「飲食店でリピート率が重要なのはどうして?」
「飲食店を開業してからリピーターを獲得できるか心配…」
「飲食店でリピーターを獲得するのは難しい?」
本記事では、上記の疑問やお悩みにお応えします。
飲食店を開業する方の中には、お客さんがリピーターになってくれるか不安に思う方もいるでしょう。
しかし、具体的にどのような行動をすればリピート率を高められるのかが、わかりにくいかも知れません。
そこでここから、飲食店でリピート率を高める方法8つを具体的に解説します。
最後まで読めば、開業後の不安を1つ減らせるでしょう。
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飲食店のリピート率とは
飲食店を開業してから、経営を安定させるために重要になるのがリピート率です。
新規のお客さんを獲得することも重要ですが、いかにリピーターを獲得できるかもポイントになってくるでしょう。
ここから、リピート率の特徴や計算方法などについて具体的に解説します。
特徴
飲食店のリピート率とは、どれくらいの割合で新規のお客さんが再来店しているのかを表す指標のことです。
ホットペッパーグルメ外食総研の調査によると、飲食店のリピート率の平均は約77%だと判明しています。
お店の業態によってもリピート率は異なる傾向にあり、とくにリピート率が高いのは具体的に下記の業態です。
- ファーストフード
- ファミリーレストラン
- 立ち食いラーメンやそば・うどんなどの業態
- 牛丼、カレーなど1品料理に特化した業態
一方で、比較的にリピート率が低い業態は、具体的に下記のとおりです。
- フレンチレストラン
- イタリアンレストラン
- アジアン料理店
特別な場面に食べる料理ではなく、気軽に食べられる業態の方がリピート率を高くなりやすいと言えます。
計算方法
お客さんの再来店を表す指標として「リピート率」「リピーター率」の2つがあげられ、具体的な計算方法は下記のとおりです。
- リピート率:ある期間のリピート人数÷累計新規顧客数×100
- リピーター率:ある期間のリピート人数÷ある期間の総顧客数×100
言葉は似ていますが、それぞれに異なる意味を持っているのが特徴です。
「リピート率」「リピーター率」の意味の違いは、具体的に下記のとおりです。
- リピート率:今までにお店に来たお客さんの中で、どれだけリピーターがいるのかを表す割合
- リピーター率:ある期間にお店にきたお客さんの中に、どのくらいリピーターがいるのかを表す割合
リピート率とは、新規のお客さんが次も来てくれる割合のことです。
一方、リピーター率とは、新規のお客さんに対するリピーターの割合を表します。
安定した経営を目指すために重要になるのは、リピーター率よりもリピート率になります。
新しいお客さんが次も来てくれる割合が高ければ、長期的に安定した経営をしやすくなるためです。
開業したときは、リピート率を重点的にチェックするのがポイントです。
リピート率の重要性
一般的に、飲食店でリピート率が重要だと言われるのは、費用を抑えつつ安定した経営を実現しやすくなるためです。
飲食店では、新規顧客とリピーターを獲得するために必要なコストは、5倍以上の差があるとして「1:5の法則」と言われています。
お店を開業したばかりのときは特に、新規のお客さんの獲得ばかり考えがちです。
しかし、リピーターを獲得するための対策を考える方が、長期的に見ると効果的だとわかります。
新規のお客さんを獲得するためには、宣伝のためのチラシやSNSでの情報発信などで、お金や時間を奪われやすい傾向にあります。
しかし、確実に新規のお客さんの獲得に結びつくとは言い切れません。
一方で、リピーターを多く獲得できれば以下の効果が期待できます。
- 口コミで宣伝してもらえる
- 友人や知人など、新たなお客さんを連れてきてくれる
リピーター率を高めるための対策をすれば、新規のお客さんも増えることにつながるでしょう。
飲食店集客で必ずやるべき意外な3つのポイント!天才飲食店経営者にインタビュー飲食店でリピート率を高める方法8つ
飲食店でリピート率を高めるためには効果的な方法があり、具体的には下記のとおりです。
- 美味しい料理を提供する
- コスパを良くする
- 男性客をターゲットにする
- 積極的にお客さんとコミュニケーションをとる
