「移動販売で焼き鳥屋を始めたい」
「移動販売の焼き鳥屋って儲かるの?」
「成功の秘訣が知りたい」
キッチンカーのを使った移動販売を始める方が増えており、中でも焼き鳥屋は人気があります。
「自分も始めてみたい」と思っても、どのような手順で開業すればよいか、分からない方もいるのではないでしょうか。
数あるメニューの中で焼き鳥が良いのか、しっかり利益を出せるのかも気になるポイントです。
そこでこの記事では
- 移動販売で焼き鳥屋を始める手順
- 焼き鳥屋のメリット・デメリット
- 移動販売で売上を伸ばすコツ
について解説します。移動販売で焼き鳥屋を始めてみたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
- 半年間の契約で月額20万円
- 開業に失敗しないためのサポート
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移動販売の焼き鳥屋の平均年収は【400〜500万円】
移動販売事業を行っている方の年収は、平均で400〜500万円と言われています。焼き鳥屋の場合も、収入はこの範囲に収まっています。
そして焼き鳥屋の移動販売の収入は、比較的安定しているのが特徴です。ここでの収入とは、売上から以下のような費用を引いた金額を指します。
- 原材料費
- 車両や設備のリース代
- 水道光熱費
- スタッフの人件費(雇用している場合)
スタッフを1人雇用すると、手残りの収入が大きく変わります。売上だけでなく収入を意識して、事業計画を立てましょう。
年収額参考元:やきとり竜鳳
移動販売で焼き鳥屋を始める7ステップ
移動販売で焼肉屋を始めたいと思っても、何から準備すれば良いのか分からないのではないでしょうか。
ここでは、移動販売で焼き鳥屋を始める手順を7つのステップで紹介します。
- 開業計画の立案
- 移動販売車の手配
- 調理器具などの準備
- 仕込み場所の確保
- 出店場所の決定
- 資格の取得と許可の申請
- 食材の仕入れ
それでは、1つずつ解説していきます!
1.開業計画の立案
最初に「どのような焼き鳥屋にしたいのか」といった、開業計画を立てましょう。無計画で初めて上手くいくほど、飲食店の経営は甘くはありません。
開業準備を始める前に、以下のような事項を決めていきます。
- 高級志向か薄利多売か
- メニューを絞るのか増やすのか
- サイドメニューは充実させるのか
- どのような客層をターゲットにするのか
開業計画によって、店構えを高級感を出すのか親しみやすさを出すのかもかわってきます。途中で変更するのが難しい要素もあるので、しっかりと検討しましょう。
2.移動販売車の手配
移動販売を始めるのに、車両の手配は非常に重要です。車両は店舗に当たる部分なので、お客様からの印象を大きく左右します。
手配方法は、以下の3つが一般的です。
- 車両を移動販売用に改造する:200〜300万円程度
- 中古移動販売者を購入する:150〜200万円程度
- 移動販売車をレンタルする:3〜5万円程度/日
- リースする:20~30万円程度/月
移動販売車を安価な20万円/月でリースしたとしても、半年間で120万円になるため購入した方が良いかと思われがちですが、その事業が成功するとは限らないため注意が必要です。
そこで、まずは少ない投資で始めてみて、事業が軌道に乗ったら購入するという戦略も有効です。自分で車両を購入した場合は、車検やメンテナンス費用がかかることも認識しておきましょう。
価格参考元:資金調達ノート 財務局 経済産業省 認定支援機関
3.調理器具などの準備
車両が手配できたら、次は調理器具の準備です。移動販売車で食べ物を販売するには、車両内で調理を行う必要があります。鳥を焼く機器にも種類がありますが、タイプによって以下のように値段が変わります。
種類 | 価格帯 | 特徴 |
ガス式の焼き鳥器 | 1〜5万円 | 簡単に着火し一気に焼き上げる |
炭火式の抗火石製の焼き鳥器 | 1〜3万円 | 本格的な炭火焼きができる |
耐火レンガ式の焼き鳥器 | 6〜9万円 | 抗火石製より耐久性に優れている |
下火式のグリラー | 4〜15万円 | ガス式や電気式があり大きさも選べる |
本格的な焼き鳥を提供したいなら、炭火式が最も適しているでしょう。しかし、炭火をおこす必要があるため、火起こしや灰かきなどたくさんの道具を準備する必要があります。
また、炭火式は大量に煙が出るので注意が必要です。使い勝手の良さではグリラーが優れていますが、10万円を超えるものもあるなど高価です。ガス式はバランスが良く、扱いが簡単な上に高温で肉がカリッと焼き上がります。
