客単価とは、お客様1人あたりの平均的な購入金額を指し、飲食店の利益を増やすために重要な指標のひとつです。
客単価を上げるためには、顧客が購入する商品やサービスの品質を向上させたり、お客様に追加で商品を購入してもらうような施策を取り入れることが必要です。
この記事では、客単価を上げるための6つの方法や今日から客単価を上げられる具体的な施策について解説していきます。
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客単価は売り上げを増やすための重要指標
冒頭でも述べた通り客単価は、お客様1人あたりの平均的な購入金額のことを指し、飲食店を経営していく上で重要な指標となります。
どうして客単価が飲食店を経営する上で重要になるのでしょうか。
この章では客単価と売り上げがどう関係しているかや具体的にどのようにすれば客単価を上げられるかについて解説します。
客単価と売上の関係を理解する
飲食店の売上というのは「来店客数✖️客単価」で計算されます。
つまり、売り上げを増やしたい時には来店客数もしくは客単価、または両方を上げる必要があることになります。
そのため、客単価は売り上げを増やすための重要指標となるのです。
値下げにより客単価が下がる
価格競争が激化する中、多くの企業が値下げを実施しています。
しかし、値下げは客単価を下げる原因であるため、注意が必要です。
クーポンや割引などの販促手法は、新規顧客やリピーターの獲得に有効ですが、利益率の減少や薄利多売傾向が強まり、最終的には企業の利益を減らしてしまうことも考えられます。
そのため、飲食店は価格以外の部分で付加価値を持たせる販促が大切であり、商品やサービスの特徴や付加価値を強調することで、競争に勝ち抜くことができるでしょう。
客単価を上げる施策で売上アップ
客単価を上げることにより売り上げを増やすことができるのは前述した通りですが、加えて客単価を上げるという方法は低コストで売り上げを増やすことができます。
特にニッチな業界では来客数を増やす施策よりも客単価を上げる施策の方が売り上げを増やすには効果的だと考えられます。
これから紹介していく方法を用いて、客単価を上げ、売り上げを増やしていきましょう!
客単価を上げる6つの方法
前章で解説した通り、客単価は売上に直結する指標であり、飲食店の明暗を左右します。
この章では客単価を上げる施策について具体的に解説していきます。
- 付加価値をつけて商品単価を上げる
- 「松竹梅の法則」を活用して単価を上げる
- クロスセルで単価を上げる
- アップセルで単価を上げる
- 会計額特典をつける
- 決済方法を豊富にする
1.付加価値をつけて商品単価を上げる
客単価を上げる最もシンプルな方法は、商品の単価を上げる方法になります。
その際にむやみに値上げをしてしまうと、顧客離れが起きるリスクが高くなるので、単価を上げた分だけの付加価値を訴求することでお客様にメリットを感じてもらうのが重要になります。
付加価値の例としては”より高品質になりました”といったものが多いですが、その他にもアフターサービスの提供、パッケージの見直しなども付加価値を演出する効果的な方法となります。
2.「松竹梅の法則」を活用して単価を上げる
松竹梅の法則というのは、条件の異なる3つの選択肢から一つを選び取る時、人は無意識で中間のものを選ぶという心理のことです。
焼肉屋さんのラインナップに例えると、
・松8,000円
・竹6,000円
・梅4,000円
の三つのコースメニューが用意されている場合、多くの人が中間の価格帯の「竹」を選ぶ傾向にあります。
4,000円の「梅」の方が価格が安いにもかかわらず、6,000円の「竹」の方が売れることになるのです。
つまり販売者目線から考えると、「単価を上げたい」と思っている商品を真ん中の価格に設定し、そこからより高いものを1つ、より安いものを1つとラインナップの選定することが重要です。
なぜなら、松竹梅の法則が働き、「単価を上げたい」と思っている商品を買ってもらうことができるからです。
価格の例としては、松を10,000円、竹を6,000円、梅を4,000円のようなバランスに設定し、価格で迷っている人が、松は高すぎて難しいが、竹なら手が届きそうと感じられるような状態が理想的です。
3.クロスセルで単価を上げる
客単価を上げる方法としてクロスセルの導入が挙げられます。
クロスセルというのは商品を購入しようとするお客さんに対して、関連商品や割引になる組み合わせ商品を勧める手法です。
例としてハンバーガーショップが挙げられます。
ハンバーガーを購入するお客さんに、ポテトやコーラの追加やお得なセットメニューを勧めるサービスをご存知だと思いますがこれがクロスセルです。
