「路上販売に許可は必要なの?」
「路上販売でお弁当を売るのは合法?」
「雑貨を路上販売しても大丈夫?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
「商品を売りたいけど、店舗を開くほどではない」というときに、選択肢として路上販売を考える方もいるかもしれません。
しかし、路上販売をするには許可が必要です。知らずに無許可で営業してしまうと、違法行為となってしまいます。
そのような事態を避けるために、本記事では路上販売の許可について、以下の内容をお伝えします。
- 路上販売の定義
- 道路使用許可の内容と許可基準
- 路上販売に必要な許可や資格
- 許可を取れない場合の代替案
路上販売に必要な許可を知り、正しく商品を販売できるように、ぜひ参考にしてください。
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路上販売とは?定義をサクッと30秒で解説
路上販売とはその名の通り、道路上で移動せずに販売行為をすることです。
たとえば歩道にテントを設置して露店を開く行為が、路上販売にあたります。
また、路上販売と混同されやすいものとして、移動販売(キッチンカー)や行商(リヤカー)などがあります。
大きな違いは、路上販売は「移動しない」ことに対して、移動販売や行商は「移動しながら販売する」という点です。
さらに、移動販売はキッチンカー車内で調理や加工が可能で、行商はリヤカーで販売のみを行えるという違いがあります。
本記事では、道路上に固定する路上販売の許可について、解説していきます。
移動販売の許可については「【最新版】移動販売(キッチンカー)の営業許可の取り方まとめ。2021年6月の食品衛生法改正もわかりやすく解説!」でさらに詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
行商(リヤカー)については「【必見】手押し車の移動販売に営業許可は必要?メリット・デメリット6選を紹介」で、紹介しています。
路上販売に必要な道路使用許可を解説【個人利用は原則禁止】
路上販売を行うには、道路交通法上の「道路使用許可」が必要です。ただし、実際にはお祭りやイベントの際に許可されるもので、個人利用で許可がおりることはほぼありません。
なぜ許可がおりないのか、以下3点とともに説明していきます。
- 道路における禁止行為
- 許可が必要な行為と許可の種類
- 道路使用許可の許可基準
1つずつ見ていきましょう。
道路における禁止行為
道路交通法第76条において、道路上に物を置く行為は禁止されています。路上販売はこれに該当するので、原則禁止となります。
移動せずに販売する路上販売では、何らかの形でお店を設置することとなり、それが「道路上に物を置く行為」となるのです。
この禁止行為が適用される道路とは公道だけでなく、以下のように不特定多数の人が通る私道なども含まれます。
- 公道
- 不特定の人や車が自由に通行する場所
(私道、空地、広場、公園内の道路等)
禁止行為について、警察庁のホームページでは以下のように記載されています。
道路交通法第76条では、何人もいかなる場合にあっても、交通の妨害となるような方法で物をみだりに道路に置いたり、道路上の人や車を損傷させるおそれのある物を投げるなどの行為を行うことは禁止(絶対的禁止行為)されています。
道路使用許可が必要な行為と許可の種類
前述のとおり、交通の妨害となる行為は禁止されているため、道路使用許可を取らなければ行えません。
道路使用許可には1号~4号まであり、行う内容によって以下のように分類されています。
- 1号許可:道路工事・作業
- 2号許可:工作物の設置(石碑、広告板、アーチ等)
- 3号許可:場所を移動しない露店・屋台等の出店
- 4号許可:祭礼行事・ロケーション等
上記のとおり、路上販売を行うには道路使用許可の3号許可が必要です。
道路使用許可の許可基準
路上販売を行うには道路使用許可が必要ですが、実際には個人に対して許可がおりることはほぼありません。
道路使用許可がおりるのは、以下どちらかに該当する場合のみと決められているからです。
- 交通の妨害とならない
- 公益上・慣習上やむを得ないもの
