飲食店でのゴキブリの発生によってお店が閉店に追い込まれてしまうことがあるのをご存じでしょうか。
たった一匹のゴキブリでも飲食店にとっては脅威的な存在なのです。
この記事では、ゴキブリの危険性からその駆除方法や根本的に飲食店内でゴキブリの発生を防ぐ方法について解説していきます。
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飲食店で発生するゴキブリの生態と危険性
みなさんも自宅でゴキブリを見たことが、1回はあると思います。
どうしてどこにでも現れるたった1匹のゴキブリによって飲食店が閉店に追い込まれるのでしょうか。
この章ではゴキブリの特徴とゴキブリが飲食店に与える影響について解説していきます。
ゴキブリにとって飲食店は快適な環境
ゴキブリは「暖かい」「暗い」「狭い」「エサや水がある」場所を好んでいます。
つまり飲食店内はゴキブリが繁殖しやすい環境が整っているのです。
特に冷蔵庫の下や裏側はゴキブリにとって最適な環境となっています。
というのも、冷蔵庫は稼働時に背面から熱を発し周囲が温かくなるのに加え、冷蔵庫周辺には食材や水がこぼれることもあるためです。
したがって、飲食店では特に冷蔵庫周辺にゴキブリが繁殖しやすいため注意が必要です。
飲食店が営業停止に追い込まれる
飲食店がゴキブリによって営業停止に追い込まれることがあるという事実は、ゴキブリが食中毒の原因となるサルモネラ菌や大腸菌を運ぶ虫であることが背景にあります。
もし、食中毒が起きた場合、飲食店はしばらくの間営業停止となることがあります。
そして再開できたとしても、食中毒の発生によって評判が下がって閉店に追い込まれる恐れもあります。
また、利用客がゴキブリを発見し保健所に通報することもあります。
その際には保健所による抜き打ちの検査がおこなわれ、基準を満たしていない場合には営業停止になることもあるのです。
一匹のゴキブリでさえも、飲食店を閉店に追い込む可能性があるため、飲食店には徹底的な対策が求められます。
飲食店のゴキブリの駆除方法
飲食店にとってゴキブリが脅威的な存在であることは十分理解していただけたと思います。
この章では、飲食店で脅威となりうるゴキブリの具体的な駆除方法である以下の4つについて解説していきます。
- ベイト剤で駆除する
- 捕獲シートで駆除する
- 燻煙剤で駆除する
- ゴキブリ駆除業者に依頼する
各方法のメリット、デメリットを理解しお店にあった方法を導入しましょう。
ベイト剤で駆除する
ゴキブリ駆除の中で最も主流なのがベイト剤の設置です。
ベイト剤は簡単にいうと置き型の毒餌で、昔ながらの薬剤散布型のゴキブリ駆除よりも健康被害、臭いが少ないためベイト剤はゴキブリ駆除の主流となっています。
ベイト剤は冷蔵庫や調理台の下、棚の中などゴキブリが好む場所へと設置することで効果を最大限発揮します。
また、毒餌を食べたゴキブリはその場で死ぬわけではなく、巣に帰ってから段々と毒餌の影響が出始め、死んでいきます。
巣の仲間が、毒殺された死骸を食べれば連鎖的にその巣ごと駆除できるのが、べイト剤の強みなのです。
ただし同じベイト剤を使い続けると段々とゴキブリに耐性ができ、効果が薄れてきてしまうので、2種類のベイト剤を使うなどの工夫をする必要があります。
捕獲シートで駆除する
ゴキブリの駆除方法として、捕獲シートも挙げられます。
粘着シートの真ん中にエサの匂いを出す固形物などを設置し、それによってゴキブリをおびき寄せて捕まえ、駆除します。
見た目から駆除できたことは実感できますが、生きたままのゴキブリが捕獲されていることもあり、そのゴキブリを処分するのに難しさを感じる人が多いかもしれません。
燻煙剤で駆除する
ゴキブリ駆除には燻煙剤という、蒸散の仕組みを利用し部屋中に薬剤をまく方法もあります。
ゴキブリを駆除できる成分を含む蒸気が、普段は手入れできないような冷蔵庫の裏など狭いところへと行きわたり効果を発揮します。
ただし、有害成分が食材や容器などにつかないように覆ったり、収納する必要があるため少し手間がかかるのが特徴です。
また薬剤の臭いが強いため、飲食店では使えないケースもあるようです。
さらにゴキブリの卵があった際には、一度だけの利用では、ゴキブリの卵は固い殻に覆われていることから、燻煙剤では効果が得られないこともあります。
ゴキブリの卵がかえる2、3週間後にもう一度使用するとなお効果が出やすいです。
ゴキブリ駆除業者に依頼する
ゴキブリは、その繁殖力の高さから、駆除が難しい害虫の一つです。
手軽な駆除グッズで中途半端に対処すると、単体でゴキブリを駆除できたとしても、ゴキブリの繁栄を食い止めることはできません。
そのため、ゴキブリ駆除をする際は「全滅」を目指す必要があります。
しかし、自分たちで完全に駆除するのは難しい場合もあります。
そのような場合には、プロに駆除を依頼することも検討しましょう。
プロに頼めば、より効率的かつ確実に駆除することができます。
プロに依頼する際には、料金がかかることを覚悟する必要がありますが、それ以上に大切なのは、お客様の前でゴキブリが出現してしまうことを避けることです。
そのためにも、定期的な清掃や駆除を依頼することもゴキブリ駆除方法の候補に入れておきましょう。
しかし、最初からプロに全て任せるのではなく、自分たちでできる基本的な対策を自分たちで実施しながら、その後はプロにお願いするという意識が重要になってきます。
ゴキブリの発生を防ぐためにできること
