「飲食店のタブレットシステムの導入費用について知りたい」
「セルフオーダーシステムのメリットとデメリットって何?」
「セルフオーダーシステムを導入すると補助金がもらえるの?」
本記事では上記の要望や疑問などにお答えします。
これから開業する方にとって、強い味方となる可能性のあるタブレットシステムですが、中にはよくわからない方もいるでしょう。
メリットやデメリット、費用などについて理解したうえで、導入を検討するのが賢明です。
そこでここから、タブレットシステムの導入費用やメリットとデメリットなどについて解説します。
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飲食店のタブレット(セルフ)オーダーシステムとは
セルフオーダーシステムは、近年さまざまな飲食店で導入される傾向にあります。
飲食店でタブレットを見かける方も多いのではないでしょうか?
導入を検討するにあたり、まずは特徴や種類を押さえるとよいでしょう。
ここから、セルフオーダーシステムの特徴と種類について具体的に解説します。
特徴
飲食店のセルフオーダーシステムとは、タブレットなどの端末を使い、スタッフを通さずに注文できるシステムのことです。
料理の他にも、調味料や水、箸などさまざまなものを注文できるケースもあります。
セルフオーダーシステムが導入されているのは、具体的に以下の飲食店です。
- 回転寿司
- 居酒屋
- カフェなど
近年、飲食業界の慢性的な人手不足が原因で、セルフオーダーシステムは急速に広まりつつあります。
人件費の削減やオーダーミスをなくすことなどが、店側にとってのメリットです。
一方で、注文するときにスタッフを待つ必要がない点から、セルフオーダーシステムはお客さんにとってもメリットがあります。
注文から料理が提供されるまでの時間短縮になる点も特徴で、とくに急いでいるお客さんから喜ばれやすくなるでしょう。
セルフオーダーシステムは各国の言葉にも対応している場合もあり、外国人のお客さんが来た場合も安心です。
種類
セルフオーダーシステムは4つに分けられ、具体的には下記の表のとおりです。
種類 | 利用端末 | 特徴 |
食券式セルフオーダーシステム | お店に設置した券売機 | ・追加注文が期待できない ・会計のミスがなくなる |
テーブルオーダーシステム | 客席に設置したタブレットや専用端末 | ・注文の期待損失を防げる ・外国語に対応できる |
モバイルオーダーシステム | お客さんのスマートフォン | ・導入のコストを抑えられる ・機器トラブルの発生するリスクがある |
QRオーダーシステム | お客さんのスマートフォン | ・テーブルにメニューを読み込むQRコードを設置する ・導入のコストを抑えられる |
近年では、客席にタブレットを設置するテーブルオーダーシステムの他に、モバイルオーダーシステムやQRオーダーシステムも増える傾向にあります。
飲食店におすすめのPOSレジ比較13選|選ぶポイント・メリット・デメリットも徹底解説飲食店のタブレット(セルフオーダー)システムの導入費用
飲食店でセルフオーダーシステムを導入する場合、初期費用としてさまざまな費用が発生するケースもあります。
- 月額費用:5,000円から5万円
- タブレット:1台で3万円から5万円
- 工事費用:お店の規模や導入機器などによる
- 機器の設定:5万円から50万円
上記のように、お店の大きさやタブレットの数量、メニューの設定などによって費用が変わるのが特徴です。
費用の目安として、高いケースでは100万円から200万円程度することもあります。
24時間のサポート体制やトラブル時の対応など、システムによって特徴が分かれます。
一般的に、システムによって月額費用に差はありますが、あまりに高すぎるシステムの場合は、不要なオプションが付与されているケースが多いです。
セルフオーダーシステムを導入するときは、複数の会社をチェックするのがポイントです。
飲食店のセルフオーダーシステムの主な機能
セルフオーダーシステムの機能は、具体的に下記のとおりです。
- タッチパネルでの注文
- 食べ放題・メニュー管理
- 売り切れ表示・注文履歴表示
- 店員呼び出し・会計機能
- 多言語対応機能