慣習上やむを得ないものというのは、お祭りやイベントなどを指します。
個人利用の路上販売は交通の妨げとなる上、慣習上やむを得ないものではないため、上記のどちらにも当てはまりません。
そのため、個人の路上販売では基本的に道路使用許可がおりないのです。
イベント等の路上販売で必要な許可や届出を3つ紹介
道路使用許可は原則個人では取れませんが、お祭りなどで路上販売を行うことはありえます。
その場合に必要な許可や資格について、3つ紹介します。
- 食品衛生責任者の資格
- 食品衛生法上の販売業の届出
- 古物商許可
それぞれ説明していきます。
1. 食品衛生責任者の資格
食品衛生責任者の資格は、路上販売に限らず飲食物を扱う場合には必須の資格です。ただし、難しいものではなく、1日講習を受ければ取得できます。
各都道府県の食品衛生協会で講習が開催されているので、日時を確認して申し込みましょう。
2. 食品衛生法上の販売業の届出
食品衛生法上の販売業の届出は、個包装された食品を販売する場合に必要な手続きです。たとえばパックに詰められたお弁当や、袋に入っているパンを売る際に届出を提出します。
届出は許可制ではないため、飲食店営業許可のような厳しいチェックはありません。
なお、以前まで弁当販売は「弁当等人力販売業」に該当しており、許可制でした。しかし、以下のように2021年6月の食品衛生法改正によって、届出の対象へ変更されています。
食品衛生法の改正により、令和3年6月1日から弁当等人力販売業がなくなり、営業届制度となりました。
3. 古物商許可
古物商許可は、古物雑貨を販売するに必要です。古物商の許可を得るには、管轄の警察署を経由して各都道府県の公安委員会に申請を行います。
また「古物」の基準にも注意が必要です。未使用であっても、一度でも取引された商品は古物扱いになります。アンティーク雑貨などを扱う場合は、古物商許可が必要となるケースが多いでしょう。
路上販売の許可を取れない場合の3つの代替案
ここまで、個人では路上販売の許可を取れないことをお伝えしてきました。
しかし、実店舗を構えずに小さく商売を始めたい場合や、外でお客様と接しながら販売したいケースもあるでしょう。
そのような場合に、路上販売の代わりとなる方法を3つ紹介します。
- 私有地で販売する
- リヤカーで販売する
- 移動販売車(キッチンカー)で販売する
順番に見ていきましょう。
1. 私有地で販売する
1つ目は、私有地で販売する方法です。道路使用許可は道路に適用されるので、私有地での販売なら許可は必要ありません。
たとえば住民しか利用しない私道や、自宅の駐車場などが営業場所として考えられます。(不特定多数の人が使う私道は道路扱いとなるので、許可が必要です。)
道路に面した場所であれば、実質的に路上販売のような効果は得られるでしょう。対面で接客できたり、通りがかりの人に知ってもらったりすることが期待できます。
2. リヤカーで販売する
道路使用許可は移動しない出店の際に必要な許可なので、リヤカーで販売するなら不要です。
ただし、リヤカーで販売できる食品は以下の種類に制限されています。また、できることは販売のみで、調理や加工は行えません。
- 菓子
- アイスクリーム類
- 魚介類(生きていないもの)や加工品
- 豆腐や加工品
- ゆでめん類
- 弁当類
- 惣菜類
扱いたい商品が上記の中にあれば、リヤカーを検討してみるのも良いのではないでしょうか。
なお、リヤカーについては「【必見】手押し車の移動販売に営業許可は必要?メリット・デメリット6選を紹介」で詳しく説明しているので、あわせてご覧ください。
3. 移動販売車(キッチンカー)で販売する
キッチンカーで販売するのも良い方法です。おすすめの理由は、路上販売やリヤカーよりも行動範囲が広がるからです。
移動販売車に乗れば遠くまで行けるので、営業場所の選択肢が増えます。ショッピングモールや家電量販店の駐車場などにも出店しやすくなるでしょう。
移動販売の開業については「【2021年版】移動販売の開業方法!必要な資金や資格・成功のコツも解説【完全ガイド】」で詳しく解説しています。
また、キッチンカー相談の窓口でも、開業に関する資料の無料配布や相談対応を行っています。ぜひご活用ください。