- クーポンや割引券を活用する
- SNSやアプリで情報を発信する
- 顧客情報を活かす
- 競合店をリサーチする
ここから、リピート率を高める方法について具体的に解説します。
①美味しい料理を提供する
飲食店でリピート率を高める方法として、お客さんに喜ばれる美味しい料理の提供があげられます。
ホットペッパーグルメ外食総研の調査で、リピートする理由の第1位(69.6%)に選ばれているためです。
「美味しい料理を提供するのは当たり前でしょ」
と思う方もいるかも知れませんが、現代ではコンビニでも美味しい食品が売られている時代です。
お客さんの「料理の味」に対して求めるレベルは、年々増加していく傾向にあると言えるでしょう。
開業するときだけでなく、開業してからも常に料理の味をブラッシュアップし続ける必要があります。
美味しい料理を提供するためには、評判のお店を食べ歩いたり技術講習会に参加したりするのが効果的です。
②コスパを良くする
飲食店でリピート率を高めるためには、コスパを良くしましょう。
ホットペッパーグルメ外食総研の調査によると、飲食店をリピートする理由の第2位として、コスパの良さ(48.6%)があげられているためです。
飲食店を利用する方の半数近くがコスパの良さを重視しており、見逃せないポイントだと言えます。
美味しい料理をコスパよく提供するためには、必要な費用を抑えるのが1つの方法です。
- 人件費を削減するために、オペレーションの効率化やシステムの導入
- 食費を抑えるために、食材の仕入れ先やメニューを厳選など
費用の中で割合が高いのは「食費」「人件費」で、下げすぎに注意しつつ効率的にお店を経営するには工夫が必要になります。
③男性客をターゲットにする
飲食店でリピート率を高めるには、男性客をターゲットにするのが1つの方法です。
ホットペッパーグルメ外食総研の調査により、男性客の場合、お気に入りのお店にずっと通う傾向があると判明しているためです。
特に40代以上の男性はリピート率が高く、その世代の男性に喜ばれやすいサービスや料理を研究するのも1つの方法になります。
一方、女性の場合はさまざまなお店に行きたいと考える傾向にあり、リピーターを獲得するためには難易度があがります。
開業するお店のコンセプトと照らし合わせながら、ターゲットとする客層をしっかり見極めましょう。
とくし丸の失敗リスクを下げるには、コンセプトの理解が重要!稼げる根拠やコツを徹底解説④積極的にお客さんとコミュニケーションをとる
飲食店でリピート率を高めるためには、お客さんと積極的にコミュニケーションをとるのが1つの方法です。
お客さんに対するコミュニケーションとは、具体的に下記のとおりです。
- 入店時や退店時の声掛け
- 丁寧な接客応対
- 料理を提供するときに食材の説明をしたり、味の感想を聞いたりする
お店のコンセプトや雰囲気に合わせて適切な接客をすれば、お客さんから喜ばれやすくなるでしょう。
ただし、お客さんによっては、必要以上に話しかけられたくない方もいる点は注意が必要です。
飲食店.COMの調査によると、リピート率の高い飲食店では、以下のようにお客さんとコミュニケーションを取っています。
- 「数秒でいいので料理の合間を見て厨房からフロアに出て、全テーブルを挨拶してまわる。近隣にそういう店がないので簡単に差別化が図れる」(イタリア料理店/リピート率50%)
- 「お皿を下げるときに料理の感想を聞く。お会計時に会話を心がける。」(居酒屋・ダイニングバー/リピート率70%)
ちょっとしたコミュニケーションによって、リピーターになってくれる可能性を高められることがわかります。
⑤業態によっては女性客もターゲットにする
先ほど、男性客をターゲットに入れると良いと述べましたが、飲食店でリピート率を高めるために、業態によりますが、女性客もターゲットにするのも1つの方法です。
例えば、ラーメン屋と言えば、リピーターが男性客の割合が高いのが一般的です。
そこで、男性客をターゲットにするのではなく、女性客をターゲットにして店舗のコンセプトや商品設計することで、競合のラーメン屋と差別化をすることが可能になります。
実際に、これを実践しているのが新宿にある「駄目な隣人」です。