焼き鳥機の他には、冷蔵庫も必要です。調理スペースと販売スペースのバランスを考えて、冷蔵庫を設置しましょう。調理器具は、自分のこだわりや予算に合わせて選択することがおすすめです。
価格参考元:資金調達ノート 財務局 経済産業省 認定支援機関
4.仕込み場所の確保
焼き鳥屋は、仕入れた材料をただ焼けば良いというわけではありません。串打ちやタレの準備など、仕込みを行う必要があります。
移動販売車の中で仕込みを行えれば良いですが、実際にはなかなか難しいでしょう。また保健所によっては、キッチンカー内での仕込みを禁止しているケースも存在します。
そこで、移動販売車で焼く手前までの準備を行う仕込み場所を確保しなければなりません。
自身で別に店舗型の飲食店を経営していれば問題ないですが、そうでなければ他店舗のキッチンを使わせてもらうなどして対応します。他にも、共同で利用できるシェアキッチンもあるので、調べてみましょう。
5.出店場所の決定
次に、出店場所を決めましょう。大きな売上が見込める出店場所は、価格設定やターゲットによって異なります。
出店場所の候補は、以下の通りです。
- オフィス街
- 住宅街
- 大型商業施設
- 大学など学校施設
- イベント会場
以前はオフィス街への出店が多かったですが、近年の在宅ワークの増加などにより住宅エリアの人気が高まっています。特にタワーマンションや団地の付近には多くの人が往来しているので、出店場所としてはおすすめです。
高級住宅街であれば、高級路線の焼き鳥屋でも買ってくれる方がたくさんいるでしょう。逆に大学やイベント会場等に出店する場合は、リーズナブルな商品を大量に販売する戦略が有効です。
最初に決めた開業計画に基づいて、最も売上が見込める出店場所を決定してください。
6.資格の取得と許可の申請
飲食店を経営するには、資格の取得や許可の申請が必要です。まず必須なのは「食品衛生責任者」の設置です。保健所が実施する講習会を受講すれば、食品衛生責任者になれます。
ただし、調理師免許や栄養士の資格があれば受講の必要はありません。また保健所には、営業許可の申請も行っておく必要があります。出店するエリアごとに申請が必要なので、注意しましょう。
7.食材の仕入れ
一口に「焼き鳥」と言っても、メニューが豊富です。定番の部位だけでも、以下のようなものがあります。
- もも
- むね
- きも(肝臓)
- かわ
- こころ(心臓)
- 手羽先
- ぼんじり(尾の付け根)
- 軟骨
また、鶏肉を仕入れる際は「ブロイラー」にするか「地鶏」にするかを決めましょう。地鶏にも種類がありますが、有名な銘柄だけでも以下の通りです。
- 東京しゃも
- 名古屋コーチン
- 比内地鶏(秋田)
- 薩摩味鶏(鹿児島)
一方でブロイラーですが、聞き慣れない方が多いかもしれません。ブロイラーは短期生産を目的に作られた品種で、通常の生育期間が4〜5ヶ月のところ、ブロイラーは40〜50日で成鶏となります。実は、日本で食べられている鶏の多くはブロイラーです。
ブロイラーの肉は柔らかく食べやすいですが、味は地鶏に劣ります。仕入れ値はブロイラーは安く、地鶏は高いです。自身の立てた開業計画から、仕入れる鶏の品種や部位を決めていきましょう。
移動販売の焼き鳥屋のメリット5つ
ここでは、移動販売車の焼き鳥屋のメリットを5つ紹介します。
- 原材料費が安い
- 調理がしやすい
- 客層が幅広い
- オリジナリティが出しやすい
- 様々な場所で売上が見込める
1つずつ解説します。
1.原材料費が安い
移動販売の焼き鳥屋を始めるメリットとして「原材料費が安い」ことがあげられます。鶏肉の値段は銘柄によって異なりますが、以下の通り牛肉や豚肉に比べれば安いです。
品目 | 価格(円/100グラム) |
国産牛肉(冷蔵ロース) | 808円 |
輸入牛肉(冷蔵ロース) | 291円 |
豚肉(ロース) | 260円 |
鶏肉(もも肉) | 125円 |
原材料費が高いと大きな売上が求められるため、移動販売の焼き鳥屋は始めやすい事業と言えます。
2.調理がしやすい
焼き鳥の調理方法は、いたってシンプルです。基本的には仕込みの段階で串打ちをして、販売時にタレや塩を付けて焼くという工程になります。
もちろん、簡単に極められるという意味ではありませんが、修行期間が短くても始めやすいとは言えるでしょう。
更に「ガス式の焼き鳥器」や「下火式のグリラー」などは使い方も簡単なので、更に調理がしやすくなっています。
3.客層が幅広い
移動販売の焼き鳥屋は、あまりお客様を選びません。焼き鳥は老若男女に人気があるため、どの層にも売れます。