飲食店に出現したゴキブリを駆除したとしても、それは根本的な問題解決にはなりません。
この章では、ゴキブリの駆除方法ではなく、そもそも飲食店内にゴキブリを発生させないようにする5つの方法を解説します。
- 定期的にグリストラップを清掃する
- 換気扇や窓からの侵入を防ぐ
- エアコンのホースからの侵入を防ぐ
- 排水溝やゴミ箱にフタをする
- ダンボールやビールケースを放置しない
全て飲食店内でのゴキブリ発生を防ぐ重要な方法となっているので、ぜひ実践してみてください。
定期的にグリストラップを掃除する
飲食店の厨房では、調理で出る油や食材カスが排水溝にたまりやすく、それが下水に流れ込むことが問題になります。
そこで設置されるのが「グリストラップ」です。
ゴキブリの発生を防ぐにはグリストラップの定期的な清掃が必要となります。
グリストラップは、調理で出た油を集める役割を担っています。
グリストラップにたまった油がゴキブリの好物でもあるため、清掃を怠るとゴキブリの発生源になることもあります。
また清掃しないと異臭が発生し飲食店の営業に支障をきたすことにもなりかねません。
清掃の目安は、居酒屋で月1回、ファミレスやカフェなどで2ヶ月に1回とされています。
ただし、お店で取り扱う料理の種類や使用する油の量によっても異なるため、適切なタイミングを見て清掃していく必要があります。
グリストラップの清掃は、お店の営業にも直結する重要な作業です。
油や食材カスが腐敗して腐敗臭を発生させたり、ゴキブリの発生源になったりすることを避けるためにも、定期的な清掃を心がけましょう。
換気扇や窓からの侵入を防ぐ
飲食店内でのゴキブリの発生を防ぐには換気扇や窓からの侵入を防ぐことが大切です。
まず、換気扇にはカバーを取り付けましょう。
カバーを取り付けることで、外からゴキブリが侵入するのを防ぐことができます。
また、換気扇をつけっぱなしにしておくと、ゴキブリの侵入の確率を減らせます
さらに換気扇は、音が鳴るので、その音がゴキブリを遠ざけることができます。
次に、窓には網戸をしっかりと付けておきましょう。
休憩室や事務室の窓は、開けっ放しを禁止にするとともに、網戸を付けておくことで、ゴキブリの侵入を防ぐことができます。
これらの対策を行うことで、換気扇や窓からの侵入を防ぎ、飲食店内でのゴキブリの発生を防ぐことができます。
エアコンのホースからの侵入を防ぐ
ゴキブリはドレンホースから侵入してくる
飲食店でのゴキブリの発生を防ぐためには、換気扇や窓からの侵入だけでなく、エアコンのドレンホースからの侵入も気をつける必要があります。
エアコンには、結露した水を外に排出するためのドレンホースがありますが、これが破損したり、先端が切られたままの状態になっていたりすると、ゴキブリがホースを通って店内に侵入する可能性があります。
以下でドレンホースからの侵入を防ぐ具体的な対策について解説します。
ドレンコースからの侵入を防ぐ具体的な対策
まずドレンホースの先端に防虫ネットを取り付けるとともに破損箇所も配管テープで補修することが重要です。
また、ホースを屋外へと伸ばせるように壁に貫通穴を開けることがありますが、この穴に隙間がある場合はエアコンパテで埋めるようにしましょう。
さらに、ドレンホースの先端用に「ドレンキャップ」と呼ばれるカバーが販売されています。
これを取り付けることで、ホースからゴキブリが侵入することを防ぐことができます。
ドレンキャップは、ホームセンターやネットショップでも購入できるので、店舗にあわせたサイズを選んで取り付けてください。
以上のように、エアコンのドレンホースからのゴキブリの侵入を防ぐためには、先端に防虫ネットやドレンキャップを取り付けること、破損箇所を補修すること、穴に隙間がある場合は埋めることが必要です。
これらの対策を実施することで、飲食店内でのゴキブリの発生を防止することができます。
排水溝やゴミ箱にフタをする
排水溝からの侵入はゴキブリの主なルートの1つです。
閉店時には、排水溝にしっかりとフタをし、外からの侵入を防ぐようにしましょう。
また、ゴミ箱もフタを閉めておくことが大切です。
飲食店のゴミ箱は、ゴキブリが好む環境であるエサ、湿気、暗さが揃っているため、必ずフタを閉めて対策をするようにしましょう。
さらに、ゴミ箱の周りにはゴキブリが近寄りにくい防虫剤を置くことで、効果的なゴキブリ対策を行うことができます。
ダンボールやビールケースを放置しない
ゴキブリの発生を予防するためには、飲食店内にある段ボールやビールケースの管理が重要です。
食材を入れた段ボールやビールケースは、ゴキブリの卵が付着している場合があります。
そのため、できるだけ店内に置かず、早めに処分することが大切です。
特に、食材を入れたままの段ボールは、ゴキブリのエサになってしまい、ゴキブリの飲食店内での繁殖につながってしまいます。
そのため、食材の出し入れが済んだら早めに処分しましょう。
飲食店のゴキブリ対策は予防と適切な駆除が大切
この記事ではゴキブリが飲食店内で発生することの危険性から、その駆除方法、そもそも飲食店内にゴキブリを発生させない方法について解説してきました。
最初に解説した通り一匹のゴキブリによって飲食店が閉店になることもあり得ます。
この記事で解説した駆除方法、対策方法を参考にしてゴキブリのいない、清潔な飲食店を作り上げていきましょう。
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