「駄目な隣人」では、少し小汚い、ちょっと女性同士が入りづらいといったイメージを払しょくするために、某有名アーティストが手がけたストリートスタイルでかっこいい外壁を取り入れ、バーカウンターのようなオシャレな店内となっています。
その結果、デートでも女性同士でも、お一人でも気軽にかっこよく楽しめるような雰囲気となり、女性比率が増加し、行列の絶えない店舗を作り上げることに成功しました。
その「駄目な隣人」を手掛けているオーナーの黒瀬実寿希さんにインタビューした記事はこちら
飲食店経営で絶対にやってはいけないこと3選!年商10億超の経営者にインタビュー⑥クーポンや割引券を活用する
飲食店でリピート率を高めるには、クーポンや割引券を活用する方法があげられます。
お得な特典を受けられることで、お客さんが「またお店に行きたい」と思う動機づけにできるためです。
今までは紙やプラスチックのクーポンが主流となってきましたが、近年ではアプリのポイントカードが登場しています。
財布やカードケースなどで保管する手間が発生せず、捨てられる可能性を低くできる点がメリットになります。
しかし、スマホの利用に慣れていない世代の方にとってはメリットとなりにくく、コンセプトやターゲットとする客層に合わせて使うのがポイントです。
クーポンや割引券を効果的に活用する方法は、具体的に以下のとおりです。
- 来店回数に応じて、特典の数を増やしていく
- 2回目の来店で特典を受けられるなど、特典を受けやすくする
- 最初から数か所にスタンプを押しておくことで、お客さんのモチベーションを高める
お客さんが特典を受けやすいようにすることで、リピート率を高めることに繋がります。
⑦SNSやアプリで情報を発信する
飲食店のリピート率を高めるには、SNSやアプリなどで有益な情報を発信しましょう。
SNSが普及したことで、お客さんはSNSからさまざまな情報を入手する傾向にあるためです。
SNSでリピーターを獲得するためには、新商品やフェアなどの有益な情報を流す点もポイントですが、お客さんと交流するのも効果的です。
2022年にやよい軒がTwitterで募集した「やよい軒にやってほしい企画」には、多くのアイディアが寄せられますが、そのすべてに公式アカウントから返信されています。
公式アカウントが反応することで、投稿したユーザーを感動させたり、その様子を見ている人たちにも興味をもたせることに成功しました。
SNSを運用する場合、宣伝や広告ばかりになるケースも多いですが、お客さんと交流する場と捉えることで、リピーター獲得のチャンスが増えると言えます。
キッチンカーの集客にはSNSを活用すべき6つの理由!おすすめSNSと活用ポイントも詳しく解説⑧顧客情報を活かす
飲食店のリピート率を高めるには、集めた顧客情報を活かして販売促進につなげる方法があげられます。
顧客情報を活かす方法は、具体的に下記のとおりです。
- 誕生日にバースデーカードを用意したり、デザートにメッセージを添えたりするサプライズの実施
- リピート回数に応じて、ドリンクや軽食などのサービス
顧客情報を活かせば、お客さんを感動させられ、リピーターになってもらえる可能性が高まります。
感動したお客さんは、よい口コミを広げてくれたり、友人をお店に連れてきてくれたりするでしょう。
顧客情報を適切に管理するには、顧客管理システムの導入を検討するのが1つの方法です。
⑨競合店をリサーチする
飲食店のリピート率を高めるには、競合店をリサーチする方法があげられます。
競合店をリサーチする場合、常にお客さんで賑わっているお店に行くのがポイントです。
料理やサービス、雰囲気など、繁盛しているお店には理由があります。
- 人気メニュー
- 価格
- グルメサイトの口コミ
- SNSの活用方法
- 接客の仕方
上記の点をチェックして、お店に採り入れられる点があれば、積極的に採り入れていきましょう。
飲食店の開業後はリピート率を上げて経営を安定させましょう
ここまで、飲食店のリピート率の重要性や高める方法などを具体的に解説してきました。
本記事のまとめは、下記のとおりです。
- リピート率は経営を安定させるために重要な指標
- ある期間のリピート人数÷累計新規顧客数×100で求められる
- リピート率は、美味しい料理を提供したりコスパを良くしたりすると高められる
本記事を参考に、飲食店でリピート率を高める方法について理解していただければ幸いです。