ただし、年齢や性別によって売れる部位は異なるので、狙っている客層に応じてメニューを変えていきましょう。例えば子供向けであれば、もも肉やつくねなどに絞っても良いかもしれません。
4.オリジナリティが出しやすい
焼き鳥はシンプルでありながら、多様な部位があるのでオリジナリティが出しやすいです。もも(ネギ間)やつくねといった定番メニューだけでなく「かわ」や「ぼんじり」など、選択肢がたくさんあります。
他にも「わさび」や「しそ」など、焼き鳥と相性の良い食材が沢山あるので、差別化するのに困ることはありません。
また、キッチンカーのデザインも自由に決められるのが、移動販売のメリットです。メニューだけでなく、外装でもオリジナリティを出せます。
5.様々な場所で売上が見込める
焼き鳥は老若男女に好まれているので、様々な場所で売上が見込めます。そのため、出店エリアの選択肢が多いことがメリットです。移動販売で出店されることの多い以下のエリアで、焼き鳥屋に適していない立地はないでしょう。
- オフィス街
- 住宅街
- 駅前
- 商店街
更に移動販売であることの強みを活かして、店舗であれば物件の空きがないエリアにも出店できます。移動販売の焼き鳥屋に「出店に向いていない場所」というのはないので、様々な場所でチャレンジしてみましょう。
移動販売の焼き鳥屋のデメリット
ここでは、移動販売の焼き鳥屋のデメリットを3つ紹介します。
- 価格と品質のバランスが難しい
- 仕込みが大変で消費期限が短い
- ライバルが多い
それでは解説します。
1.価格と品質のバランスが難しい
移動販売の焼き鳥屋は、食材の選択肢が多いため「価格と品質のバランスが難しい」という側面があります。
焼き鳥屋において、主な材料である鶏肉の原価が安いことはメリットです。しかし、安い材料ばかり使っていると、商品の品質が低下してお客様に来てもらえません。
逆に高級地鶏を使うと味は良くなりますが、原価が上がるため価格設定が難しくなります。出店するエリアやターゲットとなる客層に応じて、素材の品質と価格を調整することが重要です。
2.仕込みが大変で消費期限が短い
焼き鳥屋は、他の飲食店に比べても仕込みが大変です。具材を細かく均等に切って、まっすぐに串打ちしていかなければなりません。
また、砂肝などを提供する場合は「銀皮」と呼ばれる白く固い部分を取り除くため、慣れないとなかなか大変です。
また、鶏肉は牛肉などに比べても日持ちしません。仕入れの量や保管方法に気を使う必要があるのが実情です。
3.ライバルが多い
移動販売の焼き鳥屋は、人気があるのでその分ライバルも多いです。個人で経営している方も多いですが、フランチャイズもたくさんあります。
焼き鳥は作り方はシンプルですが、タレの味付けなどノウハウが必要な部分があります。フランチャイズは味付けや材料の仕入れなど、未経験からでも始めやすいようにフォローしているビジネス形態です。
ライバルと争うために、フランチャイズに加盟してノウハウのサポートを受ける選択肢もあります。一方で、独自路線を突き詰めて差別化し、お客様を勝ち取っていくのも有意義な方法です。
焼き鳥屋の移動販売で売上を伸ばす3つのコツ
ここでは、焼き鳥屋の移動販売で売上を伸ばすコツを3つ紹介します。
- 客単価を上げる
- 需要のある場所で出店する
- 販促活動を行う
それでは、解説していきましょう!
1.客単価を上げる
売上を伸ばすには、お客様1人あたりの単価を上げるのが効果的です。具合的な方法は、以下のようなものがあります。
- ドリンクなどのサイドメニューを提供する
- 通常メニューに加え高単価メニューを作る
- 接客時にトッピングなどをおすすめする
焼き鳥には塩気があるので、食べると飲み物が欲しくなります。場所によっては利益率の高いアルコールも売れるので、メニューに加えておきましょう。
また、接客時にトッピングや高単価メニューを提案することもおすすめします。もう一品追加で買ってもらえることも多いので、客単価を上げるのに効果的です。
2.需要のある出店エリアを確保する
最も売上が大きくなる出店エリアを目指して、コロコロと場所を変えるのはおすすめしません。
ここだというエリアを見つけて、出店場所のオーナーに交渉していきましょう。その場所での売上が良ければ、オーナーも継続して出店をOKしてくれるはずです。
売上を伸ばすためには、需要のある出店エリアを確保するようにしましょう。
3.販促活動を行う
出店してただお客様を待つだけでなく、販促活動も重要です。個性的なメニューやPOPなどを制作して、お客様を呼び込みましょう。
最近では、SNSでの宣伝も効果的です。InstagramやTwitterなどで、メニューや出店情報などを広報していきましょう。地道な販促活動が、売上アップに繋がります。