クロスセルを導入することで客単価が上がるのはもちろんのこと、お得感を醸成し、顧客満足度を高めることもできます。
効果が出やすいので積極的に実施していきましょう。
4.アップセルで単価を上げる
アップセルとは、顧客が当初購入する予定だった商品よりも高価な商品を購入することを促す販売手法です。
飲食店における例としてはドリンクメニューのサイズアップ等がアップセルにあたります。
この方法を用いることで、購入点数は増やさずに商品単価を上げることができます。
また、顧客にとってより良い商品を提供することで、満足度を高めることができます。
しかし、アップセルは押し売りに見えることもあります。
顧客が本当に必要としない商品を勧めてしまうと、購入後に後悔させてしまいます。
店への印象が悪くなり、結果的にリピート率が下がるので、慎重に提案しましょう。
アップセルを実施する際には、顧客のニーズや要望をしっかりと把握した上で行うことが大切です。
5.会計額特典をつける
会計額に応じて特典をつけるのも客単価を上げる手法の一つです。
「お得な割引を受けられるからもう1品注文した」という経験がある方は多いのではないでしょうか。
一定の金額以上購入すると特典を受けられるクーポンを配布すれば、顧客1人あたりの購入金額である客単価を高めることができます。
例えば、「4,000円以上の利用で〇%OFF」や「2,000円以上のメニュー注文でドリンクバーサービス」といった内容が考えられます。
場合によっては、割引率や特典によっては店舗の利益を圧迫するリスクが高まるので、バランスを考えて条件を設定することが大切です。
6.決済方法を豊富にする
飲食店において、クレジットカード決済をはじめとする諸決済方法を導入することで、客単価を上げることができます。
特に高価格帯の商品を扱っている場合には、現金決済だけではなく、クレジットカード決済等も選択肢に入れることが大切です。
これによって、顧客の支払い方法に制限がなくなり、購入意欲が高まります。
さらに、クレジットカード決済をはじめとするキャッシュレス決済は、決済がスピーディーに行えるため、顧客の待ち時間を減らすことができます。
これによって、顧客満足度が向上し、リピーター化する可能性も高まります。
飲食店経営者は、決済方法を増やすことで、顧客の利便性を高め、客単価をアップさせていきましょう。
以下の記事でおすすめのPOSレジについて解説しています。
飲食店におすすめのPOSレジ比較13選|選ぶポイント・メリット・デメリットも徹底解説客単価を上げるにはおすすめすることが大切
この記事では客単価を上げるための方法を解説してきましたが、店側が何らかの施策を実施したとしても、それをお客様に知ってもらわなければ意味がありません。
知ってもらうための施策としては
- POPで購入意欲を上げる
- ホールスタッフによる推奨
などといったことがあげられます。
以下で具体的に解説していきます。
POPで購入意欲を上げる
施策をお客様に推奨する方法としてPOPの導入が挙げられます。
POPとは、テレビや雑誌などと違って、ショップの店頭や飲食店の注文時という「買う場面や消費する場面」において、情報発信をする広告のことを指します。
POPには「注文する理由」「注文するメリット」といったお客様のためになる情報を掲載することで、販売促進ツールとして活躍します。
スーパー等で買うつもりのなかったものを、POPを見てついつい買ってしまった、なんて人も多いのではないでしょうか。
かなり導入しやすいものとなっているので、お客様に何かを推奨したい時にはすぐに導入しましょう!
ホールスタッフによる推奨
ホールスタッフがオーダーをとるときに、お客様に対して、取り入れた施策について推奨することも方法の一つです。
ホールスタッフに直接何かを推奨され、ついついその推奨にのってしまうというのは多くの人が経験済みでしょう。
ただしスタッフ個人に推奨方法を任せると、その能力によって成功率に波ができてしまいます。
能力には個人差がありますので、お店として簡単な推奨トークのマニュアルを作ると良いでしょう。
さらに、推奨のタイミングの説明とあわせてロールプレイングなども行い、スムーズに「推奨トーク」ができ、注文率を上げていけるようにしておくことがポイントです。
スタッフのやる気を高めるために、成功に応じて何かしらの報奨を付けるなどをしてもよいでしょう。
客単価を上げるために今できる施策をすぐ始めましょう
この記事では、売上と客単価の関係から、客単価の上げ方、行った施策のお客様への推奨方法まで解説してきました。
特に客単価の上げ方については、多くの施策があるので、お店に合った施策をどんどん取り入れ、客単価を上げ、売り上げを増やしていきましょう!
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