注文から会計、呼び出しなど、入店から退店までに必要なことを端末上で完結できる点が特徴です。
利便性が高く、お客さんの満足度を上げる効果が期待できます。
モバイルオーダーアプリ「O:der」を提供しているShowcase Gigによると、モバイルオーダーを利用したお客さんの89%はリピート注文することがわかっています。
モバイルオーダーを利用することに対して、メリットを感じる方が多くいると言えるでしょう。
出典:Showcase Gig
飲食店がセルフオーダーシステム導入で削減できるコスト
飲食店でセルフオーダーシステムを導入すると、初期費用や月額費用などが発生しますが、その分店舗全体のコスト削減に効果が期待できます。
コスト削減効果が期待できるものとは、具体的に下記のとおりです。
- 人件費
- 広告費
ここから、削減できるコストについて解説します。
人件費
飲食店がセルフオーダーシステムを導入すれば、人件費を削減できます。
お客さんからの注文を取りに行く手間をなくすことにより、スタッフを減らしてもお店を営業できるようになるケースがあるためです。
業態にもよりますが、一般的に飲食店では人件費の割合が多く、売上の30%が目安とされています。
時給1000円のスタッフが1日8時間で月に22日働く場合、人件費は17.6万円です。
スタッフ1人を減らした場合でも、店舗を今まで以上に円滑に営業することができれば、セルフオーダーシステムを導入する価値はあると言えるでしょう。
広告費
飲食店がセルフオーダーシステムを導入することで削減できるコストは、再来店を促す広告費です。
セルフオーダーシステムの中にはLINEと連動しているケースがあり、お客さんがメニューを注文するときに、友達追加する場合があるのが特徴です。
LINEに登録してもらったお客さんに対して、定期的に新商品情報やクーポンなどを配信することで再来店の動機づけができます。
無料で配信でき、再来店のための広告費を削減しやすくなります。
飲食店のセルフオーダーシステム導入のメリット
セルフオーダーシステムを導入することで、お店にとってもお客さんにとっても様々なメリットが生まれます。
セルフオーダーシステム導入のメリットは、具体的に下記のとおりです。
- お客さんが注文しやすくなる
- 感染防止の効果がある
- オーダーミスを減らせる
- 人件費を減らせる
ここから、セルフオーダーシステムのメリットについて解説します。
お客さんが注文しやすくなる
まず、セルフオーダーシステムのメリットは、お客さんが注文しやすくなる点です。
スタッフを呼んで注文する場合、スタッフの忙しそうな様子を見て注文しにくくなるケースがあるためです。
また、スタッフを呼ぶために大きな声を出すことに抵抗のある方もいるでしょう。
セルフオーダーシステムを導入すれば、お客さんの都合に合わせて自由に注文できます。
オプション注文を狙えることで、客単価が上がる効果が期待できます。
感染防止の効果がある
次に、セルフオーダーシステムのメリットとして、新型コロナウイルスをはじめとした感染病防止に効果的な点があげられます。
注文から決済までできるものもあり、スタッフとの接触を最小限にできる点が特徴です。
お客さんにとっても、安心してお店を利用してもらいやすくなるでしょう。
オーダーミスを減らせる
加えて、セルフオーダーシステムのメリットとして、オーダーミスを減らせる点も挙げられです。
お客さんがタブレットやスマホから注文した内容は、直接調理するスタッフの元にデータとして届けられます。
聞き間違いや伝達ミスによるミスを減らす効果が期待でき、クレームや作り直しなどの手間を防ぎやすくなります。
人件費を減らせる
最後に、セルフオーダーシステムのメリットは、人件費を減らせる点です。
スタッフがお客さんの元まで、注文を聞きに行く時間を無くすことができる点が特徴で、とくに忙しい時間帯に効果があります。
場合によってはすべての注文メニューが決まっておらず、時間がかかるケースもあり、必要以上に時間がかかってしまうこともあります。
お客さんが注文し終えるまでの待ち時間が短縮できるため、効率的な営業が可能になると言えます。
飲食店のセルフオーダーシステム導入のデメリット
セルフオーダーシステムを導入することによるメリットもありますが、下記のようなデメリットもあります。
