓子の販売スタイルを決めます。お菓子を自分で作るかどうか、車内で調理や盛り付けを行うかによって、必要な許可・届出が異なるためです。
販売スタイルは、主に以下の4つに分類されます。
- 車内で調理や包装をする
- 作ったお菓子を個包装して売る
- お菓子を仕入れて売る
- 自店舗の商品を移動販売で売る
キッチンカーの中でお菓子を焼いたり、包んだりするのが、上記の1つ目のパターンです。
2つ目の、作ったお菓子を個包装して売る場合は、事前に仕込み場所で製造します。
そのため、車内では調理を行いません。
お菓子を仕入れて売る場合は3つ目に該当し、個包装されたまま販売を行います。この場合は調理を必要とせず、手軽に販売できるのが特徴です。
4つ目の、既に固定店舗のお菓子屋を営んでいるケースでは、お店で扱っている商品を移動販売でも売ることが可能です。
その場合は、個包装済みで車に積み込んだり、車内で包装したりと、色々な方法があります。
なお、個包装されたお菓子を販売する場合は、原材料や消費期限などの食品表示が必要です。
3. メニューや調理工程を決める
次に、お菓子の商品ラインナップや調理工程を決めます。
車内で行えない工程や、提供できない食材もあるため、営業許可を申請する前にメニューを考えておきましょう。
たとえばキッチンカーの中で、小麦粉や生卵を混ぜて生地を作ることはできません。
また、生のフルーツの提供は許可されないケースが多いため、果物をケーキやクッキーに載せてから焼くといった工夫が必要です。
具体的に、移動販売では以下のようなお菓子がよく売られています。
- クッキー
- マフィン
- フィナンシェ
- パウンドケーキ
- カップケーキ
- カヌレ
- タルト
なお、200Lの給排水タンクを積んでいるキッチンカーであれば、保健所による制限は少なくなり、生のフルーツも使える可能性があります。
4. 移動販売車(キッチンカー)を用意する
次に、キッチンカーを用意します。用意する方法は、主に以下の5つです。
- 新車購入:約200万円~
- 中古車購入:約100万円~
- レンタル:短期で約3~10万円/日~
- リース:約20万円/月~
- 自作(DIY):約100万円~
なるべくコストをかけずに用意するならDIY、初期費用を抑えたいならレンタルも良いでしょう。
ただし一定期間以上の長期間利用であれば、購入した方がトータルの費用は安くなります。
車種としては、軽トラックや普通車バンなどが、お菓子の移動販売ではよく使われています。
5. 仕込み場所を確保する
お菓子のメニューや調理工程によっては、仕込み場所も用意しましょう。キッチンカーの中では原則として、加熱や盛り付け・包装などの簡単な作業しか認められないからです。
たとえば、クッキーやタルトの生地を作る作業は、車内ではできないと考えておきましょう。
よって、お菓子を仕入れて売る以外の販売スタイルでは、仕込み場所が必要なケースがほとんどです。
なお、前述したようにこちらも200Lの給排水タンクを積んでいるキッチンカーであれば、本格的な調理が行える可能性があります。
ただし保健所によって細かな条件は違うため、相談しながら進めていくことが大切です。
6. 必要な資格・許可を取る
キッチンカーや仕込み場所などを用意できたら、資格や許可を取得します。
食品衛生責任者
食品衛生責任者の資格は、移動販売に限らず飲食店を開業するなら必須の資格です。ただし、難しいものではなく、1日講習を受ければ取得できます。 各都道府県の食品衛生協会で講習が開催されているので、日時を確認して申し込みましょう。
キッチンカーの飲食店営業許可
キッチンカーの車内で調理や盛り付けをする場合は、保健所の飲食店営業許可を取得しなければなりません。たとえば以下のような作業を行うなら、営業許可が必要です。
- キッチンカーの中でお菓子を焼く
- 個包装されていないお菓子を、車内で袋に詰める
- ドリンクをコップに入れて提供する
車内で調理をしない場合でも、お菓子をその場で包むなら営業許可を取らなければなりません。
また、お菓子が個包装されていても、飲み物を提供する際は許可が必要です。
なお、保健所の営業許可や届出については「【最新版】移動販売(キッチンカー)の営業許可の取り方まとめ。2021年6月の食品衛生法改正もわかりやすく解説!」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
仕込み場所の菓子製造業許可
営業許可は、施設ごと(営業場所ごと)に取るものです。そのため、仕込み場所を使う場合は、キッチンカーとは別に許可を取得しなければなりません。 仕込み場所でお菓子を作るなら、菓子製造業の許可が必要です。
なお、許可の取れている店舗やキッチンを借りた場合は、新たな申請は不要です。
販売業の届出
調理済みのお菓子を個包装して販売する場合は、許可ではなく届出を行います。
届出の場合は設備要件がないので、保健所によるキッチンカーの検査もありません。
7. 出店場所へ交渉する
営業許可を申請したら、出店場所を決めましょう。あらかじめ場所探しを始めておき、許可がおりてから交渉するとスムーズです。
以下のように、お菓子の移動販売には、家族連れや女性が多い場所が向いています。
- スーパー
- ショッピングモール
- マルシェ
出店場所の探し方については「【重要】移動販売(キッチンカー)の出店場所7選!見つけ方を6つに分けて詳しく解説」を参考にしてみてください。
8. 備品や食材を準備する