- 操作に慣れていない顧客がいる
- 客単価を下げる恐れがある
ここから、デメリットについて具体的に解説します。
操作に慣れていない顧客がいる
セルフオーダーシステム導入のデメリットは、タブレットなどの操作になれていない客層もいる点です。
比較的高い年齢層のお客さんの場合、ガラケーを使っているケースもあり、操作に戸惑う可能性があります。
システムを導入することで、お店に対して不満を感じる恐れもある点がデメリットだと言えます。
ターゲットとする客層によって、導入するかどうか慎重に見極める必要があるでしょう。
客単価を下げる恐れがある
セルフオーダーシステムのデメリットとして、客単価を下げる恐れがある点です。
なぜなら、タブレットやスマホなどによって注文が完了することで、スタッフとのやり取りをする時間が少なくなるためです。
注文時にオススメのメニューや食材などを紹介することで、追加で注文してもらえるケースもありますが、その機会を失うと言えます。
おもてなしとして、丁寧に注文を受けるのも1つの考え方です。
飲食店がタブレット端末を導入するときの注意点
飲食店がタブレット端末を導入するときには、押さえておくべき注意点があり、具体的には下記の2点です。
- 機能をチェックする
- サポート内容をチェックする
ここから、注意点を具体的に解説します。
機能をチェックする
タブレット端末を導入するときは、どのような機能が備わっているのかをチェックしておきましょう。
システムによって、さまざまな機能が用意されているためです。
- データの取得や分析ができるか
- メニューの追加や削除を簡単な操作でできるか
上記のような機能が、本当に必要かをよく考える必要があります。
サポート内容をチェックする
タブレット端末を導入するときは、サポート内容をチェックするのが基本です。
万が一営業中にトラブルが発生した場合、専門のスタッフに対応してもらう必要があるためです。
システムによっては、24時間365日サポート体制を行っているケースがあります。
さまざまなサポート体制が充実していれば、安心して利用しやすくなるでしょう。
飲食店のセルフオーダーシステム導入で対象になる補助金
飲食店でセルフオーダーシステムを導入することで、下記の補助金を受給できるケースがあります。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
ここから、補助金について具体的に解説します。
IT導入補助金
飲食店のセルフオーダーシステムで対象になる補助金はIT導入補助金です。
IT導入補助金とは、中小企業などのIT機器導入の補助により、業務効率化、売上アップのサポートを目的とする経済産業省の補助金になります。
補助の対象となるのは、具体的に下記のとおりです。
- 初期費用
- 2年分の月額費用
- タブレット端末等
導入費用の2分の1以内で、450万円以下が補助金の額となっています。
小規模事業者持続化補助金
飲食店のセルフオーダーシステムで対象になる補助金は、小規模事業者持続化補助金です。
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者を対象としており、販路開拓等のサポートを目的とする補助金です。
スタッフ5人以下のお店が対象で、補助金の金額は以下のとおりです。
- 一般型:上限50万円
- 低感染リスク型:上限100万円
補助金が下りるのは事業の実績報告後となり、開業するときにあてにしないよう注意が必要です。
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ここまで、タブレットシステムの費用やメリットとデメリット、補助金などを解説してきました。
本記事のまとめは以下の通りです。
- テーブルの端末を使って注文やスタッフの呼び出しができる
- 人件費の削減やコロナの感染予防対策などが期待できる
- 操作に慣れていない顧客がいる点や、客単価を下げる恐れがある
- 使える補助金は、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金など
本記事を通して、タブレットシステムについて理解を深めていただければ幸いです。