営業許可や出店場所の目処もついたら、備品や食材を購入します。お菓子の移動販売では、以下のものを揃えましょう。
厨房設備・調理器具
キッチンカーの中でお菓子を焼く場合には、ガスオーブンまたはガスコンベクションを使います。
ガスオーブンは、厨房設備の通販サイトで10~20万円程度で購入できます。
なお、車内では原則としてお菓子の生地づくりを行えないため、生地を作るためのボウルなどは、必要であれば仕込み場所に用意しましょう。
陳列棚・ショーケース
お菓子の移動販売で使う陳列棚は、対面式の冷蔵ショーケースがおすすめです。
軽トラックや普通車バンで営業する場合は、車体の側面を開けてすぐの箇所に、ショーケースを設置することが多いです。そのため、背面(車内側)から出し入れ可能なケースを選びます。
業務用だと数十万円しますが、移動販売で使うなら卓上型でも充分でしょう。通販サイトで6~8万円程度で売られています。
また、冷蔵の電源オン・オフができるタイプなら、扱う商品によって冷蔵・常温を切り替えられて便利です。
価格参考元:楽天市場|卓上型対面冷蔵ショーケース
器・包装資材
お菓子をお客様へ渡すためのラッピングの袋、紙袋なども準備します。包装用品の専門店や通販サイトで購入可能です。
また、お菓子の盛り合わせを提供するなら、お皿やカップ型の器も用意します。
SNSでの拡散を狙いたい場合は、おしゃれなデザインの器や包装資材を選びましょう。
食材(原材料)
お菓子を自分で作る場合の一般的な原材料としては、以下のものが挙げられます。
- 小麦粉
- 卵
- バター
- 砂糖
- フレーバーやトッピング
この他、提供メニューに合わせて必要な食材を購入しましょう。
お菓子の移動販売(キッチンカー)で成功する3つのコツ
お菓子の移動販売で成功するためには、以下3つのコツがあります。
- インスタ映えを意識する
- 新作や期間限定メニューを取り入れる
- ドリンクと一緒に売って客単価を上げる
順番に説明していきます。
1. インスタ映えを意識する
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お菓子の移動販売では、インスタ映えを意識しましょう。見栄えの良いスイーツは、SNSに投稿されやすいからです。
お客様の投稿は口コミの効果がある他、拡散されると広告宣伝にもなります。投稿してもらうためには、具体的に以下のような点を意識しましょう。
- 見た目のおしゃれなお菓子を作る
- センスの良いラッピングをする
- キッチンカーの外装をきれいにする
お菓子は女性に人気なので、Instagramとは特に相性が良いです。
NTTドコモの調査によると、Instagramの利用率は10代女性で80%、20代女性で75%超というデータが出ています。
SNSを活用した集客方法については「飲食店がSNSで売上・集客につなげる8つのコツ!成功事例や注意点も紹介」で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
2. 新作や期間限定メニューを取り入れる
商品ラインナップの一部を新作や期間限定メニューなどにすると、話題性で集客しやすいです。
メニューが変わると飽きられにくいため、リピーター獲得にもつながります。
期間限定メニューの例としては、以下のようなお菓子が挙げられます。
- 秋冬のメニュー:かぼちゃ・さつまいもを使ったマフィン
- 夏のメニュー:アイスと焼き菓子の盛り合わせ
他店がどのようなラインナップを展開しているか、研究してみるのもおすすめです。
3. ドリンクと一緒に売って客単価を上げる
お菓子と一緒にドリンクを販売すると、より稼ぎやすくなります。ドリンクは原価率が低く、利益を上げやすいからです。
また、客単価を上げれば、お菓子の弱みである販売価格の低さをカバーできます。
お菓子の移動販売(キッチンカー)の3つの事例を紹介
こちらでは、お菓子の移動販売の事例を3つ紹介します。
- bake shop HELLO
- 走るお菓子屋さんLueur(リュール)
- merci trois(メルシートロワ)
それぞれ見ていきましょう。
1. bake shop HELLO
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「bake shop HELLO」は、焼き菓子がメインのキッチンカーです。
フルーツをふんだんに使ったパウンドケーキやマフィンが魅力です。コーヒや紅茶などのドリンクも提供しています。
2. 走るお菓子屋さんLueur(リュール)
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「走るお菓子屋さんLueur」は、タルトがメインの移動販売車です。
主力商品はチーズタルト、木の実のタルト、焼きチョコタルトなどです。その他「チョコミントレアチーズタルト」や「コーヒーチーズタルト」などの変わり種も扱っています。
3. merci trois(メルシートロワ)
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「merci trois」は焼き菓子の移動販売車です。カヌレやフィナンシェ、シフォンケーキなどを提供しています。
レストランのパティシエを経て開業されており、出店時にはお菓子が売り切れるほどの人気です。
以上3店舗が、お菓子の移動販売で活躍しているお店です。事例を参考にしながら、ぜひキッチンカーでの営業を始